こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるマツダ(株)【7261】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったマツダの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・マツダは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
マツダ(株)【7261】 の基本情報
・設立年月日 1920年1月30日
・上場年月日 1949年5月
・業種 輸送用機器
・特色 中堅自動車メーカー。低燃費で動力性能高いエンジンが強み。輸出比率高い。トヨタと資本提携。
・資本金 2,840億円
・従業員数 (単独)22,832人 (連結)48,481人
・株価 1,730.5円(2024.2.18)
・単元 100株
・決算 3月末日
自動車及び同部品の製造・販売を事業とする自動車メーカーで、ロータリーエンジンを搭載した自動車を量産していたほか、ロードスターは「2人乗り小型オープンスポーツカー」の生産累計世界一としてギネス世界記録の認定を受けており、走行性能とデザインを特色とした車作りに特化する戦略を進めています。
元々はコルクを製造する「東洋コルク工業株式会社」として創業され、1984年にブランド名に合わせ「マツダ株式会社」に改称しています。現社名は、事実上の創業者である松田重次郎の姓と、叡智・理性・調和の神を意味するゾロアスター教の最高神アフラ・マズダー(Ahura Mazdā)にちなみ、自動車産業の光明となるよう願ってつけられたとのことです。
マツダの掲げる走りの哲学「人馬一体」には共感が持てますね。
私たちはクルマをこよなく愛しています。
人々と共に、クルマを通じて豊かな人生を過ごしていきたい。
未来においても地球や社会とクルマが共存している姿を思い描き、どんな困難にも独創的な発想で挑戦し続けています。
ブランドエッセンスである「走る歓び」は、単にクルマの走行性能だけではなく、自信と誇りにつながる、新たな挑戦へと向かう活力が生まれる、動くことへの感動を呼び起こし、心がときめく、ことと考え、このような体験を届けることを目指されています。
ではここからは、マツダ(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
輸送用機器94社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆903億円(12位) |
売上高 | 3兆8267億円(7位) |
純利益 | 1428億1400万円(11位) |
純利益率 | 3.7%(33位) |
総資産 | 3兆5150億円(9位) |
輸送用機器の中で売上高は7位、総資産は9位。利益率はまずまず高く、純利益率は3.7%の33位、国内大手自動車メーカーの一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆7241億円
流動負債:1兆2612億円
固定負債:5412億3000万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.37倍で基準未達、
②は、固定負債5412億円 > 純流動資産4629億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高く、基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2021年が赤字です。新型コロナウイルスで販売が落ち込み、主力市場の欧州での環境規制の強化も重荷となったとのこと。残念ながら基準未達です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 1356億9900万円 |
2015年3月 | 1588億800万円 |
2016年3月 | 1344億1900万円 |
2017年3月 | 937億8000万円 |
2018年3月 | 1120億5700万円 |
2019年3月 | 631億5500万円 |
2020年3月 | 121億3100万円 |
2021年3月 | -316億5100万円 |
2022年3月 | 815億5700万円 |
2023年3月 | 1428億1400万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -57.4%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 226.99円 | |
2015年3月 | 265.64円 | 3年平均:239.2円 |
2016年3月 | 224.85円 | |
2017年3月 | 156.87円 | |
2018年3月 | 182.93円 | |
2019年3月 | 100.28円 | |
2020年3月 | 19.26円 | |
2021年3月 | -50.26円 | |
2022年3月 | 129.49円 | 3年平均:102.0円 |
2023年3月 | 226.71円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、2013年と2021年が無配ですね。残念ながら基準未達です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 15円/株 | 1.14% |
2013年3月 | 0円/株 | 0% |
2014年3月 | 5円/株 | 0.22% |
2015年3月 | 10円/株 | 0.41% |
2016年3月 | 30円/株 | 1.72% |
2017年3月 | 35円/株 | 2.18% |
2018年3月 | 35円/株 | 2.49% |
2019年3月 | 35円/株 | 2.82% |
2020年3月 | 35円/株 | 6.12% |
2021年3月 | 0円/株 | 0% |
2022年3月 | 20円/株 | 2.2% |
2023年3月 | 45円/株 | 3.67% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは6.41倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.67倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も4.29で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高3.8兆円 |
②財務状況 | × | 流動/固定負債多い |
③収益安定性 | △ | 2021年赤字 |
④収益成長性 | × | -57.4% |
⑤配当 | × | 2013年,2021年無配 |
⑥株価収益率 | ◎ | 6.41倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.67倍 |
財務状況と収益安定性/成長性、配当の4項目で基準未達となり、
マツダ(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して流動/固定負債の割合が高く、赤字あり、成長性も低く、無配もありということであれば仕方ありません。
既存の技術資産であるマルチ電動化技術をフル活用して魅力的な商品を投入し、市場の規制に対応していく。また、ラージ商品群を投入し、プラグインハイブリッド車やディーゼルのマイルドハイブリッド車など、環境と走りを両立する商品で収益力を向上させつつ、バッテリーEV専用車の技術開発を本格化させる。
マツダでは、技術開発の長期ビジョン「サステイナブル”Zoom-Zoom”宣言2030」の実現に向け、新商品の導入によるブランド価値向上への取り組みとして、グローバルに成長し続けるSUV商品群をさらに拡充し、CX-50/60/70/80/90の5車種を導入してくとのこと。販売の質的改善を継続強化し、ブランド価値の向上を図るとともに、本格成長を確実なものとしていくとのこと。
また、電動化とカーボンニュートラル化にも積極的に取り組み、内燃機関の一層の進化と電動化技術を拡大し、多様な電動化技術を搭載したモデルを導入予定であり、EV、プラグインハイブリッド、ハイブリッド等のマルチソリューションを展開されるそう。事業構造の転換や時代の大きな変化に耐えうる強靭な経営体質の実現に向けた取り組みを進められています。今後に期待しましょう。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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