日清製粉グループ本社は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)日清製粉グループ本社【2002】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿った日清製粉グループ本社の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・日清製粉グループ本社は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)日清製粉グループ本社【2002】 の基本情報

・設立年月日 1907年3月12日
・上場年月日 1949年5月
・業種    食料品
・特色    製粉で圧倒的トップ。食品もパスタ類強く、大手級。エンジニアリング展開、海外M&A積極化。
・従業員数  (単独)374人 (連結)9,574人
・株価    1,874.5円(2024.9.29)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

小麦粉の製造及び販売を主な事業とし、製粉、加工食品、酵母・バイオ、健康食品、中食・惣菜、エンジニアリング、メッシュクロスなどの各事業が、それぞれの業界・領域でナンバーワンを目指すとともに、グローバル展開を積極的に推進されています。

国内で圧倒的な競争力を有する小麦粉関連素材事業と家庭用食品事業は「コア事業」として位置付け、幅広い食品素材事業でシナジー効果を最大化し、グループの収益基盤となっています。

なみ

小麦粉では国内シェアNo.1!私も家でパンを焼くときは「カメリヤ」をよく使ってます。

経営理念

健康で豊かな生活づくりに貢献する

「信を万事の本と為す」「時代への適合」を社是とし、生活産業をグローバルに展開されています。

ではここからは、(株)日清製粉グループ本社に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

食料品100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額5575億2500万円(15位)
売上高8582億4800万円(11位)
純利益317億4300万円(12位)
純利益率3.7%(46位)
総資産8285億800万円(10位)
業績に関する各種項目

食料品の中で売上高は11位、総資産は第10位、利益率は中位で、純利益率は3.7%の46位。それでも製粉メーカーとしては圧倒的な国内トップ企業です。

事業規模は問題なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2024年3月期の決算短信によると、
流動資産:3650億7200万円
流動負債:1635億7100万円
固定負債:1467億4900万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 2.23倍で基準達成
②は、固定負債1467億円 < 純流動資産2015億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、財務状況は問題ありません。基準達成です。

財務状況は問題なし!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

日清製粉の業績を確認すると、2022年まではずっと黒字だったのですが、2023年が赤字です。2019年に買収したオーストラリアの企業関連で大きな減損損失が発生したとのこと。残念ながら基準未達です。

年度純利益
2015年3月160億3600万円
2016年3月175億6100万円
2017年3月194億6600万円
2018年3月213億3900万円
2019年3月222億6800万円
2020年3月224億700万円
2021年3月190億1100万円
2022年3月175億900万円
2023年3月-103億8100万円
2023年3月317億4300万円
直近10年間の純利益

収益安定性はNG!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均 ) / 最初の3年平均 × 100 = -25.7%となり、基準未達です。

年度EPS
2015年3月53.28円
2016年3月58.25円3年平均:58.7円
2017年3月64.49円
2018年3月71.47円
2019年3月74.97円
2020年3月75.4円
2021年3月63.95円
2022年3月58.88円
2023年3月-34.91円3年平均:43.6円
2024年3月106.74円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性はNG!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

日清製粉のIR情報を確認すると、毎年しっかり配当を出されており問題ありません。毎年ではないですが増配もしっかりされています。

年度配当金配当利回り
2010年3月22円/株1.82%
2011年3月20円/株2.09%
2012年3月20円/株2%
2013年3月20円/株1.56%
2014年3月20円/株1.53%
2015年3月22円/株1.49%
2016年3月24円/株1.34%
2017年3月26円/株1.57%
2018年3月29円/株1.38%
2019年3月32円/株1.26%
2020年3月34円/株1.89%
2021年3月37円/株2%
2022年3月39円/株2.29%
2023年3月40円/株2.58%
2024年3月45円/株2.14%
直近10年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待は3月末の権利確定で500株以上で4000円相当の自社製品(ビフィコロンS、水溶化キューテン、有機青汁、各種詰め合わセットのいずれか)がもらえます。

配当は問題なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPERは14.67倍であり、基準達成です。

株価収益率は問題なし!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.10倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR は16.1 で基準達成です。

株価純資産倍率は問題なし!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高8582億円
②財務状況問題なし
③収益安定性2023年赤字
④収益成長性×-25.7%
⑤配当利回り2.14%+優待あり
⑥株価収益率14.67倍
⑦株価純資産倍率1.10倍
結果まとめ

収益安定性/成長性の2項目で基準未達となり、

なみ

(株)日清製粉グループ本社は割安株には該当しません!

という結果となりました。

財務状況は良好であり、配当も毎年出ているものの、2023年度の赤字が痛いですね。仕方ありません。

これからの日清製粉グループ本社

小麦粉をはじめとする「食」の安定供給を引き続き確保し、各事業において安全・安心な製品をお届けするという使命を果たす。

特に、TPP11協定、日EU・EPA、並びに日米貿易協定の発効により、米国産・カナダ産・豪州産小麦のマークアップ(政府が輸入する際に徴収している差益)の引き下げが順次実施されており、今後さらに輸入製品との競争激化が予想されています。ここは踏ん張りどころですね。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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