こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)アマダ【6113】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったアマダの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・アマダは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)アマダ【6113】 の基本情報
・設立年月日 1948年5月1日
・上場年月日 1961年10月
・業種 機械
・特色 金属加工機械の総合メーカーで世界首位級。板金加工機は国内シェア6割。配当性向50%メド。
・資本金 547億円
・従業員数 (単独)2,663人 (連結)9,081人
・株価 1,452円(2023.11.23)
・単元 100株
・決算 3月末日
株式会社アマダを筆頭に、子会社・関連会社を含めた89社でグループを構成し、金属加工機械・器具の製造・販売・賃貸・修理・保守・点検・検査などを主要な事業内容としています。
主に板金機械事業、切削事業、研削盤事業、プレス事業、精密溶接事業の5事業を中心とする加工機械を取り扱っている他、それらを制御するコンピュータ・ソフトウエアや周辺装置、金型、メンテナンスに至るすべてのソリューションサービスを提供しています。
板金加工業では圧倒的なシェアを持ち、国内はほぼ独占しています。
①お客さまとともに発展する。
②事業を通じた国際社会への貢献。
③創造と挑戦を実践する人づくり。
④高い倫理観と公正性に基づいた健全な企業活動を行う。
⑤人と地球環境を大切にする。
変わること、変わらないこと。常に挑戦し続けること。をキーワードに、モノづくり企業であることにこだわり、モノづくりを志す顧客に選ばれる企業であることを目指されています。
企業ロゴや装置、職服にまで企業カラーである「赤」が使われている点が印象的ですね。
ではここからは、(株)アマダに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
機械100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 4974億2300万円(13位) |
売上高 | 3656億8700万円(19位) |
営業利益 | 498億6700万円(10位) |
純利益 | 341億5800万円(13位) |
営業利益率 | 13.6%(16位) |
純利益率 | 9.3%(21位) |
総資産 | 6684億5400万円(14位) |
負債 | 1388億1700万円(30位) |
機械の中で売上高は19位、総資産は14位。利益率はかなり高く、純利益率は9.3%の21位。金属加工機械メーカーとしては世界トップクラスの一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:3987億1600万円
流動負債:1210億1300万円
固定負債:180億2800万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 3.29倍で基準達成、
②は、固定負債180億円 < 純流動資産2777億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、極めて健全ですね。基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2010年に一度だけ赤字がありますけど、この10年はしっかり利益を出されており、赤字はありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 121億8400万円 |
2015年3月 | 184億2300万円 |
2016年3月 | 274億2500万円 |
2017年3月 | 258億9400万円 |
2018年3月 | 270億9400万円 |
2019年3月 | 333億300万円 |
2020年3月 | 233億9000万円 |
2021年3月 | 185億6400万円 |
2022年3月 | 277億6900万円 |
2023年3月 | 341億5800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均 ) / 最初の3年平均 × 100 = +48.8%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 31.89円 | |
2015年3月 | 49.18円 | 3年平均:51.9円 |
2016年3月 | 74.56円 | |
2017年3月 | 70.85円 | |
2018年3月 | 74.07円 | |
2019年3月 | 91.5円 | |
2020年3月 | 65.91円 | |
2021年3月 | 53.4円 | |
2022年3月 | 79.87円 | 3年平均:77.2円 |
2023年3月 | 98.25円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。利回りも悪くないですね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 10円/株 | 1.28% |
2011年3月 | 10円/株 | 1.44% |
2012年3月 | 12円/株 | 2.15% |
2013年3月 | 12円/株 | 1.91% |
2014年3月 | 20円/株 | 2.75% |
2015年3月 | 26円/株 | 2.25% |
2016年3月 | 36円/株 | 3.28% |
2017年3月 | 42円/株 | 3.3% |
2018年3月 | 42円/株 | 3.25% |
2019年3月 | 46円/株 | 4.2% |
2020年3月 | 48円/株 | 5.63% |
2021年3月 | 30円/株 | 2.43% |
2022年3月 | 38円/株 | 3.51% |
2023年3月 | 48円/株 | 3.88% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは12.89倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.95倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も12.25で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高3656億円 |
②財務状況 | ◎ | 文句なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +48.8% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.88% |
⑥株価収益率 | 〇 | 12.89倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.95倍 |
全項目で基準達成となり、
(株)アマダは割安株には該当します!
という結果となりました。
財務状況は非常にきれいで、売上、収益もしっかり、配当もきっちりで利回りも高め、株価もほどほど、これは優秀ですね。
金属加工機械、金属工作機械及びこれらに関連するソフトウエア・情報ネットワークシステム・技術サービスの各事業分野で質の高いソリューションを提供し続けることにより、長期的な成長と社会に貢献できる会社づくりを進める。
金属加工機械の圧倒的な業界シェアを武器に、潤沢な資金力を確保しつつ、選択と集中でしっかり成長路線が描けており、まさに日本のモノづくりの強さを形にしたような企業ではないでしょうか。
今後はM&Aによって自社にない技術や市場を獲得し、さらなる事業の成長を目指すとのこと。これはまだまだ成長が期待できそうですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
👇👇👇ブログランキングに参加中 👇👇👇
👇押していただけると励みになります 👇
コメント