安川電機は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである安川電機(株)【6506】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿った安川電機の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・安川電機は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

安川電機(株)【6506】 の基本情報

・設立年月日 1915年7月
・上場年月日 1949年5月
・業種    電気機器
・特色    独自制御技術でサーボモーターとインバーター世界首位。産業用ロボットも累積台数世界有数。
・資本金   306億円
・従業員数  (単独)3,188人 (連結)13,094人
・株価    5,252円(2023.12.11)
・単元    100株
・決算    2月末日

こんな会社

福岡県北九州市八幡西区に本社を置く、産業用ロボットなどメカトロニクス製品の製造を行うメーカーです。

明治鉱業を興した安川敬一郎が、明治鉱業の電気用品の開発と製造を行うことを目的に設立し、2020年には半導体製造装置などに使うACサーボモータの累計販売台数が2000万台に到達し、世界シェア第1位となっています。また、産業用ロボットで世界シェア第4位です。

なみ

サーボモータを外販も含めてビジネス展開している企業は少なく、大きな強みといえます。

経営理念

事業の遂行を通じて広く社会の発展、人類の福祉に貢献する

1915年の設立以来、“モータの安川”から“オートメーションの安川”を経て、“メカトロニクスの安川”へ、つねに時代の主力となる事業を支え続けています。

メカトロニクス製品にデータ活用を融合させ、お客様の持続的な生産性向上を実現する新たなソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」を提唱しており、サーボモータ、コントローラ、インバータ、産業用ロボットのコア事業をさらに強化し、「新たな産業自動化革命」の実現と顧客の経営課題解決に貢献することを目指されています。

ではここからは、安川電機(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

電気機器100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額1兆3592億円(20位)
売上高5559億5500万円(28位)
営業利益683億100万円(24位)
純利益517億8300万円(23位)
営業利益率12.3%(21位)
純利益率9.3%(24位)
総資産6803億7200万円(27位)
負債2978億3300万円(25位)
業績に関する各種項目

電気機器の中で売上高は28位、総資産は27位。利益率もなかなか高く、純利益率は9.3%の24位。ACサーボモータでは世界シェア1位の大手企業です。

事業規模は問題なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2023年2月期の決算短信によると、
流動資産:4308億9800万円
流動負債:2148億1000万円
固定負債:832億4600万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 2.01倍で基準達成
②は、固定負債832億円 < 純流動資産2160億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、きれいな財務状況ですね。基準達成です。

財務状況は問題なし!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2010年に一度赤字が出ていますが、ここ10年は毎年しっかり利益を上げられています。問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2014年3月 169億6400万円
2015年3月248億1900万円
2016年3月223億6500万円
2017年3月203億9700万円
2018年2月397億4900万円
2019年2月425億2400万円
2020年2月155億7200万円
2021年2月189億2700万円
2022年2月383億5400万円
2023年2月517億8300万円
直近10年間の純利益

収益安定性は問題なし!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +66.5%となり、基準達成です。

年度EPS
2014年3月67.42円
2015年3月98.45円3年平均:83.5円
2016年3月84.71円
2017年3月76.6円
2018年2月149.35円
2019年2月161円
2020年2月59.42円
2021年2月72.41円
2022年2月146.72円3年平均:139.1円
2023年2月198.07円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性は問題なし!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年きっちり配当が出ていますね。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月3円/株0.37%
2011年3月6円/株0.65%
2012年3月10円/株1.24%
2013年3月10円/株1.08%
2014年3月12円/株0.93%
2015年3月20円/株1.1%
2016年3月20円/株1.6%
2017年3月20円/株0.87%
2018年2月40円/株0.8%
2019年2月52円/株1.64%
2020年2月52円/株1.54%
2021年2月24円/株0.45%
2022年2月52円/株1.14%
2023年2月64円/株1.19%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

配当は問題なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは26.77倍であり、基準未達です。

株価収益率はNG!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは3.67倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBR も98.25で基準未達です。これは株価が高すぎますね。

株価純資産倍率はNG!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高5559億円
②財務状況問題なし
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+66.5%
⑤配当利回り1.19%
⑥株価収益率×26.77倍
⑦株価純資産倍率×3.67倍
結果まとめ

株価収益率と株価純資産倍率の2項目で基準未達となり、

なみ

安川電機(株)は割安株に該当しません!

という結果となりました。

財務状況はきれいですし、収益・配当もしっかりしているのですが、株価がもう高いですね。仕方ありません。

これからの安川電機

メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域と定め、経営目標については営業利益を最も重要な経営指標と定め、「質」の向上にこだわることで経営体質の強化を目指す。

ソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」によるビジネスモデルの変革ならびに成長市場における収益拡大に向け、主要市場の一つである自動車市場のEV化による積極的な設備投資需要をグローバルで捉えるべく、ロボットを中心とした製品ラインアップを拡充し、EV化に伴い急拡大するリチウムイオン電池関連の新たな需要についても、グループの総合力を結集させ積極的なアプローチで需要を着実に捕捉していくとのこと。

また、今後も高い成長が見込まれる半導体関連市場を始め、3C市場、5Gや新エネルギーを中心とするニューインフラ市場では、中国などアジアのトップメーカーとの関係構築や協業を通じた販売活動の強化を図り、急拡大する需要の確実な取り込みを推進していくそう。株価は高いですけど、今後さらなる成長が期待できそうです。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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