こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるZホールディングス(株)【4689】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったZホールディングスの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・Zホールディングスは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
Zホールディングス(株)【4689】 の基本情報
・設立年月日 1996年1月31日
・上場年月日 1997年11月4日
・業種 情報・通信
・特色 ネットサービス国内先駆。広告やECが柱。金融育成中。傘下にヤフー、LINE、ZOZOなど。
・資本金 2,471億円
・従業員数 (単独)339人 (連結)28,385人
・株価 415.5円(2023.9.30)
・単元 100株
・決算 3月末日
旧名はヤフー。グループ経営管理事業、ヤフー事業、金融系グループ経営管理事業を行っています。ヤフー事業では、インターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業を行っています。
インターネット上の広告事業は主に、検索連動型広告やディスプレイ広告等の広告関連サービス等の提供、「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」等のコマース関連サービス、並びに「Yahoo!プレミアム」等の会員向けサービス及びクレジットカード等の決済金融関連サービスの提供を行っています。
情報(Yahoo! JAPAN)、決済(PayPay)、コミュニケーション(LINE)と、日常生活に欠かせない3領域でユーザーとの接点を持っている点は強みですね。
UPDATE THE WORLD-情報技術のチカラで、すべての人に無限の可能性を。
「人類は自由自在になれる」というビジョンのもと、情報技術は人々の可能性をどこまで解放することができるのか。知りたいことに、すぐにアクセスできる。欲しいものが、いつでも手に入る。その先にどんな未来を想像し、新しい常識を創造するか。
ひたむきな熱意と圧倒的な技術力で未来を切り拓き、人々が完全なる「自由自在」を手に入れることのできる世界を実現することを目指されています。
ではここからは、Zホールディングス(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
情報・通信100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 3兆1150億円(5位) |
売上高 | 1兆6723億円(6位) |
営業利益 | 3145億3300万円(4位) |
経常利益 | 2352億1900万円(5位) |
純利益 | 1788億6800万円(4位) |
営業利益率 | 18.8%(16位) |
純利益率 | 10.7%(27位) |
総資産 | 8兆4501億円(5位) |
負債 | 5兆1117億円(5位) |
情報・通信の中で売上高は6位、総資産は5位。利益率もなかなか高く、純利益率は10.7%の27位。情報・通信メーカー大手の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:4168億4100万円
流動負債:4437億8500万円
固定負債:7113億3200万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 0.94倍で基準未達、
②は、固定負債7113億円 > 純流動資産-2694億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高いですね。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年きっちり利益を上げられており、赤字はありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 1286億500万円 |
2015年3月 | 1330億5100万円 |
2016年3月 | 1716億1700万円 |
2017年3月 | 1365億8900万円 |
2018年3月 | 1311億5300万円 |
2019年3月 | 786億7700万円 |
2020年3月 | 816億7500万円 |
2021年3月 | 701億4500万円 |
2022年3月 | 773億1600万円 |
2023年3月 | 1788億6800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均 ) / 最初の3年平均 × 100 = -36.7%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 22.43円 | |
2015年3月 | 23.37円 | 3年平均:25.3円 |
2016年3月 | 30.15円 | |
2017年3月 | 23.99円 | |
2018年3月 | 23.04円 | |
2019年3月 | 14.74円 | |
2020年3月 | 16.88円 | |
2021年3月 | 14.02円 | |
2022年3月 | 10.2円 | 3年平均:16.0円 |
2023年3月 | 23.87円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、きっちり配当が出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 2.88円/株 | 0.85% |
2011年3月 | 3.18円/株 | 1.07% |
2012年3月 | 3.47円/株 | 1.3% |
2013年3月 | 4.01円/株 | 0.93% |
2014年3月 | 4.43円/株 | 0.88% |
2015年3月 | 8.86円/株 | 1.79% |
2016年3月 | 8.86円/株 | 1.85% |
2017年3月 | 8.86円/株 | 1.72% |
2018年3月 | 8.86円/株 | 1.79% |
2019年3月 | 8.86円/株 | 3.27% |
2020年3月 | 8.86円/株 | 2.55% |
2021年3月 | 5.56円/株 | 1.01% |
2022年3月 | 5.81円/株 | 1.08% |
2023年3月 | 5.56円/株 | 1.49% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは17.44倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.06倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR は18.49で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高1兆6723億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | × | -36.7% |
⑤配当 | 〇 | 利回り1.49% |
⑥株価収益率 | △ | 17.44倍 |
⑦株価純資産倍率 | 〇 | 1.06倍 |
財務状況と収益成長性、株価収益率の3項目で基準未達となり、
Zホールディングス(株)は割安株には該当しません!
という結果となりました。
特に流動資産に対して負債がかなり多く、成長性が今一つ、株価も少し高いですね。
オンラインからオフラインまで一気通貫で提供する各サービスから得られるデータを横断的に活用することで、利用者一人ひとりに最適化されたサービスを提供し、さらに質の高い利用者体験の提供を目指す。また、国内最大級のデータ所有者として、その能力を最大限に引き出し、社会全体の価値を向上させる。
2021年3月にLINEと経営統合し、広告や金融といった広範な領域で相乗効果を発揮し、海外事業も拡大していく狙いがあったものの、統合完了後に発覚したLINEの個人情報管理不備問題なんかもあり、なかなか思う通りの成長軌道が描けていない印象です。ソフトバンクグループ含め、今後の対応に注目したいところです。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
👇👇👇ブログランキングに参加中 👇👇👇
👇押していただけると励みになります 👇
コメント