東宝は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである東宝(株)【9602】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿った東宝の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・東宝は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

東宝(株)【9602】 の基本情報

・設立年月日 1932年8月12日
・上場年月日 1949年5月
・業種    情報・通信
・特色    阪急系、発祥は映画興行。邦画配給、興行収入で断トツ。映画館跡地利用の不動産賃貸が下支え。
・従業員数  (単独)401人 (連結)3,617人
・株価    5,310円(2024.8.14)
・単元    100株
・決算    2月末日

こんな会社

映画・演劇の製作配給・興行や不動産業を行う企業。東映、松竹と共に日本のメジャー映画会社「御三家」のひとつ。

1932年に阪神急行電鉄(現在の阪急電鉄)の小林一三氏によって、演劇、映画の興行を主たる目的として株式会社東京宝塚劇場として設立されました。

なみ

東宝の「宝」って、宝塚の宝だったんですね。知りませんでした。

阪急阪神ホールディングス(阪急電鉄・阪神電気鉄道)、エイチ・ツー・オー リテイリング(阪急百貨店・阪神百貨店)とともに阪急阪神東宝グループの中核企業であり、現在、2つの直営演劇劇場(帝国劇場・新館シアタークリエ)を保有しています。

経営理念

パーパス 健全な娯楽を広く大衆に提供すること

バリュー 我々の享くる幸福はお客様の賜ものなり

モットー 朗らかに、清く正しく美しく

2032年の創立100周年に向けた新たなコーポレート・スローガンとして、「Entertainment for YOU -世界中のお客様に 感動を- 」掲げ、自らに変化と進化を促し、さらなる成長と企業価値向上を目指されています。

ではここからは、東宝に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

情報・通信業605社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額9001億900万円(16位)
売上高2833億4700万円(24位)
純利益452億8300万円(14位)
純利益率16.0%(14位)
総資産6119億700万円(16位)
業績に関する各種項目

情報・通信業の中で売上高は24位、総資産は16位。利益率はかなり高く、純利益率は16.0%の14位、邦画の興行収入では断トツのトップ企業です。

事業規模は問題なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2024年2月期の決算短信によると、
流動資産:2085億300万円
流動負債:691億4100万円
固定負債:619億2900万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 3.02倍で基準達成
②も、固定負債619億円 < 純流動資産1394億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合も低く、財務状況はすごくきれいです。

財務状況は文句なし!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2015年2月224億7900万円
2016年2月 258億4700万円
2017年2月332億5200万円
2018年2月335億5300万円
2019年2月301億9700万円
2020年2月366億900万円
2021年2月146億8800万円
2022年2月295億6800万円
2023年2月334億3000万円
2024年2月452億8300万円
直近10年間の純利益

収益安定性は問題なし!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +38.8%となり、基準達成です。

年度EPS
2015年2月121.58円
2016年2月140.22円3年平均:148.2円
2017年2月182.71円
2018年2月185.95円
2019年2月167.92円
2020年2月203.77円
2021年2月82.54円
2022年2月167.24円
2023年2月190.36円3年平均:205.7円
2024年2月259.51円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性は問題なし!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ており、問題ありません。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年2月20円/株1.38%
2011年2月20円/株1.51%
2012年2月20円/株1.39%
2013年2月25円/株1.4%
2014年2月20円/株1.02%
2015年2月25円/株0.86%
2016年2月30円/株1.09%
2017年2月45円/株1.42%
2018年2月45円/株1.29%
2019年2月45円/株1.13%
2020年2月55円/株1.65%
2021年2月35円/株0.88%
2022年2月45円/株0.94%
2023年2月60円/株1.27%
2024年2月85円/株1.75%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待は8月末と2月末の権利確定で100株以上保有で保有株式数に応じて映画の招待券がもらえます。さらに10,000株以上なら半期ごとに演劇公演のペア招待券(1公演、S席相当)がもらえます。

配当は問題なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPERは23.37倍であり、基準未達です。

株価収益率はNG!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは2.03倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBRも47.44で基準未達です。

株価純資産倍率はNG!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目結果備考
①事業規模売上高2833億円
②財務状況文句なし
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+38.8%
⑤配当利回り1.75%+優待あり
⑥株価収益率×23.37倍
⑦株価純資産倍率×2.03倍
結果まとめ

株価収益率、株価純資産倍率の2項目で基準未達となり、

なみ

東宝(株)は割安株に該当しません!

という結果となりました。

財務状況なんかは非常に健全なのですが、収益成長性が若干ながら足りないことと、PER,PBRが高いですね。仕方ありません。

これからの東宝

「Entertainment for YOU 世界中のお客様に感動を」という新たなコーポレート・スローガンのもと、成長に向けた「投資」を推進すること、「人材」の確保・育成に注力すること、アニメ事業を「第4の柱」とする。

今後3カ年を「コロナ禍からの回復と次なる飛躍的成長への基盤固めの期間」と位置づけ、コンテンツや不動産関連等の「成長投資」に軸足を置きながら、映画・アニメ・演劇・不動産の各事業において、個別の事業戦略に基づいた取り組みを着実に推進されるとのこと。今後に期待しましょう。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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