
こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)しずおかフィナンシャルグループ【5831】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。


・バリュー投資の7つの基準に沿った日本取引所グループの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・日本取引所グループは割安株なのか?



日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。


(株)しずおかフィナンシャルグループ【5831】 の基本情報
・設立年月日 2022年10月3日
・上場年月日 2022年10月3日
・業種 銀行業
・特色 地銀最上位級の静岡銀行が中核。傘下に証券やリース、コンサルなど。関連会社にマネックスG。
・資本金 900億円
・従業員数 (単独)2,688人 (連結)4,080人
・株価 1,072円(2023.2.5)
・単元 100株
・決算 3月末日


静岡銀行などを傘下に収める日本の金融持株会社で、2022年10月に静岡銀行の単独株式移転により設立されました。社名の「しずおかフィナンシャルグループ」には、静岡の地で創業し、これまで成長できたことへの感謝や、静岡に本拠を構える企業であることへの誇りが込めてられています。
1943年に「静岡三十五銀行」と「遠州銀行」が合併し誕生した静岡銀行と、静銀経営コンサルティング、静銀リース、静岡キャピタル、静銀ティーエム証券、持分法適用会社のマネックスグループを直接出資会社とし、グループ内の連携や、シナジーのさらなる強化等を図り、既存ビジネスの深化や新たな事業領域の拡大を推進されています。
地域とともに夢と豊かさを広げます。
地域とともに未来の夢を共有し、ほんとうの豊かさを実現していくという、しずおかフィナンシャルグループ、そしてそこで働くすべての人々の未来への指針を広く表明したものです。
また、「掲げるのは、地域と私たちの挑戦」というスローガンを定め、地域における総合金融グループとして質の高いサービスを提供し、顧客の暮らしと事業の夢の実現に貢献することを目指されています。
ではここからは、しずおかフィナンシャルグループに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
銀行業74社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
なお、設立間もないため前身である静岡銀行の2022年3月期の数字にて確認します。
時価総額 | 6730億9100万円(9位) |
売上高 | 2416億円(11位) |
営業利益 | -円(-位) |
経常利益 | 542億1900万円(11位) |
純利益 | 416億3500万円(11位) |
営業利益率 | -%(-位) |
純利益率 | 17.2%(15位) |
総資産 | 14兆9182億円(12位) |
負債 | 13兆8299億円(12位) |
銀行業の中で売上高は11位、総資産は12位。利益率はなかなか高く、純利益率は17.2%の15位、千葉銀行と同様、地方銀行の上位の一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2022年3月期の決算短信によると、
流動資産:2兆2758億円
流動負債:13兆3771億円
固定負債:4542億1600万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 0.17倍で基準未達、
②は、固定負債4542億円 > 純流動資産-11兆円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合もかなり高いです。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
設立間もないため、前身である静岡銀行の過去10年の業績で確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2013年3月 | 569億7000万円 |
2014年3月 | 467億2300万円 |
2015年3月 | 499億4300万円 |
2016年3月 | 479億900万円 |
2017年3月 | 292億7600万円 |
2018年3月 | 501億3000万円 |
2019年3月 | 468億7400万円 |
2020年3月 | 387億300万円 |
2021年3月 | 436億3800万円 |
2022年3月 | 416億3500万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
設立間もないため、前身である静岡銀行のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -9.8%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2013年3月 | 85.65円 | |
2014年3月 | 74.12円 | 3年平均:80.0円 |
2015年3月 | 80.3円 | |
2016年3月 | 77.8円 | |
2017年3月 | 47.99円 | |
2018年3月 | 83.71円 | |
2019年3月 | 79.31円 | |
2020年3月 | 67.19円 | |
2021年3月 | 76.02円 | 3年平均:72.2円 |
2022年3月 | 73.28円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
設立間もないため、前身である静岡銀行のIR情報を入手できる範囲で確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 13円/株 | 1.6% |
2011年3月 | 13円/株 | 1.89% |
2012年3月 | 13.5円/株 | 1.58% |
2013年3月 | 15円/株 | 1.42% |
2014年3月 | 15.5円/株 | 1.54% |
2015年3月 | 16円/株 | 1.33% |
2016年3月 | 20円/株 | 2.46% |
2017年3月 | 20円/株 | 2.21% |
2018年3月 | 21円/株 | 2.09% |
2019年3月 | 22円/株 | 2.61% |
2020年3月 | 22円/株 | 3.35% |
2021年3月 | 25円/株 | 2.87% |
2022年3月 | 26円/株 | 3.01% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは11.20倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.55倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも6.16で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | 〇 | 売上高2416億円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | × | -9.8% |
⑤配当 | ◎ | 利回り3.01% |
⑥株価収益率 | 〇 | 11.20倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.55倍 |
財務状況と収益安定性の2項目で基準未達となり、



(株)しずおかフィナンシャルグループは割安株に該当しません!
という結果となりました。
赤字もなく、配当もしっかりなのですが、これもあおぞら銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループと同じパターン、負債が多すぎます。やはり負債が多くなってしまう銀行業にとってこの評価指標は厳しいですね。仕方ありません。
10年ビジョン「地域の未来にコミットし、地域の成長をプロデュースする企業グループ」を掲げ、課題解決型企業グループへの変革に取り組む
持株会社体制になったことで、これまでの取り組みをより一層発展させ、持株会社体制移行の目的である「すべてのステークホルダーの価値の最大化」の実現に取り組むとのこと。今後に期待ですね。
というわけで現時点では、割安株に該当したのは以下の12社となります。
1. コムシスホールディングス【1721】
2. 積水ハウス【1928】
3. 宝ホールディングス【2531】
4. SUMCO【3436】
5. 東ソー【4042】
6. 日本ガイシ【5333
7. アマダ【6113】
8. 太陽誘電【6976】
9. 日東電工【6988】
10. ヤマハ発動機【7272】
11. 凸版印刷【7911】
12. クレディセゾン【8253】
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。


以上、皆さんの参考になれば幸いです。




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