ヤマトホールディングスは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるヤマトホールディングス(株)【9064】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿ったヤマトホールディングスの評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ヤマトホールディングスは割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

ヤマトホールディングス(株)【9064】 の基本情報

・設立年月日 1929年2月21日
・上場年月日 1949年5月
・業種    陸運業
・特色    宅配便首位で国内シェア4割強。法人向けに注力。EC荷物増で専用網構築など構造改革進める。
・従業員数  (単独)-人 (連結)177,430人
・株価    1,768.5円(2024.6.29)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

宅配便のシェアNo.1である宅急便を展開するヤマト運輸株式会社などを傘下に持つヤマトグループの持株会社。

かつては、ヤマト運輸を中心としたグループ体制を敷いていましたが、分社化と再編を進め、主力の宅配事業を中核に事業部門ごとに別会社としています。

ちなみに、「宅急便」は商品名であり、ヤマトホールディングス株式会社の登録商標です。他社の宅配事業サービスは一般的な名称である「宅配便」と呼称されています。

なみ

私も学生時代にアルバイトでお世話になりました。

経営理念

ヤマトグループは、社会的インフラとしての宅急便ネットワークの高度化、より便利で快適な生活関連サービスの創造、革新的な物流システムの開発を通じて、豊かな社会の実現に貢献します。

社訓には、
一、ヤマトは我なり
一、運送行為は委託者の意思の延長と知るべし
一、思想を堅実に礼節を重んずべし

ヤマトグループの事業の原点にある「運送行為」は、単に物を運ぶことだけではなく、お客様(委託者)のこころ(意思)をお届けし、お客様(受取人)に喜びをもたらすこととして、品質の向上や新たなサービスの開発に取り組まれています。

ではここからは、ヤマトホールディングスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

陸運業62社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額6065億200万円(11位)
売上高1兆7586億円(3位)
純利益376億2600万円(13位)
純利益率2.1%(51位)
総資産1兆1358億円(12位)
業績に関する各種項目

陸運業の中で売上高は3位、総資産は12位。利益率は低めで、純利益率は2.1%の51位、宅配便のシェア1位です。

事業規模は文句なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2024年3月期の決算短信によると、
流動資産:4963億5300万円
流動負債:3459億500万円
固定負債:1980億900万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.43倍で基準未達
②も、固定負債1980億円 > 純流動資産1504億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も高く、基準未達です。

財務状況はNG!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績で確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2015年3月375億3300万円
2016年3月394億2400万円
2017年3月180億5300万円
2018年3月182億3100万円
2019年3月256億8200万円
2020年3月223億2400万円
2021年3月567億円
2022年3月559億5600万円
2023年3月458億9800万円
2024年3月376億2600万円
直近10年間の純利益

収益安定性は問題なし!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +65.7%となり、基準達成です。

年度EPS
2015年3月90.41円
2016年3月96.45円3年平均:77.4円
2017年3月45.37円
2018年3月46.24円
2019年3月65.14円
2020年3月56.78円
2021年3月151.54円
2022年3月151.03円
2023年3月126.63円3年平均:128.3円
2024年3月107.23円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性は問題なし!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており、問題ありません。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月22円/株1.67%
2011年3月22円/株1.71%
2012年3月22円/株1.72%
2013年3月23円/株1.32%
2014年3月24円/株1.08%
2015年3月25円/株0.9%
2016年3月28円/株1.25%
2017年3月27円/株1.16%
2018年3月27円/株1.01%
2019年3月28円/株0.98%
2020年3月41円/株2.42%
2021年3月46円/株1.52%
2022年3月46円/株2.01%
2023年3月46円/株2.03%
2024年3月46円/株2.13%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

配当は問題なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPERは18.95倍であり、基準未達です。

株価収益率はNG!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.04倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBRも19.71で基準達成です。

株価純資産倍率は問題なし!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目結果備考
①事業規模売上高1.7兆円
②財務状況×流動&固定負債多い
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+65.7%
⑤配当利回り2.13%
⑥株価収益率18.95倍
⑦株価純資産倍率1.04倍
結果まとめ

財務状況と株価収益率の2項目で基準未達となり、

なみ

ヤマトホールディングス(株)は割安株に該当しません!

という結果となりました。

流動資産に対して流動/固定負債が多く、利益に対して株価もちょっと高いですね。

これからのヤマトホールディングス

グループ各社の経営資源を結集した新しいヤマト運輸を中核とするグループ経営体制に移行し、①グループ全体の生産性向上、②法人領域の成長による営業収益の拡大、③持続的な企業価値向上を実現する戦略の推進、に取り組む。

例えば①については、全国に保有する営業倉庫、仕分けターミナル、営業所などの拠点については、集約・再配置などを進めることにより、物流ネットワーク全体の生産性向上と利益率の改善を進めるとのこと。今後に期待ですね。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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