こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである日本ガイシ(株)【5333】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿った日本ガイシの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・日本ガイシは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
日本ガイシ(株)【5333】 の基本情報
・設立年月日 1919年5月5日
・上場年月日 1949年5月
・業種 ガラス・土石製品
・特色 ガイシ世界一。セラミックス技術で排ガス用ハニカムや半導体装置用等多角化。森村グループ。
・資本金 700億円
・従業員数 (単独)4,780人 (連結)20,005人
・株価 1,909円(2023.11.5)
・単元 100株
・決算 3月末日
セラミック技術をコアテクノロジーとして、エネルギー(Energy)、エコロジー(Ecology)、エレクトロニクス(Electronics)の事業領域において、エンバイロメント事業、デジタルソサエティ事業、エネルギー&インダストリー事業を展開しています。時代のニーズを見据えて新たなセラミック技術の可能性に挑み続け、事業による収益の拡大とともに地球環境保全と社会への貢献を目指しています。
日本陶器合名会社(現・ノリタケカンパニーリミテド)からがいし製造部門を分割し、1919年(大正8年)設立され、100万ボルト(1,000 kV)の超高圧送電線用のがいしを世界で唯一製造している企業です。
数万種類の原料から最適なものを選定・組み合わせる材料技術と、独自の成形・焼成・加工などのプロセス技術が強みです。
社会に新しい価値を そして、幸せを
「独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する」ことを目指し、収益力向上、商品開花、DX推進、研究開発、ESG経営の「5つの変革」を重要課題と設定し、事業構成の転換に向けた取り組みを進めています。
ではここからは、日本ガイシ(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
ガラス・土石製品57社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 5849億5300万円(4位) |
売上高 | 5592億4000万円(6位) |
営業利益 | 667億6100万円(3位) |
純利益 | 550億4800万円(2位) |
営業利益率 | 11.9%(11位) |
純利益率 | 9.8%(9位) |
総資産 | 1兆829億円(3位) |
負債 | 3958億8000万円(4位) |
ガラス・土石製品の中で売上高は5位、総資産は4位。利益率はかなり高く、純利益率は11.3%の4位。ガイシの世界トップメーカーです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:5737億1800万円
流動負債:1495億700万円
固定負債:2372億1400万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 3.84倍で基準達成、
②は、固定負債2372億円 < 純流動資産4242億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合が低く、非常にきれいです。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2012年に赤字があるものの、ここ10年は赤字はなく、しっかりと利益を上げられています。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 270億4500万円 |
2015年3月 | 415億400万円 |
2016年3月 | 533億1600万円 |
2017年3月 | 363億7900万円 |
2018年3月 | 458億1400万円 |
2019年3月 | 355億600万円 |
2020年3月 | 271億3600万円 |
2021年3月 | 384億9600万円 |
2022年3月 | 708億5100万円 |
2023年3月 | 550億4800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均 ) / 最初の3年平均 × 100 = 40.8%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 82.82円 | |
2015年3月 | 127.1円 | 3年平均:124.4円 |
2016年3月 | 163.28円 | |
2017年3月 | 112.71円 | |
2018年3月 | 142.41円 | |
2019年3月 | 110.35円 | |
2020年3月 | 84.73円 | |
2021年3月 | 121.61円 | |
2022年3月 | 226.56円 | 3年平均:175.2円 |
2023年3月 | 177.47円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、配当はしっかり出ています。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 16円/株 | 0.84% |
2011年3月 | 20円/株 | 1.34% |
2012年3月 | 20円/株 | 1.69% |
2013年3月 | 20円/株 | 1.97% |
2014年3月 | 22円/株 | 1.02% |
2015年3月 | 28円/株 | 1.09% |
2016年3月 | 38円/株 | 1.83% |
2017年3月 | 40円/株 | 1.59% |
2018年3月 | 44円/株 | 2.4% |
2019年3月 | 50円/株 | 3.11% |
2020年3月 | 50円/株 | 3.53% |
2021年3月 | 30円/株 | 1.48% |
2022年3月 | 63円/株 | 3.59% |
2023年3月 | 66円/株 | 3.77% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは14.99倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.86倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も12.89で基準達成です。株価も手ごろですね。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高5592億円 |
②財務状況 | ◎ | 文句なし |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +40.8% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.77% |
⑥株価収益率 | 〇 | 14.99倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.86倍 |
全項目で基準達成となり、
日本ガイシ(株)は割安株には該当します!
という結果となりました。
財務状況もきれいで、収益も安定、成長性もしていて配当しっかり、PER/PBRも低く、優秀な割安株といえます。
今をいわば「第三の創業」と位置づけ、自己変革に取り組み、セラミック技術をコアに従来は困難とされるものを実現するとともに、そのキーデバイスが社会に実装されるところまで手掛けていくことにより、事業による社会への貢献を果たしていく。
現在の日本ガイシの事業構造は、自動車の排ガス用セラミックスなど内燃機関向けが大きな比重を占めています。EV化が進行する中、既存製品で継続的なリターンを得つつ、CO2の分離回収膜や超小型薄型電池など、カーボンニュートラルやデジタル社会関連の新たな技術と新製品の拡充に取り組んでいるそうで、今後これら新製品を順次市場投入していくとのこと。継続的な成長が期待できそうですね。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
👇👇👇ブログランキングに参加中 👇👇👇
👇押していただけると励みになります 👇
コメント