こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)大和証券グループ本社【8601】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿った大和証券グループ本社の評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・大和証券グループ本社は割安株なのか?
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)大和証券グループ本社【8601】 の基本情報
・設立年月日 1943年12月27日
・上場年月日 1961年10月
・業種 証券業
・特色 国内2位の大和証券を核に資産運用、ネット銀行等を併営。海外はアジア中心に提携網拡大。
・資本金 2,473億円
・従業員数 (単独)470人 (連結)14,711人
・株価 1161.5円(2024.5.12)
・単元 100株
・決算 3月末日
証券会社の大和証券を傘下に持つ日本の金融持株会社で、傘下に大和証券・大和投資信託委託・大和総研・大和企業投資などを持つ、日本では野村證券に次いで業界2位の証券グループの持株会社です。
短資部門を中心に証券業を営んでいた藤本証券と大阪証券取引所の機関銀行だった日本信託銀行が1943年に合併し、成立したものです。
証券会社としての強力な国内基盤と、世界27拠点にグローバルネットワークを活かし、個人対象のリテール事業と企業対象のホールセール事業の両分野で強みを持っています。
「信頼の構築」「人材の重視」「社会への貢献」「健全な利益の確保」
顧客からの信頼を基盤とし、金融・資本市場を通じて社会及び経済の発展に資することをグループの使命として、健全なビジネス展開を通じて企業価値を高め、価値あるサービスの提供によって適正な利益を獲得することを目指されています。
ではここからは、大和証券グループ本社に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
証券、商品先物取引業40社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆6276億円(2位) |
売上高 | 1兆2774億円(2位) |
純利益 | 1215億5700万円(2位) |
純利益率 | 9.5%(28位) |
総資産 | 32兆272億円(2位) |
証券、商品先物取引業の中で売上高、総資産とも2位。利益率はまずまずで、純利益率は9.5%の28位、証券取引業では野村證券に次ぐ業界第2位の位置づけです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2024年3月期の決算短信によると、
流動資産:30兆4393億円
流動負債:26兆7975億円
固定負債:3兆4354億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.14倍で基準未達、
②は、固定負債3.4兆円 < 純流動資産3.6兆円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債の割合が高く、基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績で確認すると、2011年と2012年に赤字はあるものの、それ以降は毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2015年3月 | 1484億9000万円 |
2016年3月 | 1168億4800万円 |
2017年3月 | 1040億6700万円 |
2018年3月 | 1105億7900万円 |
2019年3月 | 638億1300万円 |
2020年3月 | 603億4600万円 |
2021年3月 | 1083億9600万円 |
2022年3月 | 948億9100万円 |
2023年3月 | 638億7500万円 |
2024年3月 | 1215億5700万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -11.7%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2015年3月 | 87.07円 | |
2016年3月 | 68.25円 | 3年平均:72.3円 |
2017年3月 | 61.53円 | |
2018年3月 | 66.88円 | |
2019年3月 | 39.95円 | |
2020年3月 | 39.11円 | |
2021年3月 | 71.2円 | |
2022年3月 | 63.06円 | |
2023年3月 | 43.53円 | 3年平均:63.8円 |
2024年3月 | 84.94円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 13円/株 | 2.64% |
2011年3月 | 6円/株 | 1.57% |
2012年3月 | 6円/株 | 1.83% |
2013年3月 | 15円/株 | 2.29% |
2014年3月 | 34円/株 | 3.79% |
2015年3月 | 30円/株 | 3.17% |
2016年3月 | 29円/株 | 4.19% |
2017年3月 | 26円/株 | 3.83% |
2018年3月 | 28円/株 | 4.12% |
2019年3月 | 21円/株 | 3.9% |
2020年3月 | 20円/株 | 4.77% |
2021年3月 | 36円/株 | 6.29% |
2022年3月 | 33円/株 | 4.76% |
2023年3月 | 23円/株 | 3.7% |
2024年3月 | 44円/株 | 3.82% |
株主優待は3月末と9月末の権利確定で1,000株以上保有で優待品がもらえます。
優待品は以下のラインナップから選べ、
(1)名産品、雑貨(2,000円相当)
(2)会社四季報(1冊)
(3)寄付(2,000円相当)
(4)Web申し込み限定品
(5)名産品、雑貨(5,000円相当)
(6)会社四季報(2冊)
(7)寄付(5,000円相当)
(8)Web申し込み限定品(10,000円相当)
1,000~2,999株なら(1)~(4)より1点、3,000~4,999株なら(1)~(4)より2点、5,000~9,999株なら(5)~(7)より1点、10,000株以上なら(5)~(7)より2点もしくは(8)を1点を選択できます。
1,000株保有なら年間4,000円分なので、優待利回りが0.3%程度あることになりますね。
またグループが運用、投資するホテルやゴルフ場の割引や優待、高齢者向け施設・住宅の入居時費用割引なんかも受けられます。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは13.40倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.07倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも14.34で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高1.3兆円 |
②財務状況 | △ | 流動負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | × | -11.7% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.82%+優待あり |
⑥株価収益率 | 〇 | 13.40倍 |
⑦株価純資産倍率 | 〇 | 1.07倍 |
財務状況と収益成長性の2項目で基準未達となり、
(株)大和証券グループ本社は割安株に該当しません!
という結果となりました。
赤字もなく、配当もしっかりなのですが、流動負債が多く、成長性が物足りないですね。仕方なしです。
環境変化にぶれることなく、「お客様の最善の利益」を追求した資産管理型ビジネスモデルへの移行を愚直に推し進めるとともに、ハイブリッドビジネスの強化を通じて、幅広いお客様のニーズに適したオルタナティブ投資機会の拡充を図る。
目指す姿である「未来を共に創るベストパートナー~Be with you~」の実現に向け、資産管理型ビジネスモデルへの転換と、ハイブリッド戦略の推進による付加価値の高い商品・サービスの創出や収益構造の多様化が着実に進展できているとのこと。今後に期待ですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
👇👇👇ブログランキングに参加中 👇👇👇
👇押していただけると励みになります 👇
コメント