
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)サイバーエージェント【4751】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)サイバーエージェント【4751】 の評価
どんな会社?
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・(株)サイバーエージェント【4751】 は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


(株)サイバーエージェント【4751】 の基本情報
・設立年月日 1998年3月18日
・上場年月日 2000年3月24日
・業種 サービス業
・特色 ネット広告代理業が祖業。スマホサービス、ゲーム展開。ネットテレビ局「アベマ」育成中。
・資本金 72億円
・従業員数 (単独)1,758人 (連結)6,129人
・株価 1,387円(2022.7.23)
・単元 100株
・決算 9月末日


1998年に設立された株式会社サイバーエージェントは、Ameba関連事業やインターネット広告事業を中心に、急成長を遂げた日本のIT企業です。
創業時、役職員数はわずか3人でしたが、1999年にはベンチャー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2000年には3月に東証マザーズに上場を果たしました。
2000年には東証マザーズ上場を果たし、2004年に上場後初の通期黒字化を達成、同社オリジナルのWebサービス「Ameba」を開始しました。その後も「Ameba」を中心に事業を展開し、2008年には、「Ameba」が会員数で国内ブログサービスNO.1になります。
2009年に「Ameba」が黒字化したのを機に、メディア企業へ転換し、ソーシャルゲーム事業に参入しました。2010年には「Ameba」の会員数が1,000万人を突破しました。2012年にはスマートフォン向けコミュニティ&ゲーム「Ameba」も開始しました。
ソーシャルゲーム事業への参入やスマートフォン事業の強化を経て、グランブルーファンタジーやウマ娘のヒットなど、今もなお成長を続けています。
「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」という企業パーパス、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、世界に通用するインターネットサービスを開発し、グローバル企業になることを目指されています。
ではここからは、(株)サイバーエージェントに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
サービス業517社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 7013億2700万円(8位) |
売上高 | 6664億6000万円(8位) |
営業利益 | 1043億8100万円(4位) |
経常利益 | 1046億9400万円(5位) |
純利益 | 415億5300万円(7位) |
営業利益率 | 15.7%(87位) |
純利益率 | 6.2%(198位) |
総資産 | 3857億3100万円(13位) |
負債 | 1728億9900万円(14位) |
サービス業の中で売上高は8位、総資産は13位。利益率はサービス業としてはそこまで高くなく、営業利益率は15.7%で業界87位、純利益率は6.2%と業界198位。サービス業大手の一社であり、事業規模は文句なしです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2022年9月期の決算短信では、流動資産は303,905百万円、流動負債は123,437百万円、固定負債は49,462百万円なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.46倍で基準達成、
②は、固定負債49,462百万円 < 純流動資産180,468百万円 で基準達成となり、
よって、流動/固定負債いずれに対して十分な流動資産があり、基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年きっちり利益を上げられており、赤字はありません。というわけで基準達成です。
年度 | 純利益 |
2012年9月 | 85億2200万円 |
2013年9月 | 105億400万円 |
2014年9月 | 95億5600万円 |
2015年9月 | 147億9200万円 |
2016年9月 | 136億1200万円 |
2017年9月 | 40億2400万円 |
2018年9月 | 48億4900万円 |
2019年9月 | 16億9400万円 |
2020年9月 | 66億800万円 |
2021年9月 | 415億5300万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が18.8円、直近の3年平均が32.9円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 75.5% となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2012年9月 | 16.33円 | |
2013年9月 | 20.8円 | 3年平均:18.8円 |
2014年9月 | 19.13円 | |
2015年9月 | 29.52円 | |
2016年9月 | 27.09円 | |
2017年9月 | 8円 | |
2018年9月 | 9.64円 | |
2019年9月 | 3.36円 | |
2020年9月 | 13.1円 | 3年平均:32.9円 |
2021年9月 | 82.3円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、きっちり配当が出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年9月 | 2.75円/株 | 1.46% |
2011年9月 | 4.38円/株 | 1.68% |
2012年9月 | 4.38円/株 | 2.08% |
2013年9月 | 4.38円/株 | 1.29% |
2014年9月 | 7.5円/株 | 1.56% |
2015年9月 | 6.25円/株 | 1.07% |
2016年9月 | 6.25円/株 | 0.84% |
2017年9月 | 8円/株 | 0.98% |
2018年9月 | 8円/株 | 0.53% |
2019年9月 | 8.25円/株 | 0.8% |
2020年9月 | 8.5円/株 | 0.53% |
2021年9月 | 11円/株 | 0.51% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは28.05倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは3.30倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBR は92.57で基準未達です。
これはちょっと株価が高すぎますね。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高6664億円 |
②財務状況 | ◎ | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +75.5% |
⑤配当 | 〇 | 利回り0.51% |
⑥株価収益率 | × | 28.05倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 3.30倍 |
株価収益率、株価純資産倍率の2項目で基準未達となり、「(株)サイバーエージェントは割安株に該当しない」という結果となりました。財務状況はほぼ問題なく、収益面もしっかりしているのですが、株価が高すぎますね。
サイバーエージェントが今最も力を入れているのが「ABEMA」。テレビのイノベーションと位置づけ、積極的に資金を投下しています。中途半端なところで損益分岐点を狙わず、腹をくくってやり抜くとのことですので、今後の成長に注目です。
というわけで現時点では、
「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、
・コムシスホールディングス【1721】
・積水ハウス【1928】
・宝ホールディングス【2531】
・SUMCO【3436】
・東ソー【4042】
の5社です。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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