ZOZOは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)ZOZO【3092】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿ったZOZOの評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ZOZOは割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)ZOZO【3092】 の基本情報

・設立年月日 2000年4月
・上場年月日 2007年12月11日
・業種    小売業
・特色    衣料EC「ZOZOTOWN」。出店ブランドからの受託販売手数料が柱。LINEヤフー傘下。
・従業員数  (単独)1,604人 (連結)1,693人
・株価    4,751円(2024.11.24)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」、古着下取サービス「ZOZOUSED」などのサービスを運営しており、2023年時点のアクティブ会員数は1000万人を超えています。

1995年、創業者の前澤友作さんがバンド活動のかたわらで始めた、輸入レコード・CDのカタログ販売をきっかけに事業を開始し、2000年にはインターネット通販に切り替え、アパレル販売を中心に急成長を遂げました。2019年にはヤフー(現LINEヤフー)を買収し、前沢さんは会社を去っています。

なみ

ブランド名の「ZOZOTOWN」は、「創造(souzou)」と「想像(souzou)」のふたつの「zo」が由来なんだそう。

企業理念

世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。

ファッションとテクノロジーのチカラでワクワクできる「似合う」を届け、ファッションの「こと」ならZOZO、となることを目指されています。

ではここからは、ZOZOに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

小売業100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額1兆4108億円(7位)
売上高1970億1600万円(77位)
純利益443億4100万円(9位)
純利益率22.5%(1位)
総資産1645億6100万円(68位)
業績に関する各種項目

小売業の中で売上高は77位、総資産は68位。一方で利益率が極めて高く、純利益率は22.5%の1位。小売業では抜けた利益率を誇る存在です。

事業規模は問題なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2024年3月期の決算短信によると、
流動資産:1231億3700万円
流動負債:682億6100万円
固定負債:88億5600万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.80倍で基準未達
②も、固定負債88億円 < 純流動資産549億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債の割合が高く、基準未達です。

財務状況はNG!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2015年3月89億9900万円
2016年3月 119億8800万円
2017年3月170億3500万円
2018年3月201億5600万円
2019年3月159億8500万円
2020年3月188億400万円
2021年3月309億3200万円
2022年3月344億9200万円
2023年3月395億2600万円
2024年3月443億4100万円
直近10年間の純利益

収益安定性は問題なし!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +229.0%となり、基準達成です。

年度EPS
2015年3月27.93円
2016年3月37.46円3年平均:40.0円
2017年3月54.66円
2018年3月64.68円
2019年3月52.2円
2020年3月61.59円
2021年3月101.3円
2022年3月115.01円
2023年3月131.82円3年平均:131.7円
2024年3月148.19円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性は文句なし!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年きっちり出ており問題ありません。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2013年3月6.67円/株1.72%
2014年3月8.33円/株0.95%
2015年3月11.33円/株1.07%
2016年3月15.67円/株1.04%
2017年3月22.67円/株0.92%
2018年3月29円/株1.02%
2019年3月24円/株1.15%
2020年3月30円/株2.07%
2021年3月41円/株1.25%
2022年3月58円/株1.77%
2023年3月65円/株2.16%
2024年3月104円/株2.73%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

配当は問題なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPERは31.21であり、基準未達です。

株価収益率はNG!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは15.75倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBRも491.56で基準未達です。これはちょっと高すぎますね。

株価純資産倍率はNG!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目結果備考
①事業規模売上高1970億円
②財務状況流動負債多い
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+229.0%
⑤配当利回り2.73%
⑥株価収益率×31.21倍
⑦株価純資産倍率×15.75倍
結果まとめ

財務状況と株価収益率/純資産倍率の3項目で基準未達となり、

なみ

(株)ZOZOは割安株に該当しません!

という結果となりました。

成長性はかなり高く、これまでの実績と今後への期待感が既に株価に反映されてますね。仕方ありません。

これからのZOZO

「MORE FASHION」×「FASHION TECH」、「ワクワクできる『似合う』を届ける」という経営戦略のもと、強みであるファッションを更に極め、テクノロジーで時代を進めることを実践する。

①親会社であるZホールディングスとの連携深化によるシナジー創出、②ZOZOTOWNのリブランディング、③利益構造の多様化、④フルフィルメント及びECシステム機能強化、⑤システムエンジニアのリソース強化、を進めていくとのこと。今後に期待しましょう。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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