
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)千葉銀行【8331】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿った日本取引所グループの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・日本取引所グループは割安株なのか?



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。


(株)千葉銀行【8331】 の基本情報
・設立年月日 1943年3月31日
・上場年月日 1970年10月
・業種 銀行業
・特色 地銀大手。千葉県で断トツ。東京展開強化。武蔵野銀や横浜銀と提携。地銀10行以上の広域連携も。
・資本金 1,450億円
・従業員数 (単独)3,835人 (連結)4,328人
・株価 969円(2023.2.1)
・単元 100株
・決算 3月末日


千葉県千葉市中央区に本店を置く地方銀行で、千葉県内では圧倒的なシェアを誇り、千葉県や千葉市をはじめ県内の多くの自治体の指定金融機関になっています。
地銀でありながら、ニューヨーク・ロンドン・香港に支店を、上海・シンガポール・バンコクに駐在員事務所を持っており、近年はリテール部門の強化を図り、投資信託残高及び年金保険の販売額累計が地銀ではトップを誇ります。
金融機能の深化と地域金融の新たなモデル構築による『カスタマーエクスペリエンス』の向上
果たすべき使命は「お客さまや地域社会のパートナーとして、最新の金融サービスを提供し、地域経済の持続的な発展に貢献する」こと。地域とともに歩み、顧客の声にしっかりと耳を傾け、顧客のニーズにしっかり応え、真に顧客の役に立つ銀行を目指されています。
ではここからは、千葉銀行に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
銀行業74社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 7506億2200万円(7位) |
売上高 | 2360億9200万円(11位) |
営業利益 | -円(-位) |
経常利益 | 788億2700万円(8位) |
純利益 | 544億9800万円(7位) |
営業利益率 | -%(-位) |
純利益率 | 23.1%(2位) |
総資産 | 18兆9783億円(10位) |
負債 | 17兆9364億円(10位) |
銀行業の中で売上高は11位、総資産は10位。利益率はかなりの高さで、純利益率は23.1%の2位、地方銀行の枠を超える規模感ですね。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:6兆6652億円
流動負債:16兆6056億円
固定負債:1兆4400億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 0.40倍で基準未達、
②は、固定負債1.4兆円 > 純流動資産-9.9兆円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合もかなり高いですね
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 441億5200万円 |
2014年3月 | 464億3800万円 |
2015年3月 | 570億3300万円 |
2016年3月 | 554億4400万円 |
2017年3月 | 527億3000万円 |
2018年3月 | 537億9600万円 |
2019年3月 | 504億7800万円 |
2020年3月 | 480億3700万円 |
2021年3月 | 496億4100万円 |
2022年3月 | 544億9800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
IR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 18.3%となり、惜しくも基準未達です。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 50.43円 | |
2014年3月 | 54.29円 | 3年平均:57.6円 |
2015年3月 | 68.03円 | |
2016年3月 | 67.04円 | |
2017年3月 | 65.32円 | |
2018年3月 | 67.99円 | |
2019年3月 | 65.31円 | |
2020年3月 | 64円 | |
2021年3月 | 66.82円 | 3年平均:68.1円 |
2022年3月 | 73.48円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 11円/株 | 1.97% |
2011年3月 | 11円/株 | 2.36% |
2012年3月 | 11円/株 | 2.08% |
2013年3月 | 12円/株 | 1.78% |
2014年3月 | 12円/株 | 1.89% |
2015年3月 | 13円/株 | 1.47% |
2016年3月 | 14円/株 | 2.5% |
2017年3月 | 15円/株 | 2.1% |
2018年3月 | 15円/株 | 1.75% |
2019年3月 | 16円/株 | 2.66% |
2020年3月 | 18円/株 | 3.81% |
2021年3月 | 20円/株 | 2.76% |
2022年3月 | 24円/株 | 3.31% |
なお、株主優待は3月末の権利確定で1,000株以上を1年以上継続保有で1,000~9,999株なら3,000円相当、10,000株以上なら6,000円相当の千葉県などの特産品もしくは寄付が選べます。1,000株保有なら優待利回りが0.3%程度あることになりますね。


⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは11.88倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.68倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも8.08で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高2360億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | △ | +18.3% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.31%+優待あり |
⑥株価収益率 | 〇 | 11.88倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.68倍 |
財務状況と収益成長性の2項目で基準未達となり、



(株)千葉銀行は割安株に該当しません!
という結果となりました。
ここ10年赤字もなく、配当もしっかりなのですが、これもあおぞら銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループと同じパターンですね。負債がかなりの多さで、収益成長性が物足りないです。どうしても負債が多くなってしまう銀行業にとってこの評価指標は厳しいですね。仕方ありません。
「DX」「SDGs」「人材育成」を重要な課題と捉え、グループチーフオフィサーによる組織横断的な管理のもと、グループ一体となった取組みを強化する
2015年には「女性が輝く先進企業表彰」において内閣総理大臣表彰を受賞しており、ダイバーシティ推進にもすごく積極的なところも好印象ですね。これからも働き方改革の取り組みでも業界をリードする存在であってもらいたいものです。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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