こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)ディスコ【6146】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったディスコの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ディスコは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)ディスコ【6146】 の基本情報
・設立年月日 1940年3月2日
・上場年月日 1989年10月31日
・業種 機械
・特色 半導体、電子部品向け切断・研削・研磨装置で世界首位。装置と消耗品のダイヤ砥石が2本柱。
・従業員数 (単独)3,420人 (連結)5,098人
・株価 40,600円(2024.12.1)
・単元 100株
・決算 3月末日
シリコンウェハーの加工機器メーカーで、1937年に工業用砥石メーカー「第一製砥所」として創業し、現在では半導体製造装置の「装置」と「加工ツール」を販売する世界有数の企業となっています。
携帯電話、PC、ICカード、薄型TV、自動車等の中で機能している「半導体」「電子部品」の材料となるシリコンなどの素材を、薄い円盤状に削ったり、小さく切り分けたり、磨いたりする装置やそれに用いる砥石を製造販売されています。
米国への製品輸出を開始するにあたり、当時の社名であった第一製砥所という発音が難しいため、頭文字をとって「DISCO」としたんだそう。
DISCO VALUES
DISCO VALUESは、企業としての目指すべき方向性や経営の基本的なあり方、一人一人の働き方など、さまざまな観点から「あるべき姿」を200を超える項目で明文化した企業理念です。
一例として、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術によって遠い科学を身近な快適につなぐ」では、ディスコが展開する事業は「切る」「削る」「磨く」という3つの技術の領域から逸脱しないということを表し、このテーマを通じて日々進歩していく科学を人々の暮らしの豊かさや快適に帰結させること目指されています。
ではここからは、(株)ディスコに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
機械100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 4兆3996億円(3位) |
売上高 | 3075億5400万円(24位) |
純利益 | 842億500万円(6位) |
純利益率 | 27.4%(1位) |
総資産 | 5909億9800万円(18位) |
機械の中で売上高は3位で、総資産は18位。利益率は極めて高く、純利益率は27.4%の1位。機械メーカーではトップの利益率を誇ります。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2024年3月期の決算短信によると、
流動資産:3869億4500万円
流動負債:1487億1500万円
固定負債:7億8100万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.60倍で基準達成、
②は、固定負債7億円 < 純流動資産2374億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2015年3月 | 200億6700万円 |
2016年3月 | 230億9600万円 |
2017年3月 | 242億300万円 |
2018年3月 | 371億7100万円 |
2019年3月 | 288億2400万円 |
2020年3月 | 276億5300万円 |
2021年3月 | 390億9100万円 |
2022年3月 | 662億600万円 |
2023年3月 | 828億9100万円 |
2024年3月 | 842億500万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +239.7%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2015年3月 | 193.56円 | |
2016年3月 | 215.36円 | 3年平均:211.4円 |
2017年3月 | 225.27円 | |
2018年3月 | 345.22円 | |
2019年3月 | 267.45円 | |
2020年3月 | 256.51円 | |
2021年3月 | 361.82円 | |
2022年3月 | 611.67円 | |
2023年3月 | 765.46円 | 3年平均:718.1円 |
2024年3月 | 777.28円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており問題ありません。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2013年3月 | 18.67円/株 | 1.05% |
2014年3月 | 30円/株 | 1.4% |
2015年3月 | 53.33円/株 | 1.3% |
2016年3月 | 105円/株 | 3.3% |
2017年3月 | 124.67円/株 | 2.21% |
2018年3月 | 129.67円/株 | 1.69% |
2019年3月 | 107.33円/株 | 2.04% |
2020年3月 | 146円/株 | 2.05% |
2021年3月 | 225.67円/株 | 1.95% |
2022年3月 | 269.33円/株 | 2.35% |
2023年3月 | 305.33円/株 | 2% |
2024年3月 | 307円/株 | 0.54% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは52.25倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは10.11倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBR も528.25で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高3075億円 |
②財務状況 | 〇 | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +239.7% |
⑤配当 | 〇 | 利回り0.54% |
⑥株価収益率 | × | 52.25倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 10.11倍 |
株価収益率と株価純資産倍率の2項目で基準未達となり、
(株)ディスコは割安株に該当しません!
という結果となりました。
負債も少なく、赤字もなし、成長性も十分で配当もきっちり出てる分、既に株価が上がりすぎてますね。仕方ありません。
グループのミッション:「高度なKiru ・Kezuru ・Migaku 技術によって 遠い科学を身近な快適につなぐ」の実現性の向上とステークホルダーとの価値交換性の向上を軸に事業活動を行う。
今後、情報通信技術の進展等によりAI、IoT、自動運転技術等に関連する分野での「Kiru・Kezuru・Migaku技術」の用途の拡大が期待でき、加えて、脱炭素社会への移行を背景とした半導体需要の高まりによって、ディスコの製品需要はさらに拡大する見込みとのこと。まだまだ成長が期待できそうですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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