リクルートは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである(株)リクルートホールディングス【6098】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿った(株)リクルートHD【6098】 の評価
 どんな会社?
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・(株)リクルートHD【6098】 は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

(株)リクルートホールディングス【6098】 の基本情報

・設立年月日 1963年8月26日
・上場年月日 2014年10月16日
・業種    サービス業
・特色    求人情報検索エンジン「インディード」、生活情報分野の販促・人材メディア、人材派遣の3本柱。
・資本金   3.5億円
・従業員数  (単独)136人 (連結)51,434人
・株価    4,688円(2022.9.5)
・単元    100株
・決算    3月末日

リクルートホールディングスは、持株会社であり、株式会社リクルートや株式会社フロムエーキャリアなど、さまざまな企業を保有し、グループ会社の経営方針策定や経営管理を本業としています。

グループの事業体制は、「HRテクノロジー」「マッチング&ソリューション」「人材派遣」の3つの戦略ビジネスユニットで構成されています。

「HRテクノロジーSBU」では、2012年に買収したIndeedと、2018年に買収したGlassdoorで構成され、60か国以上でサービスを展開しており、先進的なテクノロジ ーを活用したオンライン求人プラットフォームの運営や、人材ビジネス に関するソリューションの提供により、個人ユーザーの求職活動と中小企業を含む企業の採用活動をサポートしています。

「マッチング&ソリューションSBU」では、販促領域と人材領域の2つの事業領域で構成されています。販促領域では、住宅・美容・結婚・旅行・飲食などの多様な分野において、個人ユーザーと企業クライアントを結ぶマッチングプラットフォームを提供しています。人材領域では、個人ユーザーの求職活動と企業クライアントの採用活動を支援するマッチングプラットフォームの運営と、人材紹介サービスなどを展開しています。

「人材派遣SBU」では、事務職派遣、製造業務・軽作業の派遣ならびに各種専門職の派遣などの総合的な人材派遣サービス事業を世界各国で展開しています。変化し続けるグローバルな労働市場環境において、求職者と企業のニーズに合わせて柔軟かつ多様な働き方を提供することに貢献しています。

基本理念を「私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。」とし、「Follow Your Heart」という世界観を目指して、個人と企業をつなぎ、より多くの選択肢を提供することを通して、「まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。」を実現することをミッションとされています。

ではここからは、(株)リクルートホールディングスに対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

サービス業519社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額7兆4128億円(1位)
売上高2兆8717億円(3位)
営業利益3789億2900万円(1位)
経常利益3827億4900万円(2位)
純利益2968億3300万円(2位)
営業利益率13.2%(122位)
純利益率10.3%(104位)
総資産2兆6897億円(4位)
負債1兆1196億円(4位)
業績に関する各種項目

サービス業の中で売上高は3位、総資産は4位。利益率も高く、純利益率は10.3%の104位。時価総額はサービス業のトップであり、事業規模は文句なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:1兆3920億5500万円
流動負債:7208億6400万円
固定負債:3987億8700万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.93倍で基準未達

②は、固定負債3987億8700万円 < 純流動資産6711億9100万円 で基準達成となり、

よって、流動資産に対して流動負債の割合がわずかに高く、惜しくも基準未達です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を出されており、赤字はありませんね。基準達成です。

年度純利益
2013年3月718億円
2014年3月 654億2100万円
2015年3月697億200万円
2016年3月645億3500万円
2017年3月1366億5400万円
2018年3月1516億6700万円
2019年3月1742億8000万円
2020年3月1798億8000万円
2021年3月1313億9300万円
2022年3月2968億3300万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が39.6円、直近の3年平均が123.3円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = 211.6%となり、基準達成です。

年度EPS
2013年3月39.8円
2014年3月36.26円 3年平均:39.6円
2015年3月42.6円
2016年3月38.09円
2017年3月81.33円
2018年3月90.79円
2019年3月104.31円
2020年3月108.27円
2021年3月79.83円3年平均:123.3円
2022年3月181.68円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年しっかり配当が出ています。基準達成です。ただ利回りは低いですね。

年度配当金配当利回り
2010年3月10円/株
2011年3月8.67円/株
2012年3月8.67円/株
2013年3月8.67円/株
2014年3月8.67円/株
2015年3月15.67円/株0.42%
2016年3月16.67円/株1.46%
2017年3月21.67円/株1.14%
2018年3月23円/株0.87%
2019年3月28円/株0.89%
2020年3月30円/株1.07%
2021年3月20円/株0.37%
2022年3月21円/株0.39%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは24.64倍であり、基準未達です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは4.7倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBR も115.81で基準未達です。これは株価が高すぎますね。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高2兆8717億円
②財務状況流動負債多い
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+211.6%
⑤配当利回り0.39%
⑥株価収益率×24.64倍
⑦株価純資産倍率×4.7倍
結果まとめ

財務状況と株価収益率、株価純資産倍率の3項目が基準未達となり、「(株)リクルートホールディングスは割安株に該当しない」という結果となりました。流動資産に対して流動負債の割合がわずかに高く、PERとPBRが高すぎますね。流動負債はともかく、これだけ株価が高いと割安株とはとても言えません。

リクルートのビジネスモデルである「リボンモデル」、これは就職や進学など必要な情報を求める個人ユーザーと企業クライアントが出会う場を作り、より多くの最適なマッチングを実現する様子を表したもので、リクルートが創業以来大切にし続けている考え方。

このモデルはさまざまな事業に適用可能であり、ある意味ビジネスにおける必勝の「型」を持っていることになります。これが市場に評価され、この株価の高さにつながっているんでしょうね。これからも盤石、という印象です。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

の6社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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