
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるダイワハウス工業(株)【1925】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿ったダイワハウス工業(株)【1925】の評価
どんな会社?
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ダイワハウス工業(株)【1925】は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


ダイワハウス工業(株)【1925】の基本情報
・設立年月日 1947年3月
・上場年月日 1961年9月
・業種 建設業
・特色 賃貸住宅、商業施設、物流など事業施設の3本柱。戸建てや内外の都市開発も。配当性向3割超。
・資本金 1,616億円
・従業員数 (単独)16,361人 (連結)49,389人
・株価 3,179円(2022.5.27)
・単元 100株
・決算 3月末日


事業内容は、戸建住宅をコア事業に、賃貸住宅、分譲マンション、商業施設、事業施設(物流施設、医療・介護施設等)、環境エネルギーなど幅広い事業を展開しています。
1955年、「建築の工業化」を企業理念に創業して以来、「人・街・暮らしの価値共創グループ」として、事業の川上から川下まで一気通貫の提案を可能とするグループ力で、絶えず変容する社会の要請に応えるため、国内のみならず海外においても地域に密着した事業を推し進め、弛まぬ努力で新たな価値創造に挑戦されています。
ではここからは、ダイワハウス工業(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
建設業194社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 2兆2572億円(1位) |
売上高 | 4兆4395億円(1位) |
営業利益 | 3832億5600万円(1位) |
経常利益 | 3762億4600万円(1位) |
純利益 | 2252億7200万円(1位) |
営業利益率 | 8.63%(26位) |
経常利益率 | 8.47%(36位) |
当期利益率 | 5.07%(52位) |
株主資本 | 2兆1113億円(1位) |
総負債 | 3兆4102億円(1位) |
総資産 | 5兆5216億円(1位) |
建設業の中で利益率以外はすべて第1位。建設業界の抜けた最大手です。この事業規模ですから営業利益率は少し控え目ながら8.63%と十分優秀です。もちろん事業規模は文句なしのレベルです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2022年3月期の決算短信では、ダイワハウス工業の流動資産は2,692,794百万円、流動負債は1,444,592百万円、固定負債は1,965,684百万円なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.86倍なので基準未達、
②は、固定負債1,965,684百万円 > 純流動資産1,248,202百万円 で基準未達となり、
思ったより負債が多いですね。①②とも基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
大和ハウス工業の業績を確認すると、特に2017年以降は2000億円を超える利益を安定して出しています。全く赤字はなく、基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 662億7400万円 |
2014年3月 | 1020億9500万円 |
2015年3月 | 1171億3300万円 |
2016年3月 | 1035億7700万円 |
2017年3月 | 2017億円 |
2018年3月 | 2363億5700万円 |
2019年3月 | 2374億3900万円 |
2020年3月 | 2336億300万円 |
2021年3月 | 1950億7600万円 |
2022年3月 | 2252億7200万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
大和ハウス工業のIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が149.76円、直近の3年平均が330.95円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 121.0%であり、基準達成となります。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 110.47円 | |
2014年3月 | 161.08円 | 最初の3年平均:149.76円 |
2015年3月 | 177.74円 | |
2016年3月 | 156.4円 | |
2017年3月 | 304.13円 | |
2018年3月 | 355.87円 | |
2019年3月 | 357.29円 | |
2020年3月 | 351.84円 | |
2021年3月 | 297.18円 | 直近の3年平均:330.95円 |
2022年3月 | 343.82円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
ダイワハウス工業のIR情報を確認すると、 毎年しっかり配当を出されており、基準達成です。連続増配もきっちりできている点も好印象ですね。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 17円/株 | 1.61% |
2011年3月 | 20円/株 | 1.96% |
2012年3月 | 25円/株 | 2.29% |
2013年3月 | 35円/株 | 1.92% |
2014年3月 | 50円/株 | 1.92% |
2015年3月 | 60円/株 | 2.86% |
2016年3月 | 80円/株 | 2.53% |
2017年3月 | 92円/株 | 2.88% |
2018年3月 | 107円/株 | 2.61% |
2019年3月 | 114円/株 | 3.24% |
2020年3月 | 115円/株 | 4.29% |
2021年3月 | 116円/株 | 3.58% |
2022年3月 | 126円/株 | 3.94% |
なお、株主優待は3月末の権利確定でダイワロイヤルホテルなど、全国の大和ハウスグループが運営する施設で利用できる共通利用券100株以上で1000円分、最大5000株以上で50,000円まで保有株数に応じた額の利用券がもらえます。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは9.56倍、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.03倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も 9.85 で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高4兆4395億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +121.0% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.94%+優待あり |
⑥株価収益率 | ◎ | 9.56倍 |
⑦株価純資産倍率 | 〇 | 1.03倍 |
財務状況が未達となり、残念ながら「大和ハウス工業(株)は割安株には該当しない」という結果となりました。事業規模は抜けた最大手なのですが、流動負債、固定負債とも多い印象なのが気がかりですね。配当もしっかり出されており、毎年連続増配されている点はすごく好感が持てます。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。






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