SMCは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、2022年10月から新たに日経225構成銘柄の1つに加わったSMC(株)【6273】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿ったSMCの評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・SMCは割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

SMC(株)【6273】 の基本情報

・設立年月日 1959年4月27日
・上場年月日 1987年12月23日
・業種    機械
・特色    FA空圧制御機器で世界首位。国内シェア6割強、海外4割。顧客の業種は幅広く収益基盤厚い。
・資本金   610億円
・従業員数  (単独)6,006人 (連結)22,783人
・株価    67,880円(2023.3.21)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

日本の空気圧制御機器メーカーで、工場の自動化設備の空圧制御機器で世界首位(国内シェア6割、世界シェア3割)、ドイツのフェスト社 (Festo) との世界2強を構成し、空圧機器のほか、自動制御機器や焼結濾過体および各種濾過装置なども製造しています。

1959年に焼結金属を製造する「焼結金属工業株式会社」として設立され、かつては「ショーケツ」ブランドで製品を販売し、1986年に現社名に変更してます。社名のSMCは、「焼結金属」の英文名「Sintered Metal」に「Company」の頭字語をとったものだそうです。

なみ

ユーザーニーズに合わせて多様な製品を組み合わせてシステムを構築する提案力・技術力が強みです。

企業目標

お客様のご要望にはすべてお応えする

70万品目の製品群と豊富なノウハウをもとに、あらゆる産業分野でオートメーションに取り組む顧客に対して、世界中のどこでも最高の製品とサービスを提供できる体制をとられています。

ではここからは、SMCに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

機械100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額3兆6645億円(3位)
売上高7273億9700万円(11位)
営業利益2278億5700万円(3位)
経常利益2729億8100万円(3位)
純利益1929億9100万円(3位)
営業利益率31.3%(2位)
純利益率26.5%(1位)
総資産1兆8984億円(5位)
負債2121億3800万円(17位)
業績に関する各種項目

機械の中で売上高は11位、総資産は5位。利益率は業界トップで、純利益率は驚異の26.5%の1位、FA空圧制御機器では世界トップ企業です。

事業規模は十分!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆2584億円
流動負債:1694億300万円
固定負債:412億7400万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 7.43倍で基準達成
②は、固定負債412億7400万円 < 純流動資産1兆889億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれも極めて少なく、財務状況は非常にきれいです。

財務状況は文句なし!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績で確認すると、毎年しっかり利益を上げられており、問題ありません。

年度純利益
2013年3月642億7000万円
2014年3月 863億1100万円
2015年3月1095億8300万円
2016年3月921億3800万円
2017年3月1130億9500万円
2018年3月1368億6900万円
2019年3月1306億3100万円
2020年3月1105億円
2021年3月1217億9000万円
2022年3月1929億9100万円
直近10年間の純利益

収益安定性は問題なし!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +68.8%となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月894.27円
2014年3月1274.19円 3年平均:1266円
2015年3月1629.37円
2016年3月1371.33円
2017年3月1683.11円
2018年3月2036.33円
2019年3月1943.35円
2020年3月1656.43円
2021年3月1831.97円3年平均:2137円
2022年3月2923.75円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性は問題なし!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、利回りは低めですが毎年しっかり配当が出ており、問題ありません。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月100円/株0.79%
2011年3月110円/株0.8%
2012年3月130円/株0.99%
2013年3月150円/株0.83%
2014年3月170円/株0.62%
2015年3月190円/株0.53%
2016年3月200円/株0.77%
2017年3月300円/株0.91%
2018年3月400円/株0.93%
2019年3月400円/株0.96%
2020年3月400円/株0.87%
2021年3月500円/株0.78%
2022年3月750円/株1.09%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

配当は問題なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは20.16であり、基準未達です。

株価収益率はNG!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは2.63倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBRも53.02で基準未達です。

株価純資産倍率はNG!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目結果備考
①事業規模売上高7273億円
②財務状況問題なし
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+68.8%
⑤配当利回り1.09%
⑥株価収益率×20.16倍
⑦株価純資産倍率×2.63倍
結果まとめ

株価収益率と株価純資産倍率の2項目が基準未達となり、

なみ

SMC(株)は割安株に該当しません!

という結果となりました。

財務状況をはじめその他項目は問題なくクリアできている分、残念ながら既に株価が上がりすぎてますね。仕方ありません。

これからのSMC

顧客ニーズを的確にとらえた製品開発を進め、納期・品質・価格等において市場要望に対応できるグローバルな最適生産体制を確立することで、より一層高いマーケットシェアの獲得を目指す。

SMCでは、特定の業種、特定の顧客への依存度が低いため、産業構造の変化や需要環境の急変への耐性が相対的に高いと認識されており、「中期経営計画」を策定せず、「長期経営ビジョン」という形で、より長期的な視点で継続的に取り組むべき課題を設定されています。今後も期待できそうですね。

というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアした企業リスト

1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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