
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)SUMCO【3436】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)SUMCO【3436】 の評価
どんな会社?
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・(株)SUMCO【3436】 は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


(株)SUMCO【3436】 の基本情報
・設立年月日 1999年7月30日
・上場年月日 2005年11月17日
・業種 金属製品
・特色 旧住友金属と三菱マテリアルのシリコンウエハを統合、コマツ系も合流。半導体用世界首位級。
・資本金 1,990億円
・従業員数 (単独)4,168人 (連結)8,469人
・株価 1,695円(2022.7.1)
・単元 100株
・決算 12月末日


(株)SUMCOは住友と三菱のシリコンウェーハ事業が統合して創業した会社で、会社名はSilicon United Manufacturing COrporationoに由来し、世界シェア約3割、海外売上高比率約8割のシリコンウェーハ専業メーカーです。
シリコンウェーハは、私たちの暮らしを豊かにするあらゆる電子製品に搭載されている半導体の製造に欠かせない材料で、日常生活で目にすることはありませんが、表面を鏡面に磨き上げ、世界中のあらゆる物質の中で最も高い平坦度を誇り、微細な凹凸や微粒子を限界まで排除した、超平坦・超清浄な円板で、半導体の基盤(基板)材料です。
最先端の半導体には高度な技術が必要な最高品質のシリコンウェーハが必要であり、スマートフォン・パソコン・タブレットや各種ウェアラブルなどの情報端末、テレビ・エアコンなどの家電製品、自動車や電車といった乗り物に至るまで、私たちの身近にあるほとんどの電子機器に使われています。
SUMCOビジョンとして「技術で世界一の会社」「景気下降局面でも赤字にならない会社」「従業員が活き活きとした利益マインドの高い会社」「海外市場に強い会社」の4項目を策定し、成長産業であるシリコン業界において、トップのポジションを維持し続けています。
ではここからは、(株)SUMCOに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
金属製品92社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 6159億4400万円(2位) |
売上高 | 3356億7400万円(6位) |
営業利益 | 515億4300万円(2位) |
経常利益 | 511億700万円(2位) |
純利益 | 411億2000万円(3位) |
営業利益率 | 15.4%(6位) |
純利益率 | 12.2%(6位) |
総資産 | 7881億6500万円(3位) |
負債 | 2512億4300万円(3位) |
金属製品の中で売上高は第6位。総資産は第3位で日経225企業の金属製品の中でも最上位の1社。利益率はかなり高いですね。営業利益率が15.4%で業界6位、純利益率も12.2%と2位。もちろん事業規模は文句なしです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2022年12月期の決算短信では、SUMCOの流動資産は502,592百万円、流動負債は122,038百万円、固定負債は129,204百万円なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 4.12倍で基準達成、
②は、固定負債129,204百万円 < 純流動資産380,554百万円 で基準達成となり、
よって、いずれの基準も余裕でクリア、高いレベルで基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
SUMCOの業績を確認すると、2010~2012年は大きな赤字だったのですが、丁度2013年1月から全く赤字はなし。しっかりされてます。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年1月 | 34億2600万円 |
2013年12月 | 7億1500万円 |
2014年12月 | 162億8900万円 |
2015年12月 | 197億4700万円 |
2016年12月 | 65億8800万円 |
2017年12月 | 270億1600万円 |
2018年12月 | 585億8000万円 |
2019年12月 | 331億1200万円 |
2020年12月 | 255億500万円 |
2021年12月 | 411億2000万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
SUMCOのIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が26.4円、直近の3年平均が112.1円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 324.2% となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2013年1月 | 13.29円 | |
2013年12月 | 2.77円 | 最初の3年平均:26.4円 |
2014年12月 | 63.2円 | |
2015年12月 | 70.06円 | |
2016年12月 | 22.46円 | |
2017年12月 | 92.12円 | |
2018年12月 | 199.74円 | |
2019年12月 | 112.9円 | |
2020年12月 | 87.48円 | 直近の3年平均:112.1円 |
2021年12月 | 135.86円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
SUMCOのIR情報を確認すると、毎年しっかり配当を出されており、基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2013年1月 | 2円/株 | 0.21% |
2013年12月 | 1円/株 | 0.11% |
2014年12月 | 4円/株 | 0.23% |
2015年12月 | 20円/株 | 2.16% |
2016年12月 | 10円/株 | 0.66% |
2017年12月 | 28円/株 | 0.97% |
2018年12月 | 62円/株 | 5.05% |
2019年12月 | 35円/株 | 1.92% |
2020年12月 | 27円/株 | 1.19% |
2021年12月 | 41円/株 | 1.75% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは14.98倍であり、ギリ基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.27倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も19.02で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高3356億円 |
②財務状況 | ◎ | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +324.2% |
⑤配当 | 〇 | 利回り1.75% |
⑥株価収益率 | 〇 | 14.98倍 |
⑦株価純資産倍率 | 〇 | 1.27倍 |
全項目で基準達成となり、「(株)SUMCOは割安株には該当する」という結果となりました。株価収益率はギリギリクリアなので、株価がこれ以上が上がると厳しいですが、その点では今が買い時なのかもしれません。世界の半導体需要の拡大はまだまだ続きそうですし、高い世界シェアと参入障壁が大きい高い技術を持つSUMCOはその波に乗ってさらに発展していきそうです。 これは「バリュー投資」にうってつけの優秀な銘柄といえますね。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。






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