SUBARUは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)SUBARU【7270】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿ったSUBARUの評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・SUBARUは割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)SUBARU【7270】 の基本情報

・設立年月日 1953年7月17日
・上場年月日 1960年3月
・業種    輸送用機器
・特色    水平対向エンジンや4駆車、安全技術に強み。米国比率高い。航空機も。トヨタが筆頭株主。
・資本金   1,537億円
・従業員数  (単独)17,228人 (連結)37,521人
・株価    3,343円(2024.2.24)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

「自動車」と「航空宇宙」の2つの事業を持つ、グローバルな輸送機器メーカーです。日本の自動車メーカーとしては古い歴史を持ち、国内規模は小さいながらもレガシィシリーズ、フォレスター、インプレッサシリーズなどで世界的人気・知名度の高い自動車メーカーです。

2017年に社名を富士重工株式会社から株式会社SUBARUへ変更し、同社のアイデンティティであるシンメトリカルAWDや水平対向エンジン、世界初の運転支援システム「アイサイト」の技術は高く評価されています。

近年では、米国を重点市場と位置づけ、SUVとスポーツモデルを中心とした商品ラインアップとするなど、限られた資源を強みと特長を伸ばすべき分野に集中させる戦略をとり、付加価値の高い商品を通して「安心と愉しさ」を提供しています。

なみ

日本の航空宇宙業界でも第三位の企業であり、防衛省向け航空機の製造・開発及び定期整備やボーイング社向け分担生産なども行っています。

経営理念

“お客様第一”を基軸に『存在感と魅力ある企業』を目指す

ありたい姿は「笑顔をつくる会社」。「安心と愉しさ」という価値を届け、顧客の笑顔をつくることを目指されています。

ではここからは、(株)SUBARUに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

輸送用機器94社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額2兆5132億円(7位)
売上高3兆7744億円(8位)
純利益2004億3100万円(6位)
純利益率5.3%(17位)
総資産4兆3548億円(7位)
業績に関する各種項目

輸送用機器の中で売上高は8位、総資産は7位。利益率も高めで、純利益率は5.3%の17位、高い技術力に強みを持つ歴史ある自動車メーカーです。

事業規模は文句なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:2兆4297億円
流動負債:1兆134億円
固定負債:8207億2100万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 2.40倍で基準達成
②は、固定負債8207億円 < 純流動資産1兆4163億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、基準達成です。

財務状況は問題なし!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており、問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2014年3月 2066億1600万円
2015年3月2618億7300万円
2016年3月4366億5400万円
2017年3月2823億5400万円
2018年3月2203億5400万円
2019年3月1414億1800万円
2020年3月1525億8700万円
2021年3月765億1000万円
2022年3月700億700万円
2023年3月2004億3100万円
直近10年間の純利益

収益安定性は問題なし!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -61.0%となり、基準未達です。

年度EPS
2014年3月264.76円
2015年3月335.57円3年平均:386.6円
2016年3月559.54円
2017年3月365.77円
2018年3月287.4円
2019年3月184.44円
2020年3月198.99円
2021年3月99.77円
2022年3月91.28円3年平均:150.8円
2023年3月261.33円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性はNG!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており問題ありません。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2011年3月9円/株1.68%
2012年3月9円/株1.35%
2013年3月15円/株1.03%
2014年3月53円/株1.9%
2015年3月68円/株1.7%
2016年3月144円/株3.62%
2017年3月144円/株3.53%
2018年3月144円/株4.13%
2019年3月144円/株5.71%
2020年3月100円/株4.82%
2021年3月56円/株2.54%
2022年3月56円/株2.87%
2023年3月76円/株3.59%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

配当は文句なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPERは7.45倍であり、基準達成です。

株価収益率は文句なし!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.06倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も7.90で基準達成です。

株価純資産倍率は問題なし!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高3.8兆円
②財務状況問題なし
③収益安定性赤字なし
④収益成長性×-61.0%
⑤配当利回り3.59%
⑥株価収益率7.45倍
⑦株価純資産倍率1.06倍
結果まとめ

収益成長性のみが基準未達となり、

なみ

(株)SUBARUは割安株に該当しません!

という結果となりました。

財務状況や収益安定性は問題なく、配当もしっかりでPERやPBRも低いのですが、残念ながら成長性が今一つです。

これからのSUBARU

「死亡交通事故ゼロ」と「脱炭素社会への貢献」に向け、「安心と愉しさ」を支える技術をより一層進化させ、強みであるAWD(全輪駆動)の制御ノウハウをモーター制御にも活用する等、電動化の時代においても「SUBARUらしさ」を強化していく。

アイサイトよりも広い範囲を認識できる「広角単眼カメラ」を北米市場向けのアウトバックへの新採用、BEV(電気自動車)のトップバッター「SOLTERRA」の発表、トヨタとのアライアンスの深化など、市場が求める安全性と環境性能の実現に向けて積極的に取り組まれています。さらなる成長が期待できそうですね。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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