
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるコムシスホールディングス(株)【1721】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿ったコムシスホールディングス(株)【1721】の評価
どんな会社?
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・コムシスホールディングス(株)【1721】は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


コムシスホールディングス(株)【1721】の基本情報
・設立年月日 2003年9月29日
・上場年月日 2003年9月29日
・業種 建設業
・特色 電気通信工事で最大手。ネットワーク構築に強み。NTT系が売上高の5割強。社会システムも。
・資本金 100億円
・従業員数 (単独)2,762人 (連結)17,066人
・株価 2,442円(2022.5.24)
・単元 100株
・決算 3月末日


主な事業は、情報通信工事事業、電気設備工事事業及び情報処理関連事業等を行う子会社の経営管理 などです。通信建設業界のリーディングカンパニーとして情報通信の発展に貢献し、通信インフラの構築で培った技術とノウハウを活かし、電気・ガス・上下水道・道路などといった社会インフラからICTソリューションまで、社会をトータルで支える総合エンジニアリング企業への事業領域拡大に取り組まれています。
ではここからは、コムシスホールディングス(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
建設業194社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 3857億7600万円(11位) |
売上高 | 5890億2800万円(13位) |
営業利益 | 429億6300万円(11位) |
経常利益 | 440億3600万円(13位) |
純利益 | 292億800万円(11位) |
営業利益率 | 7.29%(43位) |
経常利益率 | 7.48%(49位) |
当期利益率 | 4.96%(57位) |
株主資本 | 3434億8900万円(15位) |
総負債 | 1805億7300万円(24位) |
総資産 | 5240億6200万円(17位) |
建設業の中ではそこまで目立つ順位ではないですが、売り上げ規模に対して利益率は少し控え目な印象です。それでも事業規模は文句なしのレベルです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2022年3月期の決算短信では、コムシスホールディングス(株)の流動資産は322,216百万円、流動負債は158,764百万円、固定負債は21,809百万円なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.03倍なので基準達成、
②は、固定負債21,809百万円 < 純流動資産163,452百万円 なので基準達成となり、
よって、①②とも基準達成となります。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
コムシスホールディングスの業績を確認すると、すごくきれいですね。全く赤字はなく、基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 132億8400万円 |
2014年3月 | 163億8900万円 |
2015年3月 | 167億6700万円 |
2016年3月 | 154億2000万円 |
2017年3月 | 144億8500万円 |
2018年3月 | 203億9000万円 |
2019年3月 | 280億1800万円 |
2020年3月 | 259億9400万円 |
2021年3月 | 293億5900万円 |
2022年3月 | 292億800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
コムシスホールディングスのIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が123.26円、直近の3年平均が223.73円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 81.5%であり、基準達成となります。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 91円 | |
2014年3月 | 136.07円 | 最初の3年平均:123.26円 |
2015年3月 | 142.71円 | |
2016年3月 | 136.74円 | |
2017年3月 | 129.95円 | |
2018年3月 | 178.63円 | |
2019年3月 | 230.09円 | |
2020年3月 | 202.97円 | |
2021年3月 | 232.72円 | 直近の3年平均:223.73円 |
2022年3月 | 235.5円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
コムシスホールディングスのIR情報を確認すると、毎年しっかり配当を出されており、基準達成です。増配もきっちりできています。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 20円/株 | 2.21% |
2011年3月 | 20円/株 | 2.38% |
2012年3月 | 20円/株 | 2.23% |
2013年3月 | 20円/株 | 1.75% |
2014年3月 | 25円/株 | 1.55% |
2015年3月 | 30円/株 | 2.02% |
2016年3月 | 35円/株 | 2.01% |
2017年3月 | 40円/株 | 2.01% |
2018年3月 | 50円/株 | 1.76% |
2019年3月 | 60円/株 | 1.99% |
2020年3月 | 75円/株 | 2.69% |
2021年3月 | 85円/株 | 2.49% |
2022年3月 | 95円/株 | 3.56% |
なお、株主優待は実施していません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは11.07倍、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.88倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も 9.74 で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高5890億円 |
②財務状況 | 〇 | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +81.5% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.56% |
⑥株価収益率 | 〇 | 11.07倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.88倍 |
全項目で基準達成となり、「コムシスホールディングス(株)は割安株には該当する」という結果となりました。電気通信工事の最大手であり、NTT系がお得意様であるという点は大きいですね。収益の安定性が抜群といえます。配当もしっかり増配しており、まさに「バリュー投資」にうってつけの優秀な銘柄といえますね。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。






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