なみこんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである明治ホールディングス(株)【2269】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿った明治ホールディングスの評価
事業規模は？
資産と負債のバランスは？
収益の安定性と成長性は？
配当はしっかり出てるのか？
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か？
・明治ホールディングスは割安株なのか？
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
なみ日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか？
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければこちらもあわせてご覧ください。
明治ホールディングス(株)【2269】 の基本情報
・設立年月日 2009年4月1日
・上場年月日 2009年4月1日
・業種 食料品
・特色 明治製菓と明治乳業が2009年に統合。2011年に国内首位の乳業、菓子と医薬品に再再編。海外拡大中。
・従業員数 (単独)116人 (連結)17,270人
・株価 3,603円(2024.9.29)
・単元 100株
・決算 3月末日
(株)明治、Meiji Seika ファルマ(株)、KMバイオロジクス(株)を傘下に持つ純粋持ち株会社。(株)明治は、赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代のお客さまに向けて、粉ミルク、牛乳、ヨーグルト、菓子、チーズ、スポーツ栄養、流動食など幅広い商品を提供しています。
100年以上にわたり「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、「健康・安心」への期待に応えてゆくことを使命として事業を展開されています。
なみチョコレートやヨーグルト、牛乳は業界シェアNo.1！薬品でも全身性抗菌剤はシェア1位です。
私たちの使命は、
「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、
「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。
私たちの願いは、
「お客さまの気持ち」に寄り添い、
日々の「生活充実」に貢献すること。
私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、
常に一歩先を行く価値を創り続けます。
行動指針としてmeiji wayを定め、お客さまの、パートナーの、仲間たちの、
「そばになくてはならない存在」となることを目指されています。
ではここからは、明治ホールディングス(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
食料品100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
| 時価総額 | 9951億8400万円(9位) |
| 売上高 | 1兆1054億円(8位) |
| 純利益 | 506億7500万円(11位) |
| 純利益率 | 4.6%(37位) |
| 総資産 | 1兆2027億円(6位) |
食料品の中で売上高は第8位、総資産は第6位。利益率もまずまず高く、純利益率は4.6%の37位。乳業系では圧倒的なトップ企業です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2024年3月期の決算短信によると、
流動資産：5630億2900万円
流動負債：3223億4500万円
固定負債：951億4900万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.75倍で基準未達、
②は、固定負債951億円 < 純流動資産2406億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動の負債の割合が高く、基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
明治HDの業績を確認すると、やはり食品事業の大手、すごく安定しています。毎年きっちり利益を出されており赤字などなく、基準達成です。
| 年度 | 純利益 |
| 2015年3月 | 308億9100万円 |
| 2016年3月 | 625億8000万円 |
| 2017年3月 | 607億8600万円 |
| 2018年3月 | 612億7800万円 |
| 2019年3月 | 618億6800万円 |
| 2020年3月 | 673億1800万円 |
| 2021年3月 | 656億5500万円 |
| 2022年3月 | 874億9700万円 |
| 2023年3月 | 694億2400万円 |
| 2024年3月 | 506億7500万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均 ) / 最初の3年平均 × 100 = 39.8%となり、基準達成です。
| 年度 | EPS | |
| 2015年3月 | 104.89円 | |
| 2016年3月 | 212.53円 | 3年平均:174.7円 |
| 2017年3月 | 206.55円 | |
| 2018年3月 | 211.08円 | |
| 2019年3月 | 213.3円 | |
| 2020年3月 | 232.04円 | |
| 2021年3月 | 226.26円 | |
| 2022年3月 | 303.62円 | |
| 2023年3月 | 247.38円 | 3年平均:244.2円 |
| 2024年3月 | 181.64円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
明治HDのIR情報を確認すると、 毎年しっかり配当を出されており、基準達成です。ここ9年は連続増配もされています。
| 年度 | 配当金 | 配当利回り |
| 2010年3月 | 20円/株 | 2.2% |
| 2011年3月 | 20円/株 | 2.39% |
| 2012年3月 | 20円/株 | 2.21% |
| 2013年3月 | 20円/株 | 1.83% |
| 2014年3月 | 20円/株 | 1.23% |
| 2015年3月 | 25円/株 | 0.68% |
| 2016年3月 | 45円/株 | 0.99% |
| 2017年3月 | 55円/株 | 1.19% |
| 2018年3月 | 65円/株 | 1.6% |
| 2019年3月 | 70円/株 | 1.56% |
| 2020年3月 | 75円/株 | 1.95% |
| 2021年3月 | 80円/株 | 2.25% |
| 2022年3月 | 85円/株 | 2.57% |
| 2023年3月 | 90円/株 | 2.85% |
| 2024年3月 | 95円/株 | 2.81% |
なお、株主優待は3月末の権利確定で、100株以上で1500円相当、200株以上で2500円相当、1000株以上で5500円相当の明治グループ製品詰め合わせがもらえます。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは20.01倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.33倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR は26.61 で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
| 項目 | 評価結果 | 備考 |
| ①事業規模 | ◎ | 売上高1.1兆円 |
| ②財務状況 | 〇 | 問題なし |
| ③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
| ④収益成長性 | 〇 | +39.8% |
| ⑤配当 | 〇 | 利回り2.81%+優待あり |
| ⑥株価収益率 | △ | 20.01倍 |
| ⑦株価純資産倍率 | △ | 1.33倍 PER×PBRがNG |
株価収益率/純資産倍率の2項目で基準未達となり、
なみ明治ホールディングス(株)は割安株には該当しません！
という結果となりました。
財務状況は健全で、収益安定性と成長性も高く、配当もしっかり。ただ株価がちょっと高いですね。惜しいです。
明治グループ100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本、世界で成長し続ける。
食品、医薬品の各事業で培ったノウハウ・強みを生かすとともに、オープンイノベーションにより社外の知見を積極的に取り入れることで、健康・予防領域における独自価値の創出を目指されるとのこと。今後に期待ですね。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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