こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)ディーエヌエー【2432】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったディーエヌエーの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ディーエヌエーは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)ディーエヌエー【2432】 の基本情報
・設立年月日 1999年8月
・上場年月日 2005年2月16日
・業種 サービス業
・特色 ゲームSNSからスマホアプリに転換。任天堂と提携。自動車、医療関連も。傘下にプロ野球球団。
・資本金 103億円
・従業員数 (単独)-人 (連結)2,951人
・株価 1,731円(2023.7.25)
・単元 100株
・決算 3月末日
事業内容はゲーム、エンターテインメント、スポーツ、ライブストリーミング、ヘルスケア、オートモーティブ、Eコマース、その他。創業以来20年あまり、インターネットやAIを駆使し、「永久ベンチャー」の精神で挑戦を続け、エンターテインメント領域と社会課題領域の両軸で事業を展開されています。
モバイルゲーム開発・配信を主業としつつ、SNS運営や電子商取引サービスなどを行う。 また、傘下にプロ野球の横浜DeNAベイスターズ、プロバスケットボールの川崎ブレイブサンダースを保有しています。
ガラケー時代のモバイルゲームの初期から培ってきた実績やノウハウは強みといえますね。
一人ひとりに 創造を超えるDelightを
一人ひとりの人生を豊かにするエンターテインメント領域と日々の生活を営む空間と、時間をより快適にする社会課題領域の両軸の事業を展開するユニークな特性を生かし、世界に通用する新しいDelightを提供し続けることを目指されています。
ではここからは、(株)ディーエヌエーに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
サービス業100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1927億2800万円(28位) |
売上高 | 1349億1400万円(35位) |
営業利益 | 42億200万円(64位) |
経常利益 | 135億9500万円(31位) |
純利益 | 88億5700万円(30位) |
営業利益率 | 3.1%(84位) |
純利益率 | 6.6%(33位) |
総資産 | 3489億4200万円(16位) |
総負債 | 1149億4900万円(24位) |
サービス業の中で売上高は35位、総資産は16位。利益率は低めで、純利益率は6.6%の33位。永久ベンチャーの名の通り、様々な領域に挑戦し、事業展開し続けている企業です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1333億4100万円
流動負債:506億4800万円
固定負債:643億100万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 2.63倍で基準達成、
②も、固定負債643億円 < 純流動資産826億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も低く、財務状況は健全ですね。基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
ディエヌエーの業績を確認すると、2020年3月に赤字がありますね。主力のゲーム事業の収益低下を踏まえて大きな減損損失を計上したとのこと。利益も年によって凹凸が大きい印象であり、残念ながら基準未達です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 316億6100万円 |
2015年3月 | 149億5000万円 |
2016年3月 | 113億2500万円 |
2017年3月 | 308億2600万円 |
2018年3月 | 229億8100万円 |
2019年3月 | 127億900万円 |
2020年3月 | -491億6600万円 |
2021年3月 | 256億3000万円 |
2022年3月 | 305億3200万円 |
2023年3月 | 88億5700万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均 ) / 最初の3年平均 × 100 = 23.8%となり、惜しくも基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 242.56円 | |
2015年3月 | 115.35円 | 3年平均:145.6円 |
2016年3月 | 78.76円 | |
2017年3月 | 212.49円 | |
2018年3月 | 158.34円 | |
2019年3月 | 87.47円 | |
2020年3月 | -352.49円 | |
2021年3月 | 207.54円 | |
2022年3月 | 256.45円 | 3年平均:180.3円 |
2023年3月 | 76.77円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
ディーエヌエーのIR情報を確認すると、 毎年しっかり配当を出されており、基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 3,600円/株 | – |
2011年3月 | 34円/株 | 1.13% |
2012年3月 | 36円/株 | 1.57% |
2013年3月 | 50円/株 | 1.96% |
2014年3月 | 37円/株 | 1.98% |
2015年3月 | 20円/株 | 0.85% |
2016年3月 | 20円/株 | 1.03% |
2017年3月 | 32円/株 | 1.42% |
2018年3月 | 32円/株 | 1.67% |
2019年3月 | 40円/株 | 2.4% |
2020年3月 | 20円/株 | 1.69% |
2021年3月 | 32円/株 | 1.48% |
2022年3月 | 39円/株 | 2.1% |
2023年3月 | 20円/株 | 1.11% |
なお、株主優待は9月末の権利確定で以下がもらえます。
100株以上300株未満:横浜DeNAベイスターズオフィシャルグッズショップ10%オフクーポン1枚、川崎ブレイブサンダースオフィシャルショップ10%オフクーポン1枚、プロバスケットボール観戦チケット1枚
300株以上: 横浜DeNAベイスターズオフィシャルグッズショップ20%オフクーポン1枚、川崎ブレイブサンダースオフィシャルショップ20%オフクーポン1枚、プロバスケットボール観戦チケット3枚 、横浜DeNAベイスターズ公式戦ご招待(抽選)
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは21.76倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.87倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も18.93で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高1349億円 |
②財務状況 | 〇 | 問題なし |
③収益安定性 | △ | 2020年赤字 |
④収益成長性 | △ | +23.8% |
⑤配当 | 〇 | 利回り1.11%+優待あり |
⑥株価収益率 | × | 21.76倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.87倍 |
収益安定性と成長性、株価収益率の3項目で基準未達となり、
(株)ディーエヌエーは割安株には該当しません!
という結果となりました。
財務状況は健全なのですが、収益性が今一つ。その分PERも高くなってしまってますね。他社と比べると安定感が物足りない気もします。仕方ありません。
モバイルインターネット及び自社の強みを発揮できるその他の事業領域において、これまでの事業で蓄積した知見やノウハウを活かし、また、インターネットやAI等の技術を活用し、事業の創出・育成に取り組む。
エンターテイメント領域では、外部有力パートナーとの提携関係に基づくゲームタイトルの開発・運営や、グローバル市場も視野に入れたタイトル展開を行うそう。また、社会課題領域では、ポスト・コロナの世界に適応したスポーツ事業やまちづくりの進化や、興行にとどまらないまちの賑わい創出に向けた取り組みを推進されるとのこと。今後に期待ですね。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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