こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)T&Dホールディングス【8795】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿った東京海上ホールディングスの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・東京海上ホールディングスは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)T&Dホールディングス【8795】 の基本情報
・設立年月日 2004年4月1日
・上場年月日 2004年4月1日
・業種 保険業
・特色 生保持株会社。TKC等と提携し中小企業向けに強い大同生命、個人向け柱の太陽生命が中核。
・資本金 2,071億円
・従業員数 (単独)127人 (連結)20,487人
・株価 2,728円(2024.6.8)
・単元 100株
・決算 3月末日
主に太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命の3つの生命保険会社を傘下におく金融持株会社
2004年に太陽生命保険・大同生命保険の統括持株会社として設立され、同時に太陽・大同両社の子会社だったT&Dフィナンシャル生命保険の100%親会社になりました。
傘下の会社名の英語の頭文字(Taiyo Life&Daido Life)に絡ませつつ、「T」は挑戦である「Try」を、「D」は発見である「Discover」をそれぞれ意味しているそう。
Try & Discover(挑戦と発見)による価値の創造を通じて、人と社会に貢献するグループを目指します。
経営ビジョンには、「保険を通じて、“ひとり”から、世の中のしあわせをつくる。ていねいに向き合い、大胆に変えるグループへ。」
異なるビジネスモデルを有する生命保険3社が、それぞれの特化したマーケットにおいて独自性・専門性を発揮することで、グループ企業価値の安定的・持続的な向上に取り組まれています。
ではここからは、T&Dホールディングスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
保険業14社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆4458億円(5位) |
売上高 | 3兆2079億円(6位) |
純利益 | 987億7700万円(5位) |
純利益率 | 3.1%(7位) |
総資産 | 17兆2071億円(5位) |
保険業の中で売上高は6位、総資産は5位。利益率は中位で、純利益率は3.1%の7位、国内の大手生命保険会社の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:12兆9497億円
流動負債:15兆6667億円
固定負債:1200億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 0.83倍で基準未達、
②は、固定負債1200億円 > 純流動資産-2.7兆円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高いですね。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績で確認すると、2023年に大きな赤字がありますね。米金利上昇に伴い、海外の持ち分適用会社で大きな評価損が発生したとのこと。残念ながら基準未達です。
年度 | 純利益 |
2015年3月 | 942億1500万円 |
2016年3月 | 725億4700万円 |
2017年3月 | 751億8700万円 |
2018年3月 | 775億7700万円 |
2019年3月 | 728億2500万円 |
2020年3月 | 671億300万円 |
2021年3月 | 1085億1200万円 |
2022年3月 | 141億8000万円 |
2023年3月 | -1321億5000万円 |
2024年3月 | 987億7700万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -108.0%となり、残念ながら基準未達です。
年度 | EPS | |
2015年3月 | 141.35円 | |
2016年3月 | 111円 | 3年平均:123.4円 |
2017年3月 | 117.81円 | |
2018年3月 | 124.23円 | |
2019年3月 | 118.5円 | |
2020年3月 | 111.31円 | |
2021年3月 | 181.54円 | |
2022年3月 | 24.39円 | |
2023年3月 | -237.31円 | 3年平均:-9.93円 |
2024年3月 | 183.13円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 45円/株 | 2.03% |
2011年3月 | 45円/株 | 2.2% |
2012年3月 | 22.5円/株 | 2.35% |
2013年3月 | 22.5円/株 | 1.98% |
2014年3月 | 25円/株 | 2.04% |
2015年3月 | 25円/株 | 1.51% |
2016年3月 | 30円/株 | 2.86% |
2017年3月 | 32.5円/株 | 2.01% |
2018年3月 | 37.5円/株 | 2.22% |
2019年3月 | 42円/株 | 3.61% |
2020年3月 | 44円/株 | 4.98% |
2021年3月 | 46円/株 | 3.23% |
2022年3月 | 56円/株 | 3.35% |
2023年3月 | 62円/株 | 3.78% |
2024年3月 | 70円/株 | 2.69% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは13.90倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.03倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも14.32倍で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高3.2兆円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | △ | 2023年赤字 |
④収益成長性 | × | -108.0% |
⑤配当 | 〇 | 利回り2.69% |
⑥株価収益率 | 〇 | 13.90倍 |
⑦株価純資産倍率 | 〇 | 1.03倍 |
財務状況と収益安定性/成長性の3項目で基準未達となり、
(株)T&Dホールディングスは割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して負債の割合が高く、赤字もあって成長性も基準未達となれば仕方なしですね。
グループKPIとグループ成長戦略を新たに設定することにより、資本効率の向上を伴った成長ストーリーを推進していく。
経営戦略として、強固な経営基盤と競争優位性を確保するための5つの重点テーマと11の戦略方針を設定し、「資本効率の向上によるグループ収益の拡大」と「事業を通じた社会課題の解決」を目指すとのこと。今後に期待しましょう。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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