
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである京セラ(株)【6971】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿った京セラの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・京セラは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


京セラ(株)【6971】 の基本情報
・設立年月日 1959年4月1日
・上場年月日 1971年10月
・業種 電気機器
・特色 コンデンサなど電子部品大手。太陽電池モジュール、通信機器、複写機など多角化経営を標榜。
・資本金 1,157億円
・従業員数 (単独)21,075人 (連結)81,102人
・株価 2,055円(2024.1.8)
・単元 100株
・決算 3月末日


電子部品、ファインセラミック部品、半導体部品、情報機器、通信機器、太陽電池、セラミック、宝飾、医療用製品などを製造する大手電子部品・電気機器メーカーです。
現在注力されているのは、「情報通信」、「自動車関連」「環境・エネルギー」「医療・ヘルスケア」の4事業。ファインセラミック事業で培った基盤を強みに、産業機器やエレクトロニクス、自動車、エネルギー分野まで幅広く製品を展開し、無線通信技術についても、携帯端末や各種モジュールを提供するとともに、基地局建設などのエンジニアリング事業も展開するなど、世界各地で生産・販売・研究開発活動を展開しています。



国内の電子部品業界では売上高トップを誇り、多岐にわたる事業を展開されています。
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。
社是は「敬天愛人」
常に公明正大 謙虚な心で 仕事にあたり
天を敬い 人を愛し 仕事を愛し
会社を愛し 国を愛する心
創業者である稲森和夫氏の思いである「心をベースに経営する」ことを原点とし、「新たな価値をいつも最先端で創造し続ける」という京セラの意志を強く世の中に宣言し、グループの総合力を発揮して、時代や市場が求める価値を独自の技術と視点で切り拓きカタチにすることを目指されています。
ではここからは、京セラ(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
電気機器100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 2兆8982億円(15位) |
売上高 | 2兆253億円(14位) |
純利益 | 1279億8800万円(12位) |
純利益率 | 6.3%(38位) |
総資産 | 4兆4153億円(5位) |
電気機器の中で売上高は15位、総資産は5位。利益率もまずまず高く、純利益率は6.3%の38位。セラミック技術をもとに幅広い事業を展開する歴史ある企業の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆3573億円
流動負債:4610億7400万円
固定負債:5840億1900万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.94倍で基準達成、
②は、固定負債5840億円 < 純流動資産8962億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、問題ありません。基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており、全く問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 887億5600万円 |
2015年3月 | 1158億7500万円 |
2016年3月 | 1090億4700万円 |
2017年3月 | 1038億4300万円 |
2018年3月 | 791億3700万円 |
2019年3月 | 1032億1000万円 |
2020年3月 | 1077億2100万円 |
2021年3月 | 902億1400万円 |
2022年3月 | 1484億1400万円 |
2023年3月 | 1279億8800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +18.9%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 60.48円 | |
2015年3月 | 78.96円 | 3年平均:71.3円 |
2016年3月 | 74.31円 | |
2017年3月 | 70.66円 | |
2018年3月 | 53.8円 | |
2019年3月 | 71.24円 | |
2020年3月 | 74.34円 | |
2021年3月 | 62.23円 | |
2022年3月 | 102.79円 | 3年平均:84.7円 |
2023年3月 | 89.15円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 15円/株 | 1.32% |
2011年3月 | 16.25円/株 | 1.54% |
2012年3月 | 15円/株 | 1.58% |
2013年3月 | 15円/株 | 1.36% |
2014年3月 | 20円/株 | 1.72% |
2015年3月 | 25円/株 | 1.52% |
2016年3月 | 25円/株 | 2.02% |
2017年3月 | 27.5円/株 | 1.77% |
2018年3月 | 30円/株 | 2% |
2019年3月 | 35円/株 | 2.15% |
2020年3月 | 40円/株 | 2.5% |
2021年3月 | 35円/株 | 1.99% |
2022年3月 | 45円/株 | 2.62% |
2023年3月 | 50円/株 | 2.9% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは23.65倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.90倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も21.29で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高2.0兆円 |
②財務状況 | 〇 | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | △ | +18.9% |
⑤配当 | 〇 | 利回り2.9% |
⑥株価収益率 | × | 23.65倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.90倍 |
収益成長性と株価収益率の2項目で基準未達となり、



京セラ(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
売上規模は非常に大きい上、収益性も非常に安定しているのですが、成長性が今一つ。株価もちょっと高いですね。仕方なしです。
「情報通信」、「自動車関連」、「環境・エネルギー」、「医療・ヘルスケア」市場を中心に既存事業の拡大及び新規事業の創出を図るとともに、収益性向上に向けて生産性倍増に取り組む。
京セラの中期経営戦略では、今後、売上高及び利益の持続的な2桁成長を目指すそうで、5Gや半導体、先進運転支援システム関連向け製品の旺盛な需要が見込める「情報通信」、「自動車関連」市場において、セラミックパッケージやコンデンサ、水晶部品等の増産に向けて、国内外の生産拠点における量産設備や自動化ラインの導入、新棟建設など積極的な設備投資を継続するとのこと。
また、独自のAI技術等を活用したAI協働ロボット・システム事業への参入や、低炭素社会の実現に貢献する基幹材料のシステム開発、太陽光発電システムを軸としたエネルギー事業や、人工関節事業で得たノウハウを活かした再生医療事業への展開を進めるとのこと。まだまだ成長が期待できそうですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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