こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるDOWAホールディングス(株)【5714】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったDOWAホールディングスの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・DOWAホールディングスは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
DOWAホールディングス(株)【5714】 の基本情報
・設立年月日 1937年3月11日
・上場年月日 1949年8月
・業種 非鉄金属
・特色 製錬、環境・リサイクル、金属加工、電子材料、熱処理が主力。貴金属回収に強み。磁性鉄粉首位級。
・資本金 364億円
・従業員数 (単独)88人 (連結)7,834人
・株価 5,200円(2023.11.23)
・単元 100株
・決算 3月末日
明治17年に政府から官営小坂鉱山の払い下げを受けて鉱山事業・製錬事業をスタートした国内で有数の非鉄金属メーカーで、創業以来の製錬事業で培った独自の技術・ノウハウを応用して、環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理と、広範な分野でビジネスを展開しています。
中核事業である製錬事業はDOWAメタルマイン。多種多様な原料から効率的に20種類以上もの金属を回収・供給しており、回収元素数は世界一。独自の技術で循環型社会の実現に貢献しています。
環境リサイクル事業にも力を入れており、廃棄物処理・土壌浄化・リサイクルの3つの事業で世界のエコリーダーを目指されています。
地球を舞台とした事業活動を通じて、豊かな社会の創造と資源循環型社会の構築に貢献する
2030年ビジョンには「本業とする資源循環と優れた素材・技術の提供を進化させ、安心な未来づくりに貢献し続ける」を掲げ、地球を舞台とした事業活動を通じて、豊かな社会の創造と資源循環型社会の構築に貢献することを目指されています。
ではここからは、DOWAホールディングス(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
非鉄金属34社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 3095億8700万円(5位) |
売上高 | 7800億6000万円(7位) |
営業利益 | 446億1000万円(4位) |
純利益 | 250億4100万円(4位) |
営業利益率 | 5.7%(11位) |
純利益率 | 3.2%(17位) |
総資産 | 6357億6900万円(7位) |
負債 | 2571億8000万円(10位) |
非鉄金属の中で売上高、総資産とも7位。利益率は中位で、純利益率は3.2%の17位。非鉄金属メーカーの大手の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:3790億3300万円
流動負債:2091億6000万円
固定負債:855億1700万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.81倍で基準未達、
②は、固定負債855億円 < 純流動資産1698億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債がちょっと多いですね。基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2009年に赤字がありますが、ここ10年はしっかり利益を出されています。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 233億1000万円 |
2015年3月 | 265億4300万円 |
2016年3月 | 218億2600万円 |
2017年3月 | 261億6900万円 |
2018年3月 | 246億9300万円 |
2019年3月 | 149億8600万円 |
2020年3月 | 173億9500万円 |
2021年3月 | 218億2400万円 |
2022年3月 | 510億1200万円 |
2023年3月 | 250億4100万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均 ) / 最初の3年平均 × 100 = +36.0%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 393.82円 | |
2015年3月 | 448.45円 | 3年平均:403.7円 |
2016年3月 | 368.76円 | |
2017年3月 | 442.14円 | |
2018年3月 | 417.21円 | |
2019年3月 | 253.21円 | |
2020年3月 | 293.91円 | |
2021年3月 | 368.44円 | |
2022年3月 | 857.31円 | 3年平均:548.8円 |
2023年3月 | 420.76円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 50円/株 | 1.78% |
2011年3月 | 50円/株 | 1.93% |
2012年3月 | 50円/株 | 1.82% |
2013年3月 | 60円/株 | 1.63% |
2014年3月 | 75円/株 | 1.74% |
2015年3月 | 90円/株 | 1.75% |
2016年3月 | 90円/株 | 2.87% |
2017年3月 | 90円/株 | 2.24% |
2018年3月 | 90円/株 | 2.36% |
2019年3月 | 90円/株 | 2.47% |
2020年3月 | 90円/株 | 3.18% |
2021年3月 | 95円/株 | 2.06% |
2022年3月 | 130円/株 | 2.32% |
2023年3月 | 130円/株 | 3.06% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは13.46倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.86倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も11.58で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高7800億円 |
②財務状況 | △ | 流動負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +36.0% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.06% |
⑥株価収益率 | 〇 | 13.46倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.86倍 |
財務状況のみが基準未達となり、
DOWAホールディングス(株)は割安株には該当しません!
という結果となりました。
ただ財務状況は流動負債が基準よりわずかに多かった程度であり、あと一歩。非常に惜しいところです。財務状況が少しだけ改善すれば、文句なしに割安株の仲間入りが期待できそうです。
「DOWAグループのマテリアリティ」に向けて、「循環型ビジネスモデルの進化」による機会獲得と「サステナビリティ・マネジメントの強化」によるリスク低減を両立する施策を推進する。
環境・リサイクル、製錬という資源循環を直接的に担う分野と、電子材料、金属加工、熱処理という循環型社会を構築するための素材・技術を提供する分野を併せ持つ「循環型ビジネスモデル」で企業価値の向上と持続可能な社会の実現の両立を目指すとのこと。今後も期待できそうです。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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