大成建設は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである大成建設(株)【1801】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った 大成建設(株)【1801】の評価
 どんな会社?
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ 大成建設(株)【1801】は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

大成建設 (株)【1801】の基本情報

・設立年月日 1917年12月28日
・上場年月日 1957年9月
・業種    建設業
・特色    最大手ゼネコンの一角。非同族系。首都圏再開発から大型土木まで全方位展開。不動産開発も。
・資本金   1227億4215万円
・従業員数  (単独)8,671人 (連結)14,698人
・株価    3,840円(2022.5.24)
・単元    100株
・決算    3月末日

建築工事、土木工事、機器装置の設置工事、その他建設工事全般に関する企画、測量、設計、監理、施工、エンジニアリング、マネジメント及びコンサルティングをはじめ、日本の近代化や戦後の復興、経済成長、グローバル化といった社会の変化とともに、数多くのプロジェクトを手掛けられてます。

ではここからは、 大成建設(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

建設業194社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額8336億6100万円(4位)
売上高1兆5432億円(6位)
営業利益960億7700万円(6位)
経常利益1032億4700万円(6位)
純利益714億3600万円(5位)
営業利益率6.23%(67位)
経常利益率6.69%(67位)
当期利益率4.63%(67位)
株主資本8728億3500万円(6位)
総負債1兆833億円(6位)
総資産1兆9562億円(6位)
業績に関する各種項目

建設業の中でトップ6あたりの位置づけ。売り上げ規模に対して利益率は控え目です。やはり事業規模は文句なしのレベルです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信では、 大成建設(株)の流動資産は1,296,356百万円、流動負債は926,363百万円、固定負債は157,002百万円なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.40倍なので基準未達

②は、固定負債157,002百万円 < 純流動資産369,993百万円 なので基準達成となり、

よって、①が未達のため残念ながら基準未達となります。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

大成建設の業績を確認すると、最近少し失速気味ですがそれでも利益はしっかり。全く赤字はなく、基準達成です。

年度純利益
2013年3月200億5000万円
2014年3月 320億8900万円
2015年3月381億7700万円
2016年3月770億4500万円
2017年3月905億6600万円
2018年3月1267億8800万円
2019年3月1125億7100万円
2020年3月1220億8700万円
2021年3月925億5400万円
2022年3月714億3600万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

大成建設のIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が132.12円、直近の3年平均が455.55円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 244.8%であり、基準達成となります。

年度EPS
2013年3月87.92円
2014年3月140.86円最初の3年平均:132.12円
2015年3月167.58円
2016年3月329.27円
2017年3月392.87円
2018年3月561.36円
2019年3月511.9円
2020年3月573.13円
2021年3月442.65円直近の3年平均:455.55円
2022年3月350.88円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

大成建設のIR情報を確認すると、毎年しっかり配当を出されており、基準達成です。着実に増配されている点も素晴らしいですね。

年度配当金配当利回り
2010年3月25円/株2.43%
2011年3月25円/株2.44%
2012年3月25円/株2.31%
2013年3月25円/株1.93%
2014年3月30円/株1.3%
2015年3月40円/株1.18%
2016年3月80円/株2.15%
2017年3月100円/株2.47%
2018年3月125円/株2.31%
2019年3月130円/株2.53%
2020年3月130円/株3.93%
2021年3月130円/株3.04%
2022年3月130円/株3.68%
直近10年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待は3月末の権利確定で100株以上で軽井沢高原ゴルフ倶楽部の2000円相当のクーポン券2枚、1000株以上で5000円相当のクーポン券2枚がもらえますので、実質4%ちょっとの優待利回りがあることになります。

さらに工事請負代金・仲介手数料等割引クーポン券や、1000株以上なら簡易地震リスク診断申込書などももらえます。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは11.56倍、基準達成です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.89倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も 10.29 で基準達成です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高1兆5432億円
②財務状況流動負債多い
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+244.8%
⑤配当利回り3.68%+優待あり
⑥株価収益率11.56倍
⑦株価純資産倍率0.89倍
結果まとめ

財務状況のみ未達で、残念ながら「大成建設 (株)は割安株には該当しない」という結果となりました。ただ、流動負債と流動資産のバランスが少し基準に足りないだけでだけで、内容はかなり優秀で惜しいです。配当もしっかり増配できている点にも好感が持てます。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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