
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである太陽誘電(株)【6976】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った太陽誘電(株)【6976】 の評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・太陽誘電(株)【6976】は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


太陽誘電(株)【6976】 の基本情報
・設立年月日 1950年3月23日
・上場年月日 1970年3月
・業種 電気機器
・特色 スマホや車で使用のセラミックコンデンサ世界上位。材料技術力に強み。インダクタも展開。
・資本金 335億円
・従業員数 (単独)2,958人 (連結)22,399人
・株価 3,865円(2022.11.5)
・単元 100株
・決算 3月末日


太陽誘電株式会社は、受動電子部品を主とした電気機器製造会社です。
誘電体セラミックを使用したコンデンサや、フェライトセラミックを使用したインダクタなどの受動電子部品、および電子部品技術を生かした高密度実装によるBluetoothモジュールなどを主力商品としています。
比較的需要が安定し、電子化が加速している自動車、情報インフラ・産業機器、ヘルスケア、環境・エネルギー市場において、耐高温・長寿命・高品質を満たす商品のラインアップ拡充、販路拡大を目指されています。
以前はカセットテープやビデオテープ(VHS等)などの磁気テープをThat’sブランドとして製造販売していましたが、1993年に記録メディア事業をソニーとの合弁会社であるスタート・ラボに移管した際、その販売事業から撤退しています。
ちなみにCD-Rを世界で初めて開発し、「CD-R」という名称を命名したのは太陽誘電なんだそうです。
「従業員の幸福 地域社会への貢献 株主に対する配当責任」を経営理念とし、ビジョンに「すべてのステークホルダーから信頼され 感動を与えるエクセレントカンパニーへ」を掲げ、感動を与えられる企業であり続けることを目指されています。
また、企業のミッションを「おもしろ科学で より大きく より社会的に」とし、企業価値向上の源泉である「おもしろ科学」で小さいけれど重要な役割を担う電子部品を生み出し、進化させ、社会のすみずみに届けることを追求されています。
ではここからは、太陽誘電(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
電気機器246社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 4878億4300万円(36位) |
売上高 | 3496億3600万円(39位) |
営業利益 | 682億1800万円(26位) |
経常利益 | 721億9100万円(27位) |
純利益 | 543億6100万円(25位) |
営業利益率 | 19.5%(19位) |
純利益率 | 15.5%(21位) |
総資産 | 4987億7400万円(36位) |
負債 | 1804億4300万円(37位) |
電気機器の中で売上高は39位、総資産は36位。利益率はかなり高く、純利益率は15.5%で21位。海外売上高は驚異の90%以上、セラミックコンデンサ技術を中心に数々の世界初を実現してきた一社であり、事業規模は十分です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:2984億1300万円
流動負債:1053億3700万円
固定負債:751億600万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.83倍で基準達成、
②も、固定負債751億600万円 < 純流動資産1930億7600万円 で基準達成となり、
よって、流動資産に対して流動/固定いずれの負債も少なく、財務状況は非常にきれいですね。基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2012年に赤字があるものの、ここ10年は毎年しっかり利益を上げられており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 18億6700万円 |
2014年3月 | 69億8900万円 |
2015年3月 | 109億1900万円 |
2016年3月 | 147億5100万円 |
2017年3月 | 54億2800万円 |
2018年3月 | 163億5500万円 |
2019年3月 | 236億8700万円 |
2020年3月 | 180億2200万円 |
2021年3月 | 286億1500万円 |
2022年3月 | 543億6100万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が55.9円、直近の3年平均が268.2円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 380.0%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 15.5円 | |
2014年3月 | 59.37円 | 3年平均:55.9円 |
2015年3月 | 92.73円 | |
2016年3月 | 125.27円 | |
2017年3月 | 46.07円 | |
2018年3月 | 138.8円 | |
2019年3月 | 189.92円 | |
2020年3月 | 143.03円 | |
2021年3月 | 227.98円 | 3年平均:268.2円 |
2022年3月 | 433.45円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 10円/株 | 0.68% |
2011年3月 | 10円/株 | 0.9% |
2012年3月 | 5円/株 | 0.57% |
2013年3月 | 10円/株 | 0.84% |
2014年3月 | 10円/株 | 0.79% |
2015年3月 | 10円/株 | 0.57% |
2016年3月 | 15円/株 | 1.37% |
2017年3月 | 20円/株 | 1.42% |
2018年3月 | 20円/株 | 1.11% |
2019年3月 | 21円/株 | 0.96% |
2020年3月 | 26円/株 | 0.91% |
2021年3月 | 40円/株 | 0.77% |
2022年3月 | 80円/株 | 1.44% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは10.03倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.52倍です。基準は1.5倍以下と有効数字2桁なので、小数点第二位を四捨五入するとギリギリOK。①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR は15.25で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高3496億円 |
②財務状況 | ◎ | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +380.0% |
⑤配当 | 〇 | 利回り1.44% |
⑥株価収益率 | 〇 | 10.03倍 |
⑦株価純資産倍率 | 〇 | 1.52倍 |
全基準で基準達成となり、「太陽誘電(株)は割安株に該当する」という結果となりました。株価純資産倍率はぎりぎりクリアですが、財務状況は非常にきれいであり、収益の安定性、成長性も十分、優秀ですね。
太陽誘電では、機器の技術進化に貢献できる競争優位性の高い最先端商品をいち早く開発していることを自社の強みと認識し、自動車、情報インフラ・産業機器を中心に注力すべき市場と位置付け、高信頼性商品の販売推進、システムソリューション提案の強化、商流の拡大と多角化に取り組まれています。また、安定的な供給を実現するために国内外の生産能力を増強するなど、将来の成長に不可欠な投資を継続していくとのこと。まだまだ成長が期待できそうですね。
というわけで今回新たに1銘柄が仲間入りとなり、現時点では、
「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、
・コムシスホールディングス【1721】
・積水ハウス【1928】
・宝ホールディングス【2531】
・SUMCO【3436】
・東ソー【4042】
・日本ガイシ【5333】
・アマダ【6113】
・太陽誘電【6976】
の8社となりました。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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