
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)ネクソン【3659】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)ネクソン【3659】 の評価
どんな会社?
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・(株)ネクソン【3659】 は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。


(株)ネクソン【3659】 の基本情報
・設立年月日 2002年12月18日
・上場年月日 2011年12月14日
・業種 情報・通信
・特色 韓国発祥、PC向けオンラインゲーム先駆、2000年に日本進出。中国、韓国経由の売上が過半。
・資本金 341億円
・従業員数 (単独)269人 (連結)6,808人
・株価 2,787円(2022.7.1)
・単元 100株
・決算 12月末日


ネクソンはPCのオンラインゲームやモバイルゲームの開発・配信・運用を行なっている企業です。例えば無料オンラインゲームの「メイプルストーリー(Maple Story)」は非常に有名で、ゲームに詳しくない人も名前だけは知っている人も多いのではないでしょうか。
PCオンラインゲームとモバイルゲームで100を超えるゲームタイトルを、日本、中国、韓国、北米、欧州と、190を超える国や地域においてローカライズした上で配信。それぞれの地域のユーザーの嗜好に合うようトライ&エラーを蓄積した結果、どの地域においても圧倒的な支持を受けており、同社のローカライゼーションは大きな強みといえます。
世界的にエンターテインメント業界は、一方向からインタラクティブ(双方向)型へと移行する転換期にあり、このような状況下でも、最新のテクノロジーを搭載した新規プラットフォームで新規コンテンツを提供し、次世代のエンターテインメント業界をリードしていくとのことです。
ではここからは、(株)ネクソンに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
情報・通信549社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 2兆4572億円(7位) |
売上高 | 2744億6200万円(22位) |
営業利益 | 915億4100万円(7位) |
経常利益 | 1354億7200万円(6位) |
純利益 | 1148億8800万円(5位) |
営業利益率 | 33.4%(24位) |
純利益率 | 41.9%(7位) |
総資産 | 1兆479億円(12位) |
負債 | 1596億100万円(23位) |
情報・通信の中で売上高は第22位。総資産は第12位で日経225企業の情報・通信の中でも上位の存在。利益率はさすがの高さ。営業利益率が33.4%、純利益率41.9%ってすごすぎ。もちろん事業規模は文句なしです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」。
2022年12月期の決算短信では、ネクソンの流動資産は643,553百万円、流動負債は70,684百万円、固定負債は88,917百万円なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 9.10倍で基準達成、
②は、固定負債88,917百万円 < 純流動資産572,869百万円 で基準達成となり、
よって、いずれの基準も余裕でクリア、高いレベルで基準達成です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
ネクソンの業績を確認すると、全く赤字はなし。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2012年12月 | 282億8300万円 |
2013年12月 | 301億3200万円 |
2014年12月 | 293億1600万円 |
2015年12月 | 551億3200万円 |
2016年12月 | 201億3300万円 |
2017年12月 | 567億5000万円 |
2018年12月 | 1076億7200万円 |
2019年12月 | 1156億6400万円 |
2020年12月 | 562億2000万円 |
2021年12月 | 1148億8800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
ネクソンのIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が33.5円、直近の3年平均が107.27円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 219.9% となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2012年12月 | 32.47円 | |
2013年12月 | 34.41円 | 最初の3年平均:33.5円 |
2014年12月 | 33.71円 | |
2015年12月 | 63.93円 | |
2016年12月 | 23.13円 | |
2017年12月 | 64.67円 | |
2018年12月 | 121.02円 | |
2019年12月 | 129.34円 | |
2020年12月 | 63.57円 | 直近の3年平均:107.3円 |
2021年12月 | 128.91円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
ネクソンのIR情報を確認すると、2011年、2017年、2018年が無配であり、残念ながら基準未達です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年12月 | 1.5円/株 | – |
2011年12月 | 0円/株 | 0% |
2012年12月 | 2.5円/株 | 0.58% |
2013年12月 | 5円/株 | 1.03% |
2014年12月 | 5円/株 | 0.89% |
2015年12月 | 5円/株 | 0.51% |
2016年12月 | 2.5円/株 | 0.3% |
2017年12月 | 0円/株 | 0% |
2018年12月 | 0円/株 | 0% |
2019年12月 | 2.5円/株 | 0.17% |
2020年12月 | 5円/株 | 0.16% |
2021年12月 | 7.5円/株 | 0.34% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは21.44倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは2.8倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBR も60.03で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高2744億円 |
②財務状況 | ◎ | 問題なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | ◎ | +219.9% |
⑤配当 | × | 2010年,2017年,2018年無配 利回り0.34% |
⑥株価収益率 | × | 21.44倍 |
⑦株価純資産倍率 | × | 2.8倍 |
配当と株価収益率、株価純資産倍率の3項目で基準未達となり、「(株)ネクソンは割安株に該当しない」という結果となりました。株価収益率はギリギリクリアなので、株価がこれ以上が上がると厳しいですが、配当をあまり出していない点と、PER/PBRが高すぎる=株価が高すぎる点が問題です。もう既に十分買われてしまっている感じですね。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。






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