
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)NTTデータ【9613】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿ったNTTデータの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・NTTデータは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


(株)NTTデータ【9613】 の基本情報
・設立年月日 1988年5月23日
・上場年月日 1995年4月26日
・業種 情報・通信
・特色 NTT傘下のシステム開発専業最大手。省庁、金融機関に強い。米デルのITサービス会社を2016年買収。
・資本金 1,425億円
・従業員数 (単独)12,856人 (連結)193,300人
・株価 2,048.5円(2023.6.11)
・単元 100株
・決算 3月末日


NTTグループ主要5社の一つで、データ通信やシステム構築事業を行うシステムインテグレーター。ITサービス専業企業として日本最大手で、世界6位のシェアを持ち、国内外300社を超える傘下企業を持つ世界有数のIT企業。
日本電信電話公社が、長年の念願だったデータ通信サービス実施の認可を受け、1967年に「電信・電話に次ぐ第三の通信、データ通信」を掲げデータ通信本部を設立した後、1988年に別会社として分離独立したものです。



1974年に地域気象観測システム「アメダス」を作ったすごい会社です。
近年は、公共分野を始めとする国内市場の成長鈍化に対し、海外ITサービス企業へのM&Aを基本とした成長戦略を軸に据えています。
情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する。
グループビジョンには、「Trusted Global Innovator」を掲げ、ビジネスパートナーとして世界中のお客さまから「信頼」を得ることでグローバル市場で大きな存在感を発揮することを目指されています。
ではここからは、NTTデータに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
情報・通信業100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 2兆7436億円(5位) |
売上高 | 3兆4901億円(5位) |
営業利益 | 2591億1000万円(5位) |
経常利益 | 2428億円(4位) |
純利益 | 1499億6200万円(5位) |
営業利益率 | 7.4%(65位) |
純利益率 | 4.3%(74位) |
総資産 | 6兆1581億円(6位) |
負債 | 3兆7618億円(6位) |
情報・通信業の中で売上高は5位、総資産は6位。利益率は低めで、純利益率は4.3%の74位、ITサービス専業企業としては国内トップ企業です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:2兆2489億円
流動負債:1兆8043億円
固定負債:1兆9575億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.25倍で基準未達、
②も、固定負債1兆9575億円 > 純流動資産4446億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も高いですね。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 232億8700万円 |
2015年3月 | 321億4500万円 |
2016年3月 | 633億7300万円 |
2017年3月 | 656億8700万円 |
2018年3月 | 823億9200万円 |
2019年3月 | 936億1600万円 |
2020年3月 | 751億4800万円 |
2021年3月 | 768億4300万円 |
2022年3月 | 1429億7900万円 |
2023年3月 | 1499億6200万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 211.3%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 16.6円 | |
2015年3月 | 22.92円 | 3年平均:28.2円 |
2016年3月 | 45.19円 | |
2017年3月 | 46.84円 | |
2018年3月 | 58.75円 | |
2019年3月 | 66.75円 | |
2020年3月 | 53.58円 | |
2021年3月 | 54.79円 | |
2022年3月 | 101.95円 | 3年平均:87.9円 |
2023年3月 | 106.95円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 12円/株 | 1.93% |
2011年3月 | 12円/株 | 2.33% |
2012年3月 | 12円/株 | 2.06% |
2013年3月 | 12円/株 | 1.91% |
2014年3月 | 12円/株 | 0.3% |
2015年3月 | 12円/株 | 1.15% |
2016年3月 | 14円/株 | 1.24% |
2017年3月 | 15円/株 | 1.42% |
2018年3月 | 15円/株 | 1.33% |
2019年3月 | 17円/株 | 1.39% |
2020年3月 | 18円/株 | 1.73% |
2021年3月 | 18円/株 | 1.05% |
2022年3月 | 21円/株 | 0.87% |
2023年3月 | 22円/株 | 1.27% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは19.94倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.98倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBRも39.48で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高3兆4901億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +211.3% |
⑤配当 | 〇 | 利回り1.27% |
⑥株価収益率 | × | 19.94倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 1.98倍 |
財務状況と株価収益率、株価純資産倍率の3項目で基準未達となり、



(株)NTTデータは割安株に該当しません!
という結果となりました。
安定性と成長性は高いのですが、流動資産に対して流動/固定いずれの負債も多く、PER,PBRも高いですね。仕方ありません。
これまで培ってきた顧客理解と高度な技術力でシステムをつくる力と、様々な企業システムや業界インフラを支え人と企業・社会をつなぐ力を更に高めていく。
ITとConnectivityの融合による新たなサービスを創出するため、NTTグループとの更なる連携強化によってEdge to Cloudのサービス提供力を強化し、様々な顧客接点やデータをつなぎ合わせることで、新たな社会プラットフォームや革新的なサービスを創出していくとのこと。今後に期待しましょう。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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