こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるヤマハ発動機(株)【7272】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったヤマハ発動機の評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ヤマハ発動機は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
ヤマハ発動機(株)【7272】 の基本情報
・設立年月日 1955年7月1日
・上場年月日 1961年9月
・業種 輸送用機器
・特色 楽器のヤマハ発祥。2輪で世界大手。稼ぎ頭はマリン、産業ロボットも強化。トヨタと提携。
・資本金 861億円
・従業員数 (単独)10,426人 (連結)53,507人
・株価 1,383円(2024.2.24)
・単元 100株
・決算 12月末日
オートバイを中心とした輸送用機器メーカーで、一般によく知られているオートバイ・スクーターなどの自動二輪車部門だけでなく、ボート、船外機、漁船、ヨット、マリンジェットなどのマリン製品、スノーモビル、バギーなどのレジャービークル、電動自転車、電動スクーターなどのEV、産業ロボットなど様々な製品を展開しています。
第二次世界大戦中に飛行機用のプロペラと関連機器を製造していた日本楽器製造(現ヤマハ)が技術と製造設備の平和利用を目的として社内でのオートバイ生産を開始し、1955年に日本楽器製造から分離されるかたちで、オートバイ製造販売業としてスタートしています。
農業用無線操縦ヘリコプターや除雪機、プール設備なんかも手掛けられています。
感動創造企業
世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する
人々の夢を知恵と情熱で実現し、 つねに「次の感動」を期待される企業
それが、感動創造企業・ヤマハ発動機である。
ブランドスローガンは”Revs your Heart”、エンジンの回転をあげるように心躍る瞬間、そして最高の経験をYAMAHAと出会うすべての人へ届けたいという想いで、イノベーションの情熱を胸に、顧客の期待を超える感動の創造に挑戦し続けておられます。
ではここからは、ヤマハ発動機(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
輸送用機器94社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 4兆1138億円(5位) |
売上高 | 2兆4147億円(12位) |
純利益 | 1641億1900万円(9位) |
純利益率 | 6.8%(8位) |
総資産 | 2兆5719億円(12位) |
輸送用機器の中で売上高、総資産とも12位。利益率は高く、純利益率は6.8%の8位、二輪の売上規模は世界第2位、船外機やウォータービークルの販売台数は世界首位です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年12月期の決算短信によると、
流動資産:1兆5485億円
流動負債:8651億6500万円
固定負債:5241億2500万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.79倍で基準未達、
②は、固定負債5241億円 < 純流動資産6833億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債の割合が高く、惜しくも基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2009年に赤字がありますが、それ以降は毎年しっかり利益を上げられており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年12月 | 684億5200万円 |
2015年12月 | 600億2300万円 |
2016年12月 | 631億5300万円 |
2017年12月 | 1016億300万円 |
2018年12月 | 933億6600万円 |
2019年12月 | 757億3600万円 |
2020年12月 | 530億7200万円 |
2021年12月 | 1555億7800万円 |
2022年12月 | 1744億3900万円 |
2023年12月 | 1641億1900万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +163.8%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年12月 | 65.35円 | |
2015年12月 | 57.29円 | 3年平均:61.0円 |
2016年12月 | 60.28円 | |
2017年12月 | 96.98円 | |
2018年12月 | 89.12円 | |
2019年12月 | 72.27円 | |
2020年12月 | 50.63円 | |
2021年12月 | 148.56円 | |
2022年12月 | 170.49円 | 3年平均:160.9円 |
2023年12月 | 163.57円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており問題ありません。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2011年12月 | 5.17円/株 | 1.59% |
2012年12月 | 3.33円/株 | 1.05% |
2013年12月 | 8.67円/株 | 1.65% |
2014年12月 | 13.33円/株 | 1.64% |
2015年12月 | 14.67円/株 | 1.6% |
2016年12月 | 20円/株 | 2.33% |
2017年12月 | 29.33円/株 | 2.38% |
2018年12月 | 30円/株 | 4.17% |
2019年12月 | 30円/株 | 4.09% |
2020年12月 | 20円/株 | 2.85% |
2021年12月 | 38.33円/株 | 4.17% |
2022年12月 | 41.67円/株 | 4.15% |
2023年12月 | 48.33円/株 | 3.84% |
なお、株主優待は12月末の権利確定で100株以上保有なら1000ポイント、(3年以上保有なら2000ポイント、500株以上保有なら2000ポイント(3年以上保有なら3000ポイント)、1000株以上保有なら3000ポイント(3年以上保有なら4000ポイント)がもらえ、ポイント数に応じて優待品の中から好きなものを選べます。
優待品の一例
・グループ会社所在地(静岡県、北海道、宮城県、熊本県)名産品
・ジュビロ磐田Jリーグ観戦ペアチケット
・関連施設利用割引券
・社会貢献基金への寄付
また、6月末の権利確定で3,000株以上保有の希望者に、翌年のオリジナルカレンダー(レーシング or マリン)がもらえます。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは7.84倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.22倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も9.56で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高2.4兆円 |
②財務状況 | △ | 流動負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +163.8% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.84% |
⑥株価収益率 | ◎ | 7.84倍 |
⑦株価純資産倍率 | 〇 | 1.22倍 |
財務状況のみが基準未達となり、
ヤマハ発動機(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して流動負債の割合が基準よりわずかに多く、惜しくも未達となりましたが、収益の安定性、成長性も十分で、配当しっかりで株価も手ごろ、かなり優秀ではないでしょうか。
「Rethinking Solution」を一つのテーマとして掲げ、社会課題に対してこれまで培った技術や知見とパートナーとの共創活動で、ヤマハらしい新価値創造を進め、SDGsの達成に貢献する事業開発を加速させる。
ヤマハ発動機では、2030年に向けて「Art for Human Possibilities ~人はもっと幸せになれる~」という長期ビジョンを掲げ、成長戦略と基盤強化を進めており、新規事業と成長事業を戦略事業領域として、将来のコア事業に育てるために経営資源を積極的に配分していくとのこと。
コア事業である二輪車事業では、需要が回復する新興国市場でプレミアム戦略を推進し、収益性の向上に取り組み、マリン事業についても、大型船外機のラインナップ拡充と販売比率の拡大、生産能力の増強により事業競争力の向上を目指すとのこと。今後さらなる成長が期待できそうですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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