
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるMS&ADインシュアランスグループホールディングス(株)【8725】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿ったMS&ADインシュアランスグループホールディングスの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・MS&ADインシュアランスグループホールディングスは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


MS&ADインシュアランスグループホールディングス(株)【8725】 の基本情報
・設立年月日 2008年4月1日
・上場年月日 2008年4月1日
・業種 保険業
・特色 損保首位級。傘下に三井住友海上、あいおいニッセイ同和。生保育成、アジア軸に欧米も拡大。
・資本金 1,008億円
・従業員数 (単独)421人 (連結)38,944人
・株価 4,425円(2023.2.23)
・単元 100株
・決算 3月末日


三井住友海上火災保険株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社などのグループ保険会社を有する保険持株会社で、東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングスと並ぶ、いわゆる「三メガ損保」の一角。
2010年にあいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険、三井住友海上グループホールディングスの3社の経営統合により誕生、経営統合に伴って三井住友海上グループの持株会社であった三井住友海上グループホールディングスがMS&ADインシュアランスグループホールディングスへ商号変更し、あいおい損害保険及びニッセイ同和損害保険を株式交換によって完全子会社化しています。
ちなみにMSは「三井住友」、ADは「あいおい(ニッセイ)同和」から取ったものなんだそう。
グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます
持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造することを目指されています。
ではここからは、MS&ADインシュアランスグループホールディングスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
保険業14社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 2兆2599億円(3位) |
売上高 | 5兆1320億円(4位) |
営業利益 | -円(-位) |
経常利益 | 3904億9900万円(3位) |
純利益 | 2627億9900万円(3位) |
営業利益率 | -%(-位) |
純利益率 | 5.1%(6位) |
総資産 | 25兆4261億円(4位) |
負債 | 22兆5484億円(4位) |
保険業の中で売上高、総資産とも4位。利益率は中位で、純利益率は5.1%の6位、国内三メガ損保の一角です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:745億6600万円
流動負債:253億2100万円
固定負債:3005億1900万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.94倍で基準達成、
②は、固定負債3005億円 > 純流動資産492億円 で基準未達となり、
流動資産に対して固定負債の割合が高いです。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績で確認すると、2012年に一度赤字がありますが、その後は毎年しっかり利益を上げられており、問題ありません。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 836億2500万円 |
2014年3月 | 934億5100万円 |
2015年3月 | 1362億4700万円 |
2016年3月 | 1815億1600万円 |
2017年3月 | 2104億4700万円 |
2018年3月 | 1540億5700万円 |
2019年3月 | 1927億500万円 |
2020年3月 | 1430億3000万円 |
2021年3月 | 1443億9800万円 |
2022年3月 | 2627億9900万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 94.2%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 132.05円 | |
2014年3月 | 150.58円 | 3年平均:168.0円 |
2015年3月 | 221.34円 | |
2016年3月 | 298.72円 | |
2017年3月 | 350.95円 | |
2018年3月 | 260.05円 | |
2019年3月 | 328.73円 | |
2020年3月 | 248.36円 | |
2021年3月 | 255.8円 | 3年平均:326.2円 |
2022年3月 | 474.52円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 54円/株 | 2.08% |
2011年3月 | 54円/株 | 2.85% |
2012年3月 | 54円/株 | 3.18% |
2013年3月 | 54円/株 | 2.61% |
2014年3月 | 56円/株 | 2.37% |
2015年3月 | 65円/株 | 1.93% |
2016年3月 | 90円/株 | 2.87% |
2017年3月 | 120円/株 | 3.39% |
2018年3月 | 130円/株 | 3.87% |
2019年3月 | 140円/株 | 4.15% |
2020年3月 | 150円/株 | 4.96% |
2021年3月 | 155円/株 | 4.77% |
2022年3月 | 180円/株 | 4.52% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは17.08倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.83倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも14.18で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高5.1兆円 |
②財務状況 | × | 固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +94.2% |
⑤配当 | ◎ | 利回り4.52% |
⑥株価収益率 | △ | 17.08倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.83倍 |
財務状況と株価収益率の2項目で基準未達となり、



MS&ADインシュアランスグループホールディングス(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
赤字もなく、成長性も高く、配当もしっかりではあるものの、流動資産に対して固定負債が多く、収益に対して株価がちょっと高いですね。仕方ありません。
特色ある3つの損害保険会社、国内最大の販売網、日本有数の企業グループとの緊密な関係といった強みを活かして、トップラインを拡大し安定的な利益を創出する。
さらに、それぞれの保険株式会社のミドル・バック部門を共通化・共同化・一体化する「1プラットフォーム戦略」を大胆に進め、事業費を削減し生産性向上を図っていくとのこと。今後に期待ですね。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。


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