
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるKDDI(株)【9433】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿ったKDDIの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・KDDIは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


KDDI(株)【9433】 の基本情報
・設立年月日 1984年6月1日
・上場年月日 1993年9月3日
・業種 情報・通信
・特色 総合通信大手。携帯・光回線を展開。物販など非通信伸ばしライフデザイン企業への脱皮模索中。
・資本金 1,418億円
・従業員数 (単独)9,611人 (連結)50,281人
・株価 4,415円(2023.5.14)
・単元 100株
・決算 3月末日


「au」ブランドを中心とした携帯電話事業などを手掛ける日本の大手電気通信事業者。2000年に第二電電(DDI)、ケイディディ(KDD)、日本移動通信(IDO)が合併して発足した。
国内・国際通信全般を手掛けており、主な事業として携帯電話(au、UQ mobile、povo等)、専用線(法人向け光ケーブル通信等)、プロバイダ、固定電話サービス、衛星電話などの電気通信事業を行っています。
KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。
社是には、「心を高める」~動機善なりや、私心なかりしか~を掲げ、顧客に感動を届け、コミュニケーションを基盤とする豊かな社会の実現へ全力を尽くすことを目指されています。
ではここからは、KDDIに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
情報・通信業100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 9兆5236億円(2位) |
売上高 | 5兆6717億円(4位) |
営業利益 | 1兆757億円(2位) |
経常利益 | 1兆778億円(2位) |
純利益 | 6724億8600万円(2位) |
営業利益率 | 19.0%(14位) |
純利益率 | 11.9%(23位) |
総資産 | 11兆9176億円(4位) |
負債 | 6兆2528億円(4位) |
情報・通信業の中で売上高、総資産とも4位。利益率も高く、純利益率は11.9%の23位。情報・通信業のトップ企業の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:3兆5870億円
流動負債:4兆6361億円
固定負債:1兆6166億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 0.77倍で基準未達、
②も、固定負債1兆6166億円 > 純流動資産-1兆491億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も高いですね。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 3220億3800万円 |
2015年3月 | 3958億500万円 |
2016年3月 | 4948億7800万円 |
2017年3月 | 5466億5800万円 |
2018年3月 | 5725億2800万円 |
2019年3月 | 6176億6900万円 |
2020年3月 | 6397億6700万円 |
2021年3月 | 6514億9600万円 |
2022年3月 | 6724億8600万円 |
2023年3月 | 6774億6900万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 83.1%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 132.87円 | |
2015年3月 | 158.01円 | 3年平均:162.9円 |
2016年3月 | 197.73円 | |
2017年3月 | 221.65円 | |
2018年3月 | 235.54円 | |
2019年3月 | 259.1円 | |
2020年3月 | 275.69円 | |
2021年3月 | 284.16円 | |
2022年3月 | 300.03円 | 3年平均:298.2円 |
2023年3月 | 310.25円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 21.67円/株 | 2.67% |
2011年3月 | 23.33円/株 | 2.72% |
2012年3月 | 26.67円/株 | 2.99% |
2013年3月 | 30円/株 | 2.33% |
2014年3月 | 43.33円/株 | 2.18% |
2015年3月 | 56.67円/株 | 2.08% |
2016年3月 | 70円/株 | 2.33% |
2017年3月 | 85円/株 | 2.91% |
2018年3月 | 90円/株 | 3.31% |
2019年3月 | 105円/株 | 4.4% |
2020年3月 | 115円/株 | 3.61% |
2021年3月 | 120円/株 | 3.53% |
2022年3月 | 125円/株 | 3.12% |
2023年3月 | 135円/株 | 3.3% |
なお、株主優待は3月末の権利確定で100株以上保有なら保有株式数と保有期間によって3,000~10,000円相当のカタログギフトがもらえます。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは14.06であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.91倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRも26.85で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高5兆6717億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +83.1% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.3%+優待あり |
⑥株価収益率 | 〇 | 14.06倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 1.91倍 PER×PBRもNG |
財務状況と株価純資産倍率の2項目で基準未達となり、



KDDI(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
その他項目はしっかり基準をクリアできているのですが、流動資産に対して流動/固定いずれの負債も多く、PBRも高いですね。仕方ありません。
5Gの特性を活かすことにより「つなぐチカラ」を進化させ、あらゆるシーンに通信が「溶け込む」ことで、新たな価値が生まれる時代を目指す
①DX(デジタルトランスフォーメーション)、②金融、③エネルギー、④LX(ライフトランスフォーメーション)、⑤地域共創(CATV等)からなる5つの注力領域を中心とした「サテライトグロース戦略」を推進し、特にDXでは、通信をIoTという形であらゆるものに溶け込ませ、意識することなく5Gを活用できる環境を整備するのこと。今後に期待しましょう。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




👇👇👇ブログランキングに参加中 👇👇👇
👇押していただけると励みになります 👇
コメント