日本製紙は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである日本製紙(株)【3863】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った日本製紙(株)【3863】 の評価
 事業規模/財務状況/収益安定性/収益成長性/配当/株価収益率/株価純資産倍率
・日本製紙(株)【3863】 は割安株なのか

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

日本製紙(株)【3863】 の基本情報

・設立年月日 1949年8月1日
・上場年月日 2013年4月1日
・業種    パルプ・紙
・特色    旧王子製紙のうち十條製紙を継承。製紙2位。家庭紙は「スコッティ」「クリネックス」ブランド。
・資本金   1,048億円
・従業員数  (単独)5,237人 (連結)16,129人
・株価    970円(2022.7.4)
・単元    100株
・決算    3月末日

日本製紙は、王子ホールディングスに次ぐ業界第二位の製紙会社です。前身企業は十條製紙、東北振興パルプ、山陽国策パルプ、大昭和製紙の4社で上記の順に合併し現在の形になっています。

新聞紙や家庭用品はもちろん、様々な業界で使われる機能性用紙なども作っており、製品の数は多岐にわたります。

主な事業は、紙、紙パック事業、液体用紙容器事業、ケミカル事業、エネルギー事業、アグリ事業、セルロースナノファイバー事業の6つに分けられます。この他にもレジャー施設の運営なども行っています。

特に紙事業では、洋紙、板紙、家庭紙の各製品は、生産・販売量と品質で国内業界をリードしており、国内生産体制の再構築を進める一方、アジア・環太平洋地域を中心に海外市場にも展開しています。

他にも、木から取り出したバイオマス燃料を利用し、電力の安定供給に貢献するエネルギー事業の強化であったり、植林研究で培った植物バイオ技術を生かし、人々の健康増進に貢献するアグリ事業、木質資源の新たな可能性を拓くセルロースなのファイバーの実用化に向けた取り組みなども積極的に進めています。

ではここからは、日本製紙(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

紙・パルプ25社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額1103億3400万円(5位)
売上高1兆450億円(2位)
営業利益120億9000万円(5位)
経常利益144億9000万円(5位)
純利益19億9000万円(9位)
営業利益率1.2%(21位)
純利益率0.2%(23位)
総資産1兆6392億円(2位)
負債1兆2006億円(1位)
業績に関する各種項目

紙・パルプの中で売上高は第2位。総資産も第2位で日経225企業の紙・パルプの業界2位。ただ利益率は残念ながらかなり低く、営業利益率が1.2%で業界21位、純利益率は0.2%で業界23位。。とはいえ事業規模は文句なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2022年3月期の決算短信では、日本製紙の流動資産は617,934百万円、流動負債は469,135百万円、固定負債は731,546百万円なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.32倍で基準未達

②は、固定負債731,546百万円 > 純流動資産148,799百万円 で基準未達となり、

よって、流動資産に対して流動/固定負債が多く、基準未達です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

日本製紙の業績を確認すると、2019年が赤字です。固定資産の減損損失などとして特別損失約200億円を計上した影響とのこと。これ以前の2010年~2012年も赤字でかなり厳しいですね。基準未達です。

年度純利益
2013年3月44億6800万円
2014年3月 227億7000万円
2015年3月231億8300万円
2016年3月24億2400万円
2017年3月83億9900万円
2018年3月78億4700万円
2019年3月-352億2000万円
2020年3月142億1200万円
2021年3月31億9600万円
2022年3月19億9000万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

日本製紙のIR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が145.1円、直近の3年平均が55.9円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -61.5% となり、基準未達です。

年度EPS
2013年3月38.43円
2014年3月196.67円 最初の3年平均:145.1円
2015年3月200.26円
2016年3月20.94円
2017年3月72.57円
2018年3月67.8円
2019年3月-304.34円
2020年3月122.88円
2021年3月27.67円直近の3年平均:55.9円
2022年3月17.23円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

日本製紙のIR情報を確認すると、2011年から2013年の3年間が無配であり、基準未達です。

年度配当金配当利回り
2010年3月17.5円/株-%
2011年3月0円/株0%
2012年3月0円/株0%
2013年3月0円/株0%
2014年3月40円/株2.06%
2015年3月50円/株2.77%
2016年3月60円/株3%
2017年3月60円/株3%
2018年3月60円/株3.02%
2019年3月30円/株1.31%
2020年3月40円/株2.6%
2021年3月40円/株3.02%
2022年3月40円/株3.85%
直近10年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待は3月末の権利確定で100株以上で自社グループ商品の詰め合わせがもらえます。相当額は不明ですが、1000円程度とするとでプラス 1%程度の配当があることになりますね。

優待品セットイメージ

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは56.32倍であり、基準未達です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.26倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も14.64で基準達成です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高1兆450億円
②財務状況×流動&固定負債多い
③収益安定性×2019年赤字
④収益成長性×-61.5%
⑤配当×2011年,2012年,2013年無配
利回り3.85%+優待あり
⑥株価収益率×56.32倍
⑦株価純資産倍率0.26倍
結果まとめ

財務状況、収益安定/成長性、配当、株価収益率の5項目で基準未達となり、「日本製紙(株)は割安株に該当しない」という結果となりました。流動資産に対して流動/固定負債が多いこと、度々赤字が出ていること、無配があることなど、課題が非常に多いですね。

紙・板紙の国内需要は近年急激に減退しているとのことで、今後も需要は戻らず、低位安定で推移すると想定されています。このような状況下で日本製紙は事業構造改革がなかなか進んでおらず、製紙業界の大手企業の中では一人負けの状態になっています。今後、バイオマス発電や家庭紙生産などへの転換が必要ですね。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(S&P500、グロース、高配当)、J-REITが主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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