住友金属鉱山は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである住友金属鉱山(株)【5713】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った住友金属鉱山(株)【5713】 の評価
 どんな会社?
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・住友金属鉱山(株)【5713】 は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

住友金属鉱山(株)【5713】 の基本情報

・設立年月日 1950年3月1日
・上場年月日 1950年6月
・業種    非鉄金属
・特色    非鉄金属と電子材料が2本柱。資源開発・製錬に重点投資、ニッケルで非鉄メジャー入り狙う。
・資本金   932億円
・従業員数  (単独)2,565人 (連結)7,202人
・株価    4,451円(2022.8.26)
・単元    100株
・決算    3月末日

住友金属鉱山は、環境・社会に配慮した鉱山開発・運営を行う「資源事業」。採掘した鉱物資源から高品質な金属素材を生み出す「製錬事業」。そしてその素材に時代が求める新たな価値を付加する「材料事業」。3つの事業が有機的な連携を図りながら、未来を形づくる素材を提供しています。

グループの持続的な成長を支え、容易に模倣できない競争優位性を生み出す基盤となっているのが、資源開発から製錬、機能性材料の生産までを一貫して行う「3事業連携」の世界でも類を見ない非常にユニークなビジネスモデルです。

資源事業では、優良鉱山の開発・運営をグローバルに展開されており、300年以上受け継がれてきた鉱山開発・操業の経験を生かし、世界各地での鉱山の開発・運営に取り組んでいます。

製錬事業では、社会を支える金属素材を高い技術力で安定的に供給し、回収が難しい低品位鉱石からも高品質な金属素材を生み出し、安定的に供給するとともに、持続可能な循環型社会の構築に向けて電池のリサイクルなどにも貢献されています。

材料事業では、自動車の電動化により、今後さらなる需要拡大が見込まれる二次電池向け正極材などの電池材料、主にエネルギー・環境と情報通信の分野に利用される機能性材料を開発・生産されています。

「住友の事業精神」
第1条
わが住友の営業は信用を重んじ、確実を旨とし、もってその鞏固(きょうこ)隆盛を期すべし
第2条
わが住友の営業は時勢の変遷理財の得失を計り、弛張(しちょう)興廃することあるべしといえども、いやしくも浮利に趨(はし)り軽進すべからず
この価値観、倫理観に沿ってグループの社業を発展されています。

経営理念は、
・住友の事業精神に基づき、地球および社会との共存を図り、健全な企業活動を通じて社会への貢献とステークホルダーへの責任を果たし、より信頼される企業をめざします
・人間尊重を基本とし、その尊厳と価値を認め、明るく活力ある企業をめざします

経営ビジョンは、
・技術力を高め、ものづくり企業としての社会的な使命と責任を果たします
・コンプライアンス、環境保全および安全確保を基本としたグローバルな企業活動により、資源を確保し、非鉄金属、機能性材料などの高品質な材料を提供し、企業価値の最大化をめざします
とのこと。住友グループの400年の歴史を感じます。

ではここからは、住友金属鉱山(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

非鉄金属35社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額1兆2169億円(2位)
売上高1兆2590億円(3位)
営業利益-(-位)
経常利益3574億3400万円(1位)
純利益2810億3700万円(1位)
営業利益率-%(-位)
純利益率22.3%(1位)
総資産2兆3617億円(2位)
負債7264億7400万円(3位)
業績に関する各種項目

非鉄金属の中で売上高は3位、総資産は2位。利益率は業界トップで、純利益率は22.3%の1位。非鉄金属メーカーの中では純利益もトップ、もちろん事業規模は文句なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:9249億4900万円
流動負債:4007億1300万円
固定負債:3257億6100万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 2.31倍で基準達成

②も、固定負債3257億6100万円 < 純流動資産5242億3600万円 で基準達成となり、

よって、流動資産に対して流動/固定負債のいずれの割合も低く、基準達成です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2016年,2017年が赤字ですね。特に赤字幅の大きかった2017年は、出資先のチリのシエラゴルダ銅鉱山の運営会社が減損損失を計上し、住友鉱の持ち分法投資損失が膨らんだとのこと。残念ながら基準未達です。

年度純利益
2013年3月866億4000万円
2014年3月 802億5800万円
2015年3月911億1300万円
2016年3月-3億900万円
2017年3月-185億4000万円
2018年3月902億2700万円
2019年3月667億9000万円
2020年3月606億円
2021年3月946億400万円
2022年3月2810億3700万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が306.3円、直近の3年平均が529.2円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 72.8%となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月297.92円
2014年3月290.69円 3年平均:306.3円
2015年3月330.21円
2016年3月-1.12円
2017年3月-67.22円
2018年3月327.26円
2019年3月243.06円
2020年3月220.54円
2021年3月344.29円3年平均:529.2円
2022年3月1022.8円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月40円/株1.44%
2011年3月64円/株2.24%
2012年3月56円/株2.41%
2013年3月68円/株2.53%
2014年3月74円/株2.85%
2015年3月96円/株2.73%
2016年3月62円/株2.77%
2017年3月22円/株0.69%
2018年3月100円/株2.23%
2019年3月73円/株2.23%
2020年3月78円/株3.52%
2021年3月121円/株2.53%
2022年3月301円/株4.88%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは8.26倍であり、基準達成です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.81倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も6.69で基準達成です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高1兆2590億円
②財務状況問題なし
③収益安定性×2016年,2017年赤字
④収益成長性+72.8%
⑤配当利回り4.88%
⑥株価収益率8.26倍
⑦株価純資産倍率0.81倍
結果まとめ

収益安定性のみが基準未達となり、「住友金属鉱山(株)は割安株に該当しない」という結果となりました。2016年と2017年の赤字がありますからね、仕方なしです。

住友金属鉱山は、長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」を目指して、2030年のありたい姿として、「非鉄金属資源の有効活用」「気候変動対策」「安全・衛生の推進」「人権の尊重」について、具体的な数値目標を設定されています。

非鉄金属業界を取り巻く社会情勢や時代の要請というのは常に変化しており、持続的な成長と企業価値の最大化に努めるとのことであり、かなりハードルの高い目標だとは思いますが、今後の取り組みに期待したいところです。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

の6社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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