こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである住友重機械工業(株)【6302】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿った住友重機械の評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・住友重機械は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
住友重機械工業(株)【6302】 の基本情報
・設立年月日 1934年11月1日
・上場年月日 1949年5月
・業種 機械
・特色 総合重機大手。タービン、タンカー、建機のほか変減速機、射出成形機に強い。がん治療装置も。
・資本金 308億円
・従業員数 (単独)4,043人 (連結)25,400人
・株価 3,553円(2023.12.3)
・単元 100株
・決算 12月末日
住友グループの総合重機械メーカーで、変減速機、射出成形機では世界有数の技術力、シェアを占め、その他、プラント/産業機械/船舶/建設機械/鉄鋼など、一般産業機械から最先端の精密制御機械・コンポーネントまでを、製造・販売しています。
愛媛県新居浜市の別子銅山の採鉱に使用される機械設備の製作を担当する「工作方」として明治21年に創業し、造船・各種製造装置や精密機械など最先端のメカトロニクス分野でグローバルに事業を展開されています。
総合機械メーカーとして、特に変減速機やモーターなど駆動系に強い印象ですね。
一流の商品とサービスを世界に提供し続ける機械メーカーを目指します。
誠実を旨とし、あらゆるステークホルダーから高い評価と信頼を得て、社会に貢献します。
一流の商品とサービスを世界に提供し続ける機械メーカーを目指し、誠実を旨とし、あらゆるステークホルダーから高い評価と信頼を得て、社会に貢献することを企業使命とし、「顧客第一」「変化への挑戦」「技術重視」「人間尊重」という4つの価値観を掲げられています。
ではここからは、住友重機械工業(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
機械100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 4352億100万円(16位) |
売上高 | 8540億9300万円(9位) |
営業利益 | 448億300万円(13位) |
純利益 | 57億8200万円(59位) |
営業利益率 | 5.2%(72位) |
純利益率 | 0.7%(90位) |
総資産 | 1兆2327億円(9位) |
負債 | 6020億1700万円(9位) |
機械の中で売上高、総資産とも9位。利益率は低めで、純利益率は0.7%の90位。総合重機の国内大手の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2022年12月期の決算短信によると、
流動資産:7113億5800万円
流動負債:4182億3800万円
固定負債:1537億1000万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.70倍で基準未達、
②は、固定負債1537億円 < 純流動資産2931億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債の割合が若干高く、残念ながら基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられています。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 178億9100万円 |
2015年3月 | 243億4800万円 |
2016年3月 | 331億3300万円 |
2017年3月 | 336億1300万円 |
2018年3月 | 346億6000万円 |
2019年3月 | 456億5000万円 |
2020年3月 | 328億700万円 |
2021年3月 | 267億6400万円 |
2022年3月 | 440億5300万円 |
2022年12月 | 57億8200万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +1.7%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 145.83円 | |
2015年3月 | 198.56円 | 3年平均:204.9円 |
2016年3月 | 270.28円 | |
2017年3月 | 274.24円 | |
2018年3月 | 282.83円 | |
2019年3月 | 372.56円 | |
2020年3月 | 267.77円 | |
2021年3月 | 218.46円 | |
2022年3月 | 359.61円 | 3年平均:208.4円 |
2022年12月 | 47.2円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 20円/株 | 0.71% |
2011年3月 | 40円/株 | 1.47% |
2012年3月 | 50円/株 | 2.17% |
2013年3月 | 40円/株 | 2.1% |
2014年3月 | 35円/株 | 1.67% |
2015年3月 | 60円/株 | 1.52% |
2016年3月 | 80円/株 | 3.44% |
2017年3月 | 80円/株 | 2.06% |
2018年3月 | 85円/株 | 2.22% |
2019年3月 | 112円/株 | 3.12% |
2020年3月 | 91円/株 | 4.66% |
2021年3月 | 65円/株 | 2.11% |
2022年3月 | 115円/株 | 4.08% |
2022年12月 | 90円/株 | 3.4% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは11.45倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.70倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も8.02で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高8540億円 |
②財務状況 | △ | 流動負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | △ | +1.7% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.4% |
⑥株価収益率 | 〇 | 11.45倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.70倍 |
財務状況と収益成長性の2項目で基準未達となり、
住友重機械工業(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して流動負債の割合が若干高く、成長性もあと一歩ですね。
DX活用推進によるビジネスプロセスの変革や全社組織活動である「PRIDEプロジェクト」への取組みなどを進め組織能力の一段の強化を図るとともに、財務パフォーマンスを向上させ、加えて事業ポートフォリオの見直しによる経営資源の有効活用を図る。
“モノづくり”の精神を活かし、マーケティング、開発、生産効率を強化して、究極の“モノづくり”に取り組み、一流商品を継続的にお客様に提供する「組織的知識創造型企業」を目指すとのこと。今後に注目ですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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