こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)コンコルディア・フィナンシャルグループ【7186】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったコンコルディア・フィナンシャルグループの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・コンコルディア・フィナンシャルグループは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)コンコルディア・フィナンシャルグループ【7186】 の基本情報
・設立年月日 2016年4月1日
・上場年月日 2016年4月1日
・業種 銀行業
・特色 傘下に地銀首位級の横浜銀と東日本銀。神奈川と東京軸に1都1府7県展開。中小と個人に強み。
・資本金 1,500億円
・従業員数 (単独)5人 (連結)6,022人
・株価 688.7円(2024.2.11)
・単元 100株
・決算 3月末日
横浜銀行と東日本銀行を傘下に置く金融持株会社で、証券業務、リース業務、情報サービス・調査業務、ベンチャーキャピタル業務、信用保証業務、クレジットカード業務、証券投資信託委託業務、並びに有料職業紹介、事務代行業務、経営管理業務及び関連する業務等を行っています。
主に横浜及び東日本において事業を行っており、グループの総合力を活用し、伝統的な貸出業務だけでなく、資本政策や事業承継・M&A、相続対策など専門性の高いソリューションを提供しています。
神奈川県内企業のメインバンクシェアでは1位を誇り、中小企業をターゲットにしたソリューションビジネスに強みを持っています。
お客様に信頼され、地域にとってなくてなならない金融グループとして、
1.お客さまの豊かな人生、事業の発展に貢献します。
2.地域社会の持続的な発展に貢献します。
3.従業員が誇りを持って働ける魅力ある会社であり続けます。
4.持続的に成長し、企業価値を向上させます。
長期的に目指す姿(ビジョン)として、
「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」
となることを目指されています。
ではここからは、(株)コンコルディア・フィナンシャルグループに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
銀行業78社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 8017億4700万円(7位) |
売上高 | 3129億8300万円(9位) |
純利益 | 561億5900万円(9位) |
純利益率 | 17.9%(9位) |
総資産 | 23兆9336億円(8位) |
銀行業の中で売上高は9位、総資産は8位。利益率は高く、純利益率は17.9%と9位。地域に根ざす地銀のリーディングカンパニーの一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:187億3000万円
流動負債:4億8600万円
固定負債:607億8400万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 38.54倍で基準達成、
②は、固定負債607億円 > 純流動資産182億円 で基準未達となり、
流動資産に対して固定負債の割合が高く、基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2016年設立なので7年分しかデータはありませんが、しっかり利益を上げられており、問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2017年3月 | 1266億5600万円 |
2018年3月 | 664億1300万円 |
2019年3月 | 542億8500万円 |
2020年3月 | 465億3600万円 |
2021年3月 | 253億2600万円 |
2022年3月 | 538億8100万円 |
2023年3月 | 561億5900万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -41.7%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2017年3月 | 98.09円 | |
2018年3月 | 52.36円 | 3年平均:64.6円 |
2019年3月 | 43.46円 | |
2020年3月 | 38.38円 | |
2021年3月 | 20.99円 | |
2022年3月 | 44.68円 | 3年平均:37.7円 |
2023年3月 | 47.4円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2017年3月 | 15円/株 | 2.91% |
2018年3月 | 15.5円/株 | 2.64% |
2019年3月 | 16円/株 | 3.75% |
2020年3月 | 16円/株 | 5.08% |
2021年3月 | 17円/株 | 3.79% |
2022年3月 | 18円/株 | 3.93% |
2023年3月 | 19円/株 | 3.89% |
なお、株主優待は3月末の権利確定で、
・定期預金金利を0.2%上乗せ(上限100万円)
・はまPayタッチ決済残高付与(2000円分)
500株以上保有なら1種類、1万株以上保有なら2種類を選択できます。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは12.82倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.66倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も8.46で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高3129億円 |
②財務状況 | △ | 固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | × | -41.7% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.89% |
⑥株価収益率 | 〇 | 12.82倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.66倍 |
財務状況と収益成長性の2項目で基準未達となり、
(株)コンコルディア・フィナンシャルグループは割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して固定負債の割合が高く、成長性も低いですね。仕方なしです。
重要課題である「収益力の向上」「人的資本投資の強化」「地域社会の持続的な発展への取り組み」の3点に取り組む。
特に「収益力の向上」については、有価証券ポートフォリオの再構築による健全化に取り組み、持続的で安定的な有価証券運用収益の確保に向けた基盤強化を進めるとともに、不確実性の高まる経済・社会環境のもとで地域のお客さまが直面するリスクと機会に真摯に向き合い、最適なソリューションを提供することで、ソリューションビジネスを主体に前年度を上回る力強い本業の収益力を実現していくとのこと。今後に期待ですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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