
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるソフトバンク(株)【9434】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿ったソフトバンクの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ソフトバンクは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


ソフトバンク(株)【9434】 の基本情報
・設立年月日 1986年12月9日
・上場年月日 2018年12月19日
・業種 情報・通信
・特色 「ソフトバンク」「ワイモバイル」展開の通信会社。ヤフー、ZOZO、ペイペイなど非通信強化。
・資本金 2,043億円
・従業員数 (単独)18,929人 (連結)49,581人
・株価 1,513.5円(2023.5.20)
・単元 100株
・決算 3月末日


ソフトバンクグループ傘下の会社で、携帯電話などの無線通信サービスおよび長距離、国際通信を提供する日本の大手電気通信事業者。
会社組織上の原点は日本国有鉄道(国鉄)が分割民営化されるのに先立って設立されたJRグループの鉄道通信株式会社で、その後、吸収合併などを経て、日本テレコムやデジタルホン、ジェイフォン、ボーダフォンと変遷し、現在のソフトバンクに至っています。
情報革命で人々を幸せに
ビジョンには、「世界に最も必要とされる会社」を掲げ、これまで築き上げた事業基盤と、デジタルテクノロジーの力で、誰もが便利で、快適・安全に過ごせる理想の社会を実現することを目指されています。
ではここからは、ソフトバンクに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
情報・通信業100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 7兆2014億円(4位) |
売上高 | 5兆9119億円(3位) |
営業利益 | 1兆601億円(3位) |
経常利益 | 8628億6800万円(3位) |
純利益 | 5313億6600万円(3位) |
営業利益率 | 17.9%(19位) |
純利益率 | 9.0%(37位) |
総資産 | 14兆6821億円(3位) |
負債 | 10兆9991億円(3位) |
情報・通信業の中で売上高、総資産とも3位。利益率もまずまず高く、純利益率は9.1%の39位。情報・通信業のトップ企業の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:4兆9480億円
流動負債:6兆3726億円
固定負債:4兆4541億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 0.78倍で基準未達、
②も、固定負債4兆4541億円 > 純流動資産-1兆4246億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も高いですね。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 2863億3900万円 |
2015年3月 | 3235億3200万円 |
2016年3月 | 3995億2000万円 |
2017年3月 | 4411億8900万円 |
2018年3月 | 4007億4900万円 |
2019年3月 | 4624億5500万円 |
2020年3月 | 4731億3500万円 |
2021年3月 | 4912億8700万円 |
2022年3月 | 5170億7500万円 |
2023年3月 | 5313億6600万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 8.3%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 99.96円 | |
2015年3月 | 104.02円 | 3年平均:100.5円 |
2016年3月 | 97.37円 | |
2017年3月 | 107.53円 | |
2018年3月 | 86.91円 | |
2019年3月 | 96.6円 | |
2020年3月 | 99.27円 | |
2021年3月 | 103.85円 | |
2022年3月 | 110.04円 | 3年平均:108.8円 |
2023年3月 | 112.53円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2019年3月 | 37.5円/株 | 3.01% |
2020年3月 | 85円/株 | 6.18% |
2021年3月 | 86円/株 | 5.98% |
2022年3月 | 86円/株 | 6.02% |
2023年3月 | 86円/株 | 5.62% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは17.05であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは3.22倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRも54.90で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高5兆9119億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | △ | +8.3% |
⑤配当 | ◎ | 利回り5.62% |
⑥株価収益率 | △ | 17.05倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 3.22倍 PER×PBRもNG |
財務状況と収益成長性、株価収益率/純資産倍率の4項目で基準未達となり、



ソフトバンク(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して流動/固定いずれの負債も多く、収益成長性、株価も高いですね。仕方ありません。
コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的に事業を展開することで、企業価値の最大化を目指す
通信事業では、多様化するニーズに合わせた複数ブランド展開、5Gサービスの普及に取り組み、通信以外の領域では、ヤフーやLINEを中心にサービスを拡大、さらに、急成長を遂げるキャッシュレス決済サービス「PayPay」など最先端テクノロジーを用いた新規ビジネスやソリューションビジネスの成長も加速させるとのこと。今後に期待しましょう。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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