JR東日本は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである東日本旅客鉄道(株)【9020】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿ったJR東日本の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・JR東日本は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

東日本旅客鉄道(株)【9020】 の基本情報

・設立年月日 1987年4月1日
・上場年月日 1993年10月26日
・業種    陸運業
・特色    鉄道最大手。首都圏・東日本が地盤。不動産賃貸や駅ナカ物販事業が成長。「Suica」を育成。
・資本金   2,000億円
・従業員数  (単独)41,914人 (連結)70,554人
・株価    7,804円(2023.4.29)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

東日本を中心として旅客鉄道等を運営する日本の鉄道事業者であり、日本国内では東北地方、関東地方、甲信越地方を中心とした地域に鉄道路線を保有して運営しているほか、多様な関連事業を展開しています。

鉄道を運営する会社としては輸送人数×距離で世界最大で、日本の人口の3割強が住む首都圏に多くの在来線の営業路線を持ち、通勤・通学など東京とその周辺での旅客輸送を主力とします。

首都圏の在来線以外にも東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線(上越妙高駅以東)及びミニ新幹線の秋田新幹線・山形新幹線などの複数の新幹線を運営しており、首都圏と東日本各地の長距離輸送を担っています。

グループ理念

私たちは「究極の安全」を第一に行動し、グループ一体でお客さまの信頼に応えます。技術と情報を中心にネットワークの力を高め、すべての人の心豊かな生活を実現します。

鉄道を中心としたビジネスモデルの変革と、輸送サービス、生活サービス、IT・Suicaサービスの3事業の融合・シナジーによる収益の最大化に向け、強みであるリアルなネットワークとデジタル技術やSuicaを組み合わせによって新たな価値、サービスを生み出すことを目指されています。

ではここからは、JR東日本に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

陸運業62社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額2兆9392億円(2位)
売上高2兆4055億円(2位)
営業利益1406億2800万円(3位)
経常利益1109億1000万円(4位)
純利益992億3200万円(4位)
営業利益率5.8%(19位)
純利益率4.1%(24位)
総資産9兆3518億円(2位)
負債6兆8541億円(1位)
業績に関する各種項目

陸運業の中で売上高、総資産とも2位。利益率もまずまずで純利益率は4.1%の24位。国内鉄道会社の最大手です。

事業規模は文句なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆527億円
流動負債:1兆5322億円
固定負債:5兆3219億円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 0.69倍で基準未達
②は、固定負債5兆3219億円 > 純流動資産-4795億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合もかなり高いですね。

財務状況はNG!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績で確認すると、2021年と2022年に赤字がありますね。特に赤字幅の大きかった2021年は新型コロナウイルスの感染拡大による移動自粛で新幹線や特急などの利用が大きく落ち込んだ影響で民営化後の初の赤字となっています。残念ながら基準未達です。

年度純利益
2014年3月1999億3900万円
2015年3月 1803億9700万円
2016年3月2453億900万円
2017年3月2779億2500万円
2018年3月2889億5700万円
2019年3月2952億1600万円
2020年3月1984億2800万円
2021年3月-5779億円
2022年3月-949億4800万円
2023年3月922億3200万円
直近10年間の純利益

収益安定性はNG!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -227.9%となり、基準未達です。

年度EPS
2014年3月506.77円
2015年3月458.95円 3年平均:530.5円
2016年3月625.82円
2017年3月713.96円
2018年3月749.2円
2019年3月773.26円
2020年3月524.91円
2021年3月-1531.91円
2022年3月-251.69円3年平均:-506.7円
2023年3月263.38円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性はNG!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており、問題ありません。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月110円/株1.69%
2011年3月110円/株2.38%
2012年3月110円/株2.11%
2013年3月120円/株1.55%
2014年3月120円/株1.58%
2015年3月120円/株1.24%
2016年3月130円/株1.34%
2017年3月130円/株1.34%
2018年3月140円/株1.42%
2019年3月150円/株1.4%
2020年3月165円/株2.02%
2021年3月100円/株1.28%
2022年3月100円/株1.41%
2023年3月100円/株1.36%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待は3月末の権利確定で100株以上保有で株主優待割引券(営業路線内の運賃・料金が4割引)がもらえます。保有株数によってもらえる枚数が異なり、100株なら1枚、1,000株以上なら10枚、100,000株以上なら500枚もらえます。3年以上保有している場合は長期保有株主優待としてさらに1枚追加もらえます。

また株主サービス券が1式もらえ、鉄道博物館や駅レンタカーなどの各種施設で割引が受けられます。

配当は問題なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPERは48.08であり、基準未達です。

株価収益率はNG!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.18倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBRは56.73で基準未達です。これはちょっと高いですね。

株価純資産倍率はNG!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目結果備考
①事業規模売上高2兆4055億円
②財務状況×流動&固定負債多い
③収益安定性×2021年,2022年赤字
④収益成長性×-227.9%
⑤配当利回り1.36%+優待あり
⑥株価収益率×48.08倍
⑦株価純資産倍率×1.18倍
PER×PBRがNG
結果まとめ

財務状況、収益安定性/成長性、株価収益率/純資産倍率の5項目で基準未達となり、

なみ

東日本旅客鉄道(株)は割安株に該当しません!

という結果となりました。

これまで見てきた私鉄各社と同様、陸運業という事業の性質上、負債が多くなりがちですし、鉄道も含めて新型コロナの影響を大きく受けたこともあり、なかなか厳しいですね。PERも高いです。

これからのJR東日本

輸送サービス、生活サービス、IT・Suicaサービスの3つのサービスの融合により、グループの力を最大化し新たな価値を生み出す

コロナ禍を乗り越え、旅行気運・移動需要を喚起して鉄道事業の利用を回復させるとともに、ライフスタイルの変化に対応した新しい商品・サービスを展開し、当社グループの持つ強みを活かして積極的に新領域へ挑戦されるとのこと。今後に期待ですね。

というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアした企業リスト

1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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