
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである松井証券(株)【8628】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿った日本取引所グループの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・日本取引所グループは割安株なのか?



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


松井証券(株)【8628】 の基本情報
・設立年月日 1931年3月20日
・上場年月日 2001年8月1日
・業種 証券業
・特色 ネット専業大手。信用取引貸付が収益源。投信・FXに加え米国株も強化中。松井家が大株主。
・資本金 119億円
・従業員数 (単独)176人 (連結)-人
・株価 796円(2023.2.16)
・単元 100株
・決算 3月末日


日本の証券会社で、個人投資家を対象とし、株式取引、IPO(新規上場)株式の取扱い、NISA、iDeCo、投資信託の販売、FX(外国為替証拠金取引)など、投資に関わる金融商品・サービスを、インターネットを介して提供しています。
1918年に松井房吉商店として創業、1931年に法人化し、1947年には商号を松井證券株式会社となりました。長らく一般的な中堅の証券会社でしたが、インターネット証券に参入して大きく成長し、インターネット取引専業の証券会社として日本で初めて東証第1部に上場しています。
投資をまじめに、おもしろく。
「お客様の豊かな人生をサポートする。」を企業理念として、投資体験を通じて、お客様一人ひとりの人生が豊かになるために、全力でサポートすることを約束されています。
ではここからは、松井証券に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
証券、商品先物取引業40社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 3655億1700万円(6位) |
売上高 | 306億1600万円(11位) |
営業利益 | 127億7200万円(6位) |
経常利益 | 127億9100万円(9位) |
純利益 | 114億3900万円(7位) |
営業利益率 | 41.7%(4位) |
純利益率 | 37.4%(3位) |
総資産 | 1兆306億円(6位) |
負債 | 9877億6400万円(6位) |
証券、商品先物取引業の中で売上高は11位、総資産は6位。利益率はかなり高く、純利益率は37.4%の3位、ネット専業の証券会社として大手の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:8667億4200万円
流動負債:7974億2000万円
固定負債:1億8500万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.09倍で基準未達、
②は、固定負債1.8億円 < 純流動資産693億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債の割合が高いです。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績で確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 64億2700万円 |
2014年3月 | 163億円 |
2015年3月 | 155億7100万円 |
2016年3月 | 147億6300万円 |
2017年3月 | 106億9700万円 |
2018年3月 | 129億800万円 |
2019年3月 | 95億6200万円 |
2020年3月 | 61億3600万円 |
2021年3月 | 102億8300万円 |
2022年3月 | 114億3900万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -26.8%となり、残念ながら基準未達です。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 23.87円 | |
2014年3月 | 63.49円 | 3年平均:49.4円 |
2015年3月 | 60.65円 | |
2016年3月 | 57.5円 | |
2017年3月 | 41.67円 | |
2018年3月 | 50.28円 | |
2019年3月 | 37.24円 | |
2020年3月 | 23.89円 | |
2021年3月 | 40.02円 | 3年平均:36.1円 |
2022年3月 | 44.5円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 15円/株 | 2.25% |
2011年3月 | 15円/株 | 3.32% |
2012年3月 | 15円/株 | 2.81% |
2013年3月 | 20円/株 | 2.02% |
2014年3月 | 50円/株 | 4.77% |
2015年3月 | 40円/株 | 3.66% |
2016年3月 | 45円/株 | 4.69% |
2017年3月 | 33円/株 | 3.79% |
2018年3月 | 44円/株 | 4.56% |
2019年3月 | 84円/株 | 8.06% |
2020年3月 | 45円/株 | 5.67% |
2021年3月 | 40円/株 | 4.44% |
2022年3月 | 40円/株 | 4.96% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは17.94倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは2.77倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRも49.69で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高306億円 |
②財務状況 | △ | 流動負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | × | -26.8% |
⑤配当 | ◎ | 利回り4.96% |
⑥株価収益率 | △ | 17.94倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 2.77倍 |
財務状況と収益成長性、株価収益率/純資産倍率の4項目で基準未達となり、



松井証券(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
赤字なく配当しっかりとはいえ、負債が多く、成長性が物足りないですね。株価もかなり割高で仕方なしです。
若年層における認知度の向上を重要な課題と位置づけ、継続的に当社のブランド・知名度の向上に取り組む
顧客基盤の強化に向け、スマートフォン向け新サイトの提供を開始したほか、「松井証券 株アプリ」の改善に継続的に取り組み、取引の利便性向上に努めておられ、個人投資家に人気の米国株サービスの取り扱いを開始しています。新たな顧客層の獲得と新たな収益の柱として継続的に事業の強化に取り組まれている姿勢には好感が持てますね。今後に期待しましょう。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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