クラレは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)クラレ【3405】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)クラレ【3405】 の評価
 事業規模/財務状況/収益安定性/収益成長性/配当/株価収益率/株価純資産倍率
・(株)クラレ【3405】 は割安株なのか

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)クラレ【3405】 の基本情報

・設立年月日 1926年6月24日
・上場年月日 1949年5月
・業種    化学
・特色    高機能樹脂ポバール等とそれを加工した各種フィルムが柱。首位品多い。イソプレン、繊維等も。
・資本金   890億円
・従業員数  (単独)4,176人 (連結)11,353人
・株価    1,109円(2022.6.26)
・単元    100株
・決算    12月末日

クラレは当時の先端技術であった人造絹糸レーヨンを企業化することを目的に1926年に創立され、第二次世界大戦後の1950年には、初の国産合成繊維としてPVA繊維ビニロンの工業化に成功し、日本における化合繊産業の草創期を切り開きました。

「世のため人のため、人のやれないことをやる」という社会的責任と独自技術を追求する企業文化は、高分子・合成技術をベースとした高機能繊維、樹脂、化学品分野への業容拡大の推進力となり、液晶パネル偏光膜用ポバールフィルム、ガスバリアー性に優れた高機能性樹脂〈エバール〉、人工皮革〈クラリーノ〉など多様な製品を、日本国内のみならず世界各地で製造しています。生活・医療・環境など幅広い分野でオリジナリティーあふれる製品を提供している、ユニークな化学メーカーです。

ではここからは、(株)クラレに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

化学215社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額3772億1700万円(25位)
売上高6293億7000万円(21位)
営業利益722億5600万円(14位)
経常利益687億6500万円(16位)
純利益372億6200万円(18位)
営業利益率11.5%(47位)
純利益率5.9%(107位)
総資産1兆1300億円(14位)
負債5225億3300万円(14位)
業績に関する各種項目

化学の中で売上高は第21位。総資産は第14位で日経225企業の化学の中では中位といったところ。利益率は営業利益率が11.5%で業界47位と少し低めながら、それでも化学メーカーとして事業規模は文句なしのレベルです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年12月期の決算短信では、クラレの流動資産は480,904百万円、流動負債は238,626百万円、固定負債は283,906百万円なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 2.02倍で基準達成

②は、固定負債283,906百万円 > 純流動資産242,278百万円 で惜しくも基準未達となり、

よって、純流動資産に対して固定負債がわずかに多く、基準未達です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

クラレの業績を確認すると、2019年12月が赤字であり、基準未達です。2018年に米国子会社で発生した火災事故に関して、和解金や弁護士費用などの訴訟関連費用を特別損失として計上したのが主要因とのことです。

年度純利益
2013年3月287億9800万円
2014年3月 293億9000万円
2014年12月212億9600万円
2015年12月357億4900万円
2016年12月404億円
2017年12月544億5900万円
2018年12月335億6000万円
2019年12月-19億5600万円
2020年12月25億7000万円
2021年12月372億6200万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

クラレのIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が73.3円、直近の3年平均が36.7円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -49.9% となり、基準未達です。

年度EPS
2013年3月75.22円
2014年3月83.93円最初の3年平均:73.3円
2014年12月60.77円
2015年12月101.84円
2016年12月114.98円
2017年12月154.85円
2018年12月96.04円
2019年12月-5.66円
2020年12月7.47円直近の3年平均:36.71円
2021年12月108.32円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

クラレのIR情報を確認すると、毎年しっかり配当を出されており、基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月16円/株1.27%
2011年3月27円/株2.52%
2012年3月33円/株2.82%
2013年3月36円/株2.57%
2014年3月36円/株3.05%
2014年12月27円/株1.96%
2015年12月40円/株2.72%
2016年12月41円/株2.33%
2017年12月42円/株1.98%
2018年12月42円/株2.71%
2019年12月42円/株3.16%
2020年12月40円/株3.65%
2021年12月40円/株4%
直近10年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待は6月末の権利確定で1株以上保有の希望者にオリジナルカレンダー、12月末の権利確定で1,000株以上で3,000円相当(3年以上保有なら10,000円相当)のカタログギフトがもらえます。 1000株だと優待でプラス 0.3%程度の配当があることになりますね。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは8.43倍であり、基準達成です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.64倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も5.40で基準達成です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高6293億円
②財務状況×固定負債多い
③収益安定性×2019年赤字
④収益成長性×-49.9%
⑤配当利回り4%+優待あり
⑥株価収益率8.43倍
⑦株価純資産倍率0.64倍
結果まとめ

財務状況と収益安定性/成長性の3項目で基準未達となり、「(株)クラレは割安株には該当しない」という結果となりました。

財務状況はあと一歩のレベルなのですが、2019年の赤字が痛いですね。米国での訴訟関連費用はやはり馬鹿にならないものです。

あとは売上高の多くを化成品と樹脂事業に依存しており、同業他社と比較すると事業構成が偏っていることと、ここ数年利益の凹凸が大きい点も気になります。今後、将来の柱となりうる新たな事業を立ち上げていく必要がありそうです。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(S&P500、グロース、高配当)、J-REITが主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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