
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである東京ガス(株)【9531】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿った東京ガスの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・東京ガスは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


東京ガス(株)【9531】 の基本情報
・設立年月日 1885年10月1日
・上場年月日 1949年5月
・業種 電気・ガス業
・特色 都市ガス最大手。電力と合わせ総合エネルギー企業化。海外ガス田開発も。地域冷暖房に注力。
・資本金 1,418億円
・従業員数 (単独)3,081人 (連結)16,136人
・株価 3,005円(2023.5.28)
・単元 100株
・決算 3月末日


東京都心部とその隣接区域(関東地方1都6県の主要都市)をガス小売営業区域とするガス会社。都市ガス事業者として世界最大、日本最大手で、大阪ガス、東邦ガス、西部ガスと並ぶ大手4大都市ガス事業者の一角。
グループ全体で「LNGバリューチェーン」に取り組み、LNGを原料とする都市ガス製造設備の先駆者として技術確立に取り組み、天然ガスを始めする資源の原料の調達から、輸送、都市ガスの製造、供給、販売、電力供給、エネルギーソリューション提供まで、一連の事業活動を行っています。



創業者は「日本資本主義の父」こと、明治時代の実業家・渋沢栄一さんです。
人によりそい、社会をささえ、未来をつむぐエネルギーになる。
グループスローガンにも「未来をつむぐエネルギー」を掲げており、都市ガスという枠やこれまでの常識を超え、社会をささえ、もっとうれしい明日をつむいでいくために、持続可能な未来を実現する原動力となることを目指されています。
ではここからは、東京ガスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
電気・ガス業25社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆2170億円(2位) |
売上高 | 3兆2896億円(4位) |
営業利益 | 4214億7700万円(1位) |
経常利益 | 4088億4600万円(1位) |
純利益 | 2809億1600万円(1位) |
営業利益率 | 12.8%(1位) |
純利益率 | 8.5%(1位) |
総資産 | 3兆5814億円(7位) |
負債 | 1兆9921億円(8位) |
電気・ガス業の中で売上高は4位、総資産は7位。利益率は非常に高く、純利益率は8.5%の1位、都市ガスの国内トップ企業です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆2179億円
流動負債:6061億5800万円
固定負債:1兆3859億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.01倍で基準達成、
②も、固定負債1兆3859億円 > 純流動資産-7741億円 で基準未達となり、
流動資産に対して固定負債の割合が高いですね。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 1084億5100万円 |
2015年3月 | 958億2800万円 |
2016年3月 | 1119億3600万円 |
2017年3月 | 531億3400万円 |
2018年3月 | 749億8700万円 |
2019年3月 | 845億5500万円 |
2020年3月 | 432億9300万円 |
2021年3月 | 495億500万円 |
2022年3月 | 957億200万円 |
2023年3月 | 2809億1600万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 51.6%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 215.49円 | |
2015年3月 | 195.73円 | 3年平均:214.9円 |
2016年3月 | 233.39円 | |
2017年3月 | 115.09円 | |
2018年3月 | 164.12円 | |
2019年3月 | 187.6円 | |
2020年3月 | 97.86円 | |
2021年3月 | 112.25円 | |
2022年3月 | 217.67円 | 3年平均:325.6円 |
2023年3月 | 646.99円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 45円/株 | 2.18% |
2011年3月 | 45円/株 | 2.37% |
2012年3月 | 45円/株 | 2.31% |
2013年3月 | 50円/株 | 1.95% |
2014年3月 | 50円/株 | 1.91% |
2015年3月 | 50円/株 | 1.32% |
2016年3月 | 55円/株 | 2.1% |
2017年3月 | 55円/株 | 2.17% |
2018年3月 | 55円/株 | 1.95% |
2019年3月 | 60円/株 | 2% |
2020年3月 | 60円/株 | 2.35% |
2021年3月 | 60円/株 | 2.44% |
2022年3月 | 65円/株 | 2.91% |
2023年3月 | 65円/株 | 2.6% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは13.02倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.84倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも10.94で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高3兆2896億円 |
②財務状況 | △ | 固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +51.6% |
⑤配当 | 〇 | 利回り2.6% |
⑥株価収益率 | 〇 | 13.02倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.84倍 |
財務状況のみで基準未達となり、



東京ガス(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して固定負債の割合が高いですね。電気・ガス業というインフラを担う事業柄、どうしても固定負債は多くなってしまうのかもしれません。他の項目はしっかりクリアできているのですが、惜しいところです。
主要戦略である、「エネルギー安定供給と脱炭素化の両立」「ソリューションの本格展開」「変化に強いしなやかな企業体質の実現」を目指す。
強みである「安心・安全・信頼」のブランド価値をベースに、従来のエネルギー供給やその枠を超えたソリューションの提供を通じ、これまで以上に顧客と社会に貢献していくとのこと。今後に期待しましょう。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




👇👇👇ブログランキングに参加中 👇👇👇
👇押していただけると励みになります 👇
コメント