こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)みずほフィナンシャルグループ【8411】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったみずほフィナンシャルグループの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・みずほフィナンシャルグループは割安株なのか?
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
(株)みずほフィナンシャルグループ【8411】 の基本情報
・設立年月日 2003年1月8日
・上場年月日 2003年3月12日
・業種 銀行業
・特色 3メガバンクの一角。旧富士、第一勧業、日本興業の3行が前身。銀行・信託・証券の連携加速。
・資本金 1兆4,040億円
・従業員数 (単独)24,838人 (連結)52,116人
・株価 3,013円(2024.5.2)
・単元 100株
・決算 3月末日
日本の大手銀行持株会社で、みずほフィナンシャルグループを親会社とするみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券などの金融関係の企業からなる企業グループです。
第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行およびその関連企業を合併・再編したことによって2000年に発足したみずほホールディングス(現:みずほフィナンシャルストラテジー)の子会社として2003年に発足、その後親子関係を逆転して、みずほグループの統括企業となりました。
<みずほ>は、『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』として、常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる知見を磨き最高水準の金融サービスをグローバルに提供することで、幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展にグループ一体となって貢献していく。
これらを通じ、<みずほ>は、いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける。
2013年から、ブランドスローガンとして「One MIZUHO」、当グループの経営戦略として「One MIZUHO戦略」(銀行・信託・証券一体戦略)を設定し、『日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、グローバルで開かれた総合金融グループ』となることを目指されています。
ではここからは、みずほフィナンシャルグループに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
銀行業78社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 7兆6500億円(3位) |
売上高 | 5兆7787億円(3位) |
純利益 | 5555億2700万円(3位) |
純利益率 | 9.6%(51位) |
総資産 | 271兆1486億円(3位) |
銀行業の中で売上高、総資産とも3位。利益率は中位で、純利益率は9.6%の51位、3大メガバンクの一角です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:103兆1888億円
流動負債:229兆5982億円
固定負債:15兆5266億円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 0.45倍で基準未達、
②は、固定負債15.5兆円 > 純流動資産-126.4兆円 で基準未達となり、
流動資産に対して流動/固定負債いずれの割合もかなり高く、基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績で確認すると、2009年に赤字がありますが、それ以降は毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 6884億1500万円 |
2015年3月 | 6119億3500万円 |
2016年3月 | 6709億4300万円 |
2017年3月 | 6035億4400万円 |
2018年3月 | 5765億4700万円 |
2019年3月 | 965億6600万円 |
2020年3月 | 4485億6800万円 |
2021年3月 | 4710億2000万円 |
2022年3月 | 5304億7900万円 |
2023年3月 | 5555億2700万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -23.5%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 281.77円 | |
2015年3月 | 251.12円 | 3年平均:267.8円 |
2016年3月 | 270.47円 | |
2017年3月 | 238.69円 | |
2018年3月 | 227.29円 | |
2019年3月 | 38.07円 | |
2020年3月 | 176.88円 | |
2021年3月 | 185.76円 | |
2022年3月 | 209.27円 | 3年平均:204.7円 |
2023年3月 | 219.2円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり出てますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 79.21円/株 | 4.32% |
2011年3月 | 59.41円/株 | 4.35% |
2012年3月 | 59.41円/株 | 4.44% |
2013年3月 | 59.41円/株 | 3.02% |
2014年3月 | 64.36円/株 | 3.19% |
2015年3月 | 75円/株 | 3.55% |
2016年3月 | 75円/株 | 4.46% |
2017年3月 | 75円/株 | 3.68% |
2018年3月 | 75円/株 | 3.93% |
2019年3月 | 75円/株 | 4.39% |
2020年3月 | 75円/株 | 6.05% |
2021年3月 | 75円/株 | 4.69% |
2022年3月 | 80円/株 | 5.11% |
2023年3月 | 85円/株 | 4.53% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは11.93倍であり、基準達成です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.77倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBRも9.19で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高5.8兆円 |
②財務状況 | × | 流動&固定負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | × | -23.5% |
⑤配当 | ◎ | 利回り4.53% |
⑥株価収益率 | 〇 | 11.93倍 |
⑦株価純資産倍率 | ◎ | 0.77倍 |
財務状況と収益安定性の2項目で基準未達となり、
(株)みずほフィナンシャルグループは割安株に該当しません!
という結果となりました。
赤字もなく、配当もしっかりなのですが、やはりあおぞら銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループと同じパターン、負債が多すぎます。やはり負債が多くなってしまう銀行業にとってこの評価指標は厳しいですね。仕方ありません。
新たな時代の顧客ニーズに対応して、顧客との新たなパートナーシップを構築していく『次世代金融への転換』を実現し、『来るべき時代において、顧客から今まで以上に必要とされ頼りにされる、より強力で強靭な金融グループ』となる
一方で、2002年からの度重なるみずほ銀行のシステムトラブルに対し、2021年11月26日付で金融庁より業務改善命令を受けています。金融グループとしての社会的役割と公共的使命に対し、一度失われた信頼を回復するのはなかなか大変だとは思いますが、今後いかに信頼回復を進めていけるか、日本を代表するメガバンクの取り組みに期待しましょう。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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