第2回 米国ETFのパフォーマンス対決!VOO,VUG,QQQ,VYM,HDV,AGGの10年トータルリターンを徹底比較

こんにちは、なみです。

今回は、米国ETFのパフォーマンス対決の第2回として、米国を代表するETFであり、日本の個人投資家の中でも人気の高いVOO,VUG,QQQ,VYM,HDV,AGGの6銘柄について、前回よりも期間を延ばし、2010年10月から2020年11月までの約10年間のトータルリターンを比較します。

前回は高配当株ETFの中にSPYDを入れていたのですが、SPYDは設定日が2015年10月と新しいためデータがなく、今回は対象外としました。ただSPYDは、前回の5年間でのトータルリターン比較では最下位でしたので、もし10年間であっても厳しい結果だったと思います。

今回もトータルリターンだけでなく、元本と配当それぞれの推移や再投資の有無による違いなど、様々な観点からパフォーマンス比較を行っています。

米国ETFの投資先に迷っておられる投資初心者の皆さんにとって、参考になる内容ではないかと思います。

インデックス投資と高配当株投資、債券投資におけるパフォーマンスの違いをイメージする上で非常に参考になるデータだと思いますので、よろしければご覧ください。

目次

結論

今回もいきなり結論からいきます!

配当再投資ありでのトータルリターン(2010年10月~2020年11月)は、以下の通りとなりました。
なお、計算簡略化のため、購入手数料や為替手数料、売却時に発生する税金は無視していますので、実際のリターンはもう少し低くなります。

今回も、QQQ,VUGのグロース系ETFがトップ2の成績となりました。QQQは10年で5.59倍、VUGは4.40倍という凄まじいリターンです。そして今回も、高配当株ETFはグロース系ETFにパフォーマンスで大きく劣るという、厳しい結果となりました。

前回の5年間との違いでは、前回は債券ETFのAGGが高配当株ETFといい勝負だったのに対し、今回はちょっと離れた最下位となってしまいました。AGGは安定感抜群とはいえ、上昇相場ではやはり安定感が逆噴射し、パンチ力に欠けてしまうようですね。納得の結果です。

では、この結論に至るまでの調査内容を順番にご紹介したいと思います。

計算条件

銘柄紹介は前回一通りしましたので今回は省略します。
計算条件は以下の通りで、基本前回と同じです。

・検証期間は、2010年10年をスタートとし、2020年11月までとした。
 但し、HDVは設定日が2011年3月なので、HDVのみ2011年3月スタートとした。

・2010年10月1日に1万ドルを一括投資したと仮定した。

・各月の基準価格は、その月の1日の終値とした。

・配当を再投資する場合、配当受け取り直後にその月の基準価格で全額を再投資したものとした(小数点以下の口数でも購入できるものとした)。

・配当に対し、米国での現地税10%が課税された上で、さらに日本で20.315%が課税されたものとし、残りを受取額とした。

・購入手数料と為替手数料は無視した

元本の推移

2010年10月に1万ドル全額を一括投資したときの、元本の推移は以下の通りとなりました。

元本については、QQQ > VUG > VOO > VYM > HDV > AGG の順になりました。

2010~2013年あたりの最初の3年程度はAGG以外はほとんど団子状態だったのですが、直近5年に大きな差が生じ、グロース株ETFのQQQ,VUGが際立って上昇しています。

その一方、高配当株ETFであるVYM,HDVはグロース株ETFと比べると値動きが重く、コロナショックのダメージからもなかなか回復できていません。

AGGは10年間ほとんど変動しておらず、コロナショックの影響もほぼ皆無で、驚異の安定性ですね。

累積配当額の推移

次に、2010年10月に1万ドル全額を一括投資したときの、累積配当金の推移は以下の通りとなりました。

累積配当額は、VYM > HDV > VOO > AGG > VUG > QQQ の順となりました。

高配当株ETFのVYMとHDVの配当額が他を大きく引き離しています。直近5年間の累積ではHDVの方が多かったのですが、10年間ではVYMが勝る結果となりました。

グロース株ETFのVUG,QQQも少ないながら配当は出ており、AGGに近い累積額になっています。
VOOは、高配当株とグロース株ETFの中間あたりに位置しており、VUGやQQQを大きく上回るほどではないです。価格の上昇率を考えると今一つという印象ですね。

配当再投資しないときのトータルリターン

配当を再投資しなかったときの累積配当+評価額の推移は以下の通りとなります。

配当を再投資せずそのまま受け取った場合、その累積配当額と元本評価額の推移は、
QQQ > VUG > VOO > VYM > HDV > AGG の順となりました。

前回の5年間と同様、グロース株ETFと比較して、高配当株ETFの伸び悩みが目立ちます。債券ETFのAGGは評価額の変動は極めて小さいものの、パフォーマンスの点では離れた最下位となりました。

配当再投資したときのトータルリターン

次に、配当をすべて再投資した場合の評価額の推移は以下の通りとなりました。

ぱっと見、再投資なし時と大きくは変わらないですね。順列も全く同じでした。

再投資なしと再投資あり時の最終評価額を比較すると以下の通りとなりました。

再投資なし時再投資あり時
 QQQ   53627    55894    2267  
VUG42085439781893
VOO31535327211186
VYM2442225163741
HDV198181991092
AGG132941337985
2010年10月に1万ドル投資したときの2020年11月時点のトータル評価額(ドル)

複利効果って大きいはずなんですが、思ったより小さい結果となりました。10年ではこの程度ってことですかね。また、ETFの価格変動の小さいものほど複利の効果が小さく、HDVやAGGは10年で100ドル未満の差しか出ないという結果になりました。

再投資して複利の効果を得ようとする場合、再投資分が新たな配当を生んでくれるの確かなのですが、それによる配当額の増加幅はごくわずかで、QQQやVUGのように投資対象のETF価格自体が上昇してくれないと、大きな複利効果は得られないようです。

AGGはともかく、HDVでも再投資の効果がほとんど得られないというのは意外でした。
逆に考えれば、価格上昇がグロース株ほど大きくない高配当株ETFは、配当の再投資にこだわらず、その都度消費に回すなど、キャッシュフローの一助にするのもアリですね。

まとめ

以上、米国ETFのパフォーマンス対決の第2回として、米国を代表するETFである6銘柄について、約10年間のトータルリターンを比較してみました。

今回の検証結果をまとめると、下表の通りとなります。

今回も前回の5年間検証と同様、QQQおよびVUGといったグロース株ETFのパフォーマンスの優秀さが際立ち、VYMやHDVといった高配当株ETFにとっては非常に厳しい結果となりました

また、債券ETFであるAGGはその鉄壁の安定性により、長期の上昇局面ではプラスの効果も低減し、高いパフォーマンスは期待できないということも確認できました。

さらに、配当再投資の効果検証結果からは、ETF価格の変動が小さい銘柄は再投資による複利の効果が得られにくいということも確認できました。

そのため、私自身は今後、VOO(実際はSBI・バンガードインデックスファンドに投資)、VUG、QQQのグロース系ETFも投資の柱として、コツコツ積み立て購入していこうと改めて認識しました。

もちろん高配当株投資ももう一方の柱として、しっかり投資は続けます。ただ、配当の再投資にはあまりこだわらず、投資以外の消費や、他の銘柄の投資金に充てるなど、キャッシュフローの活性化にも役立てていこうと思います。


以上、皆さんの参考になればうれしいです。

*関連リンクです

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