NTNは割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるNTN(株)【6472】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること
・バリュー投資の7つの基準に沿ったNTN(株)【6472】 の評価
 どんな会社?
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・NTN(株)【6472】 は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株は何か?を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

NTN(株)【6472】 の基本情報

・設立年月日 1934年3月19日
・上場年月日 1949年5月
・業種    機械
・特色    ベアリング大手3社の一角。等速ジョイントは世界シェア2位、ハブベアリングは世界トップ。
・資本金   6,420億円
・従業員数  (単独)5,814人 (連結)23,490人
・株価    278円(2022.9.17)
・単元    100株
・決算    3月末日

NTNは、ベアリング(軸受)やドライブシャフト(CVJ)などの研究・開発、生産、販売を行う精密機器メーカーで、2018年に創業100周年を迎えました。主力商品のベアリングは機械の回転を支える重要かつ精密な部品で、自動車や風力発電装置、鉄道車両などあらゆる機械に使用され、世界中の人々の生活を支えています。

NTNが目指しているのは持続可能な「なめらかな社会」。

「なめらかな社会」とは、人と自然が調和し、人々が安心して豊かに暮らせる社会を意味しています。1918年の創業当初から大切にしてきた、挑戦し続ける「開拓者精神」と、社会とともに発展する「共存共栄精神」は、現在まで受け継がれ、NTNのDNAとして企業理念に込められています。

なかなか印象に残る、おもしろいキャッチフレーズですね。

ではここからは、NTN(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

機械229社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額1475億8400万円(32位)
売上高6420億2300万円(12位)
営業利益68億8000万円(54位)
経常利益68億1500万円(59位)
純利益73億4100万円(49位)
営業利益率1.1%(210位)
純利益率1.1%(204位)
総資産8958億4300万円(12位)
負債6632億9800万円(8位)
業績に関する各種項目

機械の中で売上高、総資産とも12位。利益率はかなり低く、純利益率は1.1%の204位。それでもベアリング業界でトップクラスの一社。事業規模は文句なしです。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「年内に現金になる資産(流動資産)が、年内に支払うべき負債(流動負債)の2倍以上であること」。 また、②「来年以降に支払うべき負債(長期負債=固定負債)が、流動資産からすべての負債を差し引いた純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:5436億700万円
流動負債:3758億9300万円
固定負債:2874億500万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.45倍で基準未達

②も、固定負債2874億500万円 > 純流動資産1677億1400万円 で基準未達となり、

よって、流動資産に対して流動/固定いずれの負債の割合も高く、基準未達です。

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2013年、2014年、2019年、2020年、2021年の5回赤字がありますね。特に赤字額の多かった2020年3月は新型コロナの感染拡大で国内外の工場の稼働率が低下したうえ、機械設備に関連して290億円の減損損失を計上したとのこと。残念ながら基準未達です。

年度純利益
2013年3月-141億9500万円
2014年3月 -146億4800万円
2015年3月233億5200万円
2016年3月150億3700万円
2017年3月28億3000万円
2018年3月203億7300万円
2019年3月-69億5800万円
2020年3月-439億9200万円
2021年3月-116億4100万円
2022年3月73億4100万円
直近10年間の純利益

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

IR情報を確認すると、EPSの最初の3年平均が-3.4円、直近の3年平均が-39.5円なので、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -1052.3%となり、基準未達です。

年度EPS
2013年3月-26.66円
2014年3月-27.54円 3年平均:-3.4円
2015年3月43.91円
2016年3月28.28円
2017年3月5.33円
2018年3月38.36円
2019年3月-13.1円
2020年3月-82.82円
2021年3月-21.92円3年平均:-39.5円
2022年3月13.83円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、2013年、2021年、2022年が無配ですね。残念ながら基準未達です。

年度配当金配当利回り
2010年3月8円/株1.9%
2011年3月10円/株2.51%
2012年3月10円/株2.86%
2013年3月0円/株0%
2014年3月2円/株0.57%
2015年3月6円/株0.94%
2016年3月10円/株2.79%
2017年3月10円/株1.81%
2018年3月15円/株3.38%
2019年3月15円/株4.57%
2020年3月5円/株2.65%
2021年3月0円/株0%
2022年3月0円/株0%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待はありません。

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは14.76倍であり、基準達成です。

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBR(株価純資産倍率)が1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは0.69倍であり、①のPBRは基準達成です。

②のPER × PBR も10.18で基準達成です。

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高6420億円
②財務状況×流動&固定負債多い
③収益安定性×2013年,2014年,2019年,2020年,2021年赤字
④収益成長性×-1052.3%
⑤配当×2013年,2021年,2022年無配
⑥株価収益率14.76倍
⑦株価純資産倍率0.69倍
結果まとめ

財務状況と収益安定性/成長性、配当の4項目で基準未達となり、「NTN(株)は割安株に該当しない」という結果となりました。流動資産に対して流動/固定負債の割合が高い上、赤字が10年中5年、配当も無配が3年もありますからね。なかなか厳しいです。

やはり課題は利益率の低さ。中期経営計画「DRIVE NTN100」Phase2でも財務体質の改善を目指しており、変動費と固定費抑制による損益分岐点の引き下げに取り組んでおり、また投資効率の追求によってキャッシュフローの最大化にも取り組むとのこと。

現下の半導体の供給不足や物流費の高騰、急激に進むインフレ、紛争リスクの上昇等、急激かつ大幅な経営環境の変化に「なめらか」に対応できる企業体質の構築が期待されます。

というわけで現時点では、

「バリュー投資」の7つの基準をすべてクリアしているのは、

 ・コムシスホールディングス【1721】

 積水ハウス【1928】

 ・宝ホールディングス【2531】

 ・SUMCO【3436】

 ・東ソー【4042】

 ・日本ガイシ【5333】

 アマダ【6113】

の7社となりました。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

某メーカー勤務のエンジニア。化学工学修士。FP3級×簿記2級。妻と子供2人。お酒が大好きな関西人。週末はヨガ、筋トレ、サウナに励み、最近は料理も趣味。現在FP2級を勉強中。

2019年9月から投資をスタート。米国株式ETF(VOO、VTI、セクター、グロース、高配当)が主な投資先。投資資産1500万円突破。いつか億り人&サイドFIREを夢見て試行錯誤の毎日です。

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