こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるコナミグループ(株)【9766】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったコナミの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・コナミは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
コナミグループ(株)【9766】 の基本情報
・設立年月日 1973年3月19日
・上場年月日 1984年10月1日
・業種 情報・通信業
・特色 家庭・携帯用ゲーム主力。スポーツ施設業界首位。カジノ機は米国・豪、パチスロ機は国内へ販売。
・従業員数 (単独)228人 (連結)4,890人
・株価 11,680円(2024.8.14)
・単元 100株
・決算 3月末日
ゲームソフトやアミューズメント機器の製造・販売とスポーツクラブの運営などを手掛けるコナミグループの純粋持株会社。1980年代、アーケードゲームから家庭用コンピューターゲームへ参入した老舗ゲームメーカーの中で、現在も独立を保っている数少ない存在。
ジュークボックスのレンタルと修理業を経てアーケードゲーム事業に参入し、今に至ります。
コナミといえば、グラディウスや悪魔城ドラキュラをはじめ、ゲーム音楽がすごくかっこ良かった印象です。
アーケードゲームのほかにMSX、ファミリーコンピュータ、プレイステーションなどのパソコン・家庭用テレビゲーム機でジャンルを問わない多くの人気ゲーム作品を発表し、現在では関連子会社を通じてテレビゲームに留まらず、ソーシャルゲーム進出やカードゲームなどの玩具の製作・発売、スポーツクラブの運営も手掛けるなど、多角的に事業を展開しています。
私たちコナミグループは、『価値ある時間』の創造と提供を通して、常に期待される企業集団を目指します。
「カスタマー・イン」「チャレンジ」「チェンジ」「コンプライアンス」の4つの勝気基準に基づき、時代の波頭をとらえた革新的な商品・サービスを世界中に提供することで、新しい楽しさをつぎつぎと創出することを目指されています。
ではここからは、コナミに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
情報・通信業605社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆5833億円(11位) |
売上高 | 3603億1400万円(18位) |
純利益 | 591億7100万円(9位) |
純利益率 | 16.4%(13位) |
総資産 | 6125億9900万円(15位) |
情報・通信業の中で売上高は18位、総資産は15位。利益率も高めで、純利益率は16.4%の13位、ゲーム業界では上位の一社であり、スポーツ施設業界でも国内トップ企業です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2024年3月期の決算短信によると、
流動資産:3438億6000万円
流動負債:859億2600万円
固定負債:925億4600万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 4.00倍で基準達成、
②も、固定負債925億円 < 純流動資産2579億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれも少なく、非常にきれいな財務状況です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2015年3月 | 99億1800万円 |
2016年3月 | 105億1600万円 |
2017年3月 | 259億5100万円 |
2018年3月 | 305億700万円 |
2019年3月 | 341億9600万円 |
2020年3月 | 198億9200万円 |
2021年3月 | 322億6100万円 |
2022年3月 | 548億600万円 |
2023年3月 | 348億9500万円 |
2024年3月 | 679億1700万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +225.4%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2015年3月 | 71.55円 | |
2016年3月 | 76.44円 | 3年平均:113.3円 |
2017年3月 | 191.89円 | |
2018年3月 | 225.59円 | |
2019年3月 | 252.87円 | |
2020年3月 | 147.26円 | |
2021年3月 | 242.17円 | |
2022年3月 | 410.81円 | |
2023年3月 | 258.81円 | 3年平均:368.7円 |
2024年3月 | 436.5円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 54円/株 | 3% |
2011年3月 | 32円/株 | 2.08% |
2012年3月 | 50円/株 | 2.13% |
2013年3月 | 50円/株 | 2.64% |
2014年3月 | 34円/株 | 1.43% |
2015年3月 | 21円/株 | 0.93% |
2016年3月 | 23円/株 | 0.69% |
2017年3月 | 58円/株 | 1.23% |
2018年3月 | 68円/株 | 1.22% |
2019年3月 | 126円/株 | 2.62% |
2020年3月 | 45円/株 | 1.36% |
2021年3月 | 73円/株 | 1.11% |
2022年3月 | 123.5円/株 | 1.59% |
2023年3月 | 124円/株 | 2.04% |
2024年3月 | 131円/株 | 1.28% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは26.61倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは3.58倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRも95.26で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高3603億円 |
②財務状況 | ◎ | 文句なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +225.4% |
⑤配当 | 〇 | 利回り1.28% |
⑥株価収益率 | × | 26.61倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 3.58倍 |
株価収益率と株価純資産倍率の2項目で基準未達となり、
コナミグループ(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
株価が高い以外はオールクリアー、特に財務状況なんかは非常にきれいだったのですが、これだけ良ければそりゃ株価は上がりますよね。惜しいんですが仕方ありません。
時代の変化に対応し、常に時代の波頭を捉えた革新的な製品、サービスを世界中に提供することで、持続的な成長と企業価値向上に努めていく。
「エンタテインメント」と「スポーツ」の2つの分野で商品・サービスを提供するコナミにとってビジネスを展開するマーケットが大きな広がりを見せており、成長する機会がますます増えているとのこと。さらなる成長性が期待できるなら今のうちに買ってみるのも一手かもしれませんね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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