ニコンは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)ニコン【7731】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿ったニコンの評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ニコンは割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)ニコン【7731】 の基本情報

・設立年月日 1917年7月25日
・上場年月日 1949年5月
・業種    精密機器
・特色    一眼レフカメラでキヤノンと双璧。半導体・液晶製造用露光装置で世界的。医療事業に注力。
・資本金   654億円
・従業員数  (単独)4,351人 (連結)19,258人
・株価    1,563円(2024.2.25)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

日本の光学機器メーカーで、カメラ、デジタルカメラ、双眼鏡、望遠鏡、顕微鏡、ステッパー、メガネ、測定機、測量機、光学素材、ソフトウェアなど光学関連装置の大手です。

2010年代以降の映像市場の縮小および半導体露光装置事業の慢性的な赤字状況から、映像事業において高付加価値製品への注力、半導体装置事業の縮小といった事業戦略の見直しを行い、現在は、従来のニコンの主力だった映像事業よりも精機事業の方が売り上げが高くなっています。

とりわけ4K液晶・有機ELテレビ製造向けに絶好調のFPD露光装置が会社の利益を支えており、ヘルスケア領域(顕微鏡や細胞受託生産)などの成長領域にも積極的な投資を行っています。

なみ

「勝てる領域に人材・資本を集中する」戦略を実践されていますね。

企業理念

信頼と創造

経営ビジョンには「Unlock the future with the power of light」を掲げ、光の可能性に挑み、進化し続けることを個性とし、光で未来を変えることを目指されています。

ではここからは、(株)ニコンに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

精密機器48社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額5413億2100万円(6位)
売上高6281億500万円(4位)
純利益449億4400万円(6位)
純利益率7.2%(22位)
総資産1兆1001億円(5位)
業績に関する各種項目

精密機器の中で売上高は4位、総資産は5位。利益率もかなり高く、純利益率は7.2%の22位、カメラや半導体製造装置で世界レベルの企業です。

事業規模は問題なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:6178億8000万円
流動負債:2773億300万円
固定負債:1546億1400万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 2.23倍で基準達成
②は、固定負債1546億円 < 純流動資産3406億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、基準達成です。

財務状況は問題なし!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2021年に赤字がありますね。カメラ市場の縮小や新型コロナの影響で販売台数が大幅に減少したとのこと。基準未達です。

年度純利益
2014年3月 468億2400万円
2015年3月183億6400万円
2016年3月299億4700万円
2017年3月39億6700万円
2018年3月347億7200万円
2019年3月665億1300万円
2020年3月76億9300万円
2021年3月-344億9700万円
2022年3月426億7900万円
2023年3月449億4400万円
直近10年間の純利益

収益安定性はNG!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -38.4%となり、基準未達です。

年度EPS
2014年3月118.05円
2015年3月46.29円3年平均:80.0円
2016年3月75.55円
2017年3月10.01円
2018年3月87.76円
2019年3月167.86円
2020年3月19.93円
2021年3月-93.96円
2022年3月116.23円3年平均:49.2円
2023年3月125.46円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性はNG!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており問題ありません。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月8円/株0.39%
2011年3月19円/株1.11%
2012年3月38円/株1.51%
2013年3月31円/株1.39%
2014年3月32円/株1.93%
2015年3月32円/株1.99%
2016年3月18円/株1.05%
2017年3月16円/株0.99%
2018年3月36円/株1.9%
2019年3月60円/株3.84%
2020年3月40円/株4.01%
2021年3月20円/株1.93%
2022年3月40円/株3.04%
2023年3月45円/株3.32%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

配当は文句なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPERは20.04倍であり、基準未達です。

株価収益率はNG!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.83倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も16.63で基準達成です。

株価純資産倍率は文句なし!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高6281億円
②財務状況問題なし
③収益安定性2021年赤字
④収益成長性×-38.4%
⑤配当利回り3.32%
⑥株価収益率×20.04倍
⑦株価純資産倍率0.83倍
結果まとめ

収益安定性と収益成長性、株価収益率の3項目で基準未達となり、

なみ

(株)ニコンは割安株に該当しません!

という結果となりました。

財務状況がきれいで、配当もしっかりなのですが、2021年の赤字さえなければ、というところでしょうか。

これからのニコン

「完成品販売中心のビジネスからの進化」および「映像・精機事業に並ぶ収益の柱の育成」の2つの経営課題に取り組むため、完成品・サービス・コンポーネント一体の「ソリューション提供」を強化する。

映像事業については構造改革とプロ・趣味層や中高級機へのフォーカス戦略により、安定的に黒字を確保できる体質に改善しています。また、精機事業は、FPD装置事業が収益を支えるなか、半導体装置事業で顧客開拓に一定の成果が出てきたとのこと。加えて、既存装置の高い稼働率からサービス収益が堅調に推移するなど、より安定的なビジネスとなっているとのこと。

さらに新たな収益の柱の創出に向け、光学コンポーネントやEUV関連コンポーネント、材料加工ビジネスの拡大を進められています。今後に期待できそうですね。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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