IHIは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)IHI【7013】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿ったIHIの評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・IHIは割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)IHI【7013】 の基本情報

・設立年月日 1889年1月17日
・上場年月日 1949年5月
・業種    機械
・特色    航空エンジン、大型ボイラー、ターボチャージャーに強い。持分にJFEとの造船合弁JMU。
・資本金   1,071億円
・従業員数  (単独)7,832人 (連結)28,363人
・株価    3,340円(2024.2.4)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

総合重工業グループとして、暮らしの中の道路や建物、交通システムから、各分野における最先端の技術・製品まで、「資源・エネルギー・環境」、「社会基盤・海洋」、「産業システム・汎用機械」、「航空・宇宙・防衛」の4分野で事業を展開しています。

1853年創設の日本初の近代的造船所「石川島造船所」を起源とし、造船で培った技術をもとに陸上機械、橋梁、プラント、航空エンジンなどに事業を拡大し、日本の近代化に大きな役割を果たしてきました。2007年にグローバルブランドの強化を促進するため、社名を「IHI」に変更しています。

なみ

日本国内におけるジェットエンジンでは60%を超えるトップシェアをもっています。

経営理念

「技術をもって社会の発展に貢献する」
「人材こそが最大かつ唯一の財産である」

グループビジョンには、「21世紀の環境、エネルギー、産業・社会基盤における諸問題を、ものづくり技術を中核とするエンジニアリング力によって解決し、地球と人類に豊かさと安全・安心を提供するグローバルな企業グループとなる。」を掲げ、ライフサイクルを通じた価値提供、バリューチェーン構築の視点で、持続的な高成長を実現する事業への変革を進めることを目指されています。

ではここからは、(株)IHIに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

機械100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額4177億1300万円(18位)
売上高1兆3529億円(6位)
純利益445億4500万円(10位)
純利益率3.3%(71位)
総資産2兆533億円(6位)
業績に関する各種項目

機械の中で売上高、総資産とも6位。利益率は低めで、純利益率は3.3%の71位。日本を代表する総合重工業グループの一社です。

事業規模は文句なし!

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆857億円
流動負債:8316億100万円
固定負債:6541億1200万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.31倍で基準未達
②は、固定負債6541億円 > 純流動資産2540億円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高く、基準未達です。

財務状況はNG!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2009年に赤字がありますが、ここ10年はしっかり利益を上げられており、問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2014年3月331億3300万円
2015年3月90億8200万円
2016年3月15億2900万円
2017年3月52億4700万円
2018年3月82億9100万円
2019年3月398億8900万円
2020年3月82億400万円
2021年3月130億9300万円
2022年3月660億6500万円
2023年3月445億4500万円
直近10年間の純利益

収益安定性は問題なし!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +179.8%となり、基準達成です。

年度EPS
2014年3月225.13円
2015年3月58.84円3年平均:98.0円
2016年3月9.9円
2017年3月33.98円
2018年3月53.71円
2019年3月258.53円
2020年3月53.93円
2021年3月88.13円
2022年3月439.77円3年平均:274.1円
2023年3月294.48円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性は文句なし!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、2017年と2021年が無配であり、基準未達です。

年度配当金配当利回り
2010年3月20円/株1.17%
2011年3月30円/株1.48%
2012年3月40円/株1.91%
2013年3月50円/株1.75%
2014年3月60円/株1.38%
2015年3月60円/株1.07%
2016年3月30円/株1.26%
2017年3月0円/株0%
2018年3月60円/株1.82%
2019年3月70円/株2.63%
2020年3月50円/株3.96%
2021年3月0円/株0%
2022年3月70円/株2.37%
2023年3月90円/株2.71%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

配当はNG!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」

Yahooファイナンスによると、2024年3月期が赤字見込みのため、PERは算出不可であり、基準未達です。

株価収益率はNG!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.40倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR はPERが算出不可のため基準未達です。

株価純資産倍率はNG!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高1兆3529億円
②財務状況×流動&固定負債多い
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+179.8%
⑤配当×2017年と2021年無配
⑥株価収益率×算出不可
⑦株価純資産倍率1.40倍
PER×PBRが算出不可
結果まとめ

財務状況と配当、株価収益率/純資産倍率の4項目で基準未達となり、

なみ

(株)IHIは割安株に該当しません!

という結果となりました。

流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高く、無配もあり、今期赤字見込みとなると厳しいですね。

これからのIHI

事業を「成長事業:航空エンジン・ロケット分野」「育成事業:クリーンエネルギー分野」「中核事業:資源・エネルギー・環境、社会基盤、産業システム・汎用機械分野」の3つに区分し、いずれについてもライフサイクルとバリューチェーンを強く意識しながら取り組む。

これまで進めてきたライフサイクルでの価値提供事業(ライフサイクルビジネス)やアンモニアバリューチェーン事業などへの取り組みに加え、今後は、持続的な高成長を実現する事業変革をより具体的かつ本格的に進めると同時に、劇的な環境変化へ対応可能な企業体質への変革を加速していくとのこと。今後に期待しましょう。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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