こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つであるミネベアミツミ(株)【6479】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿ったミネベアミツミの評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・ミネベアミツミは割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
ミネベアミツミ(株)【6479】 の基本情報
・設立年月日 1951年7月16日
・上場年月日 1961年10月
・業種 電気機器
・特色 極小ベアリングで世界シェア6割。モーターやアナログ半導体も。2017年ミツミ電機と経営統合。
・資本金 682億円
・従業員数 (単独)-人 (連結)88,026人
・株価 2,699.5円(2023.12.10)
・単元 100株
・決算 3月末日
ミネベアの強みであるボールベアリング、航空機用ロッドエンドベアリングやピボットアッセンブリーなどの機械加工品事業、モーター、ライティングデバイス、計測機器などの電子機器事業と、ミスミ電機の強みであった半導体デバイスや光デバイス、機構部品、高周波部品、電源部品事業を展開されています。
ミネベアの超精密機械加工技術と、ミツミ電機のエレクトロニクス技術を融合させた既存事業のさらなる拡大や、新たな戦略分野への挑戦を進めています。
ミニチュア・小径ボールベアリングをはじめ、航空機用ロッドエンドベアリング、HDD用ピボットアッセンブリー、薄型LEDバックライト、リチウムイオン2次電池用保護ICなど様々な製品で世界トップシェアとなっています。
より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで
持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する
コーポレートスローガンには、「常識を超えた「違い」による新しい価値の創造」を掲げ、幅広い製品群に加え、ミネベアの超精密機械加工技術とミツミのエレクトロニクス技術を融合させた新製品などにより、他社にはない強みを発揮することを目指されています。
ではここからは、ミネベアミツミ(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
電気機器100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 1兆966億円(23位) |
売上高 | 1兆2922億円(19位) |
営業利益 | 1015億2200万円(14位) |
純利益 | 770億1000万円(16位) |
営業利益率 | 7.9%(43位) |
純利益率 | 6.0%(45位) |
総資産 | 1兆4227億円(18位) |
負債 | 7355億8600万円(14位) |
電気機器の中で売上高は19位、総資産は18位。利益率は中位で、純利益率は6.0%の45位。小径ボールベアリングでは世界トップシェアです。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:7326億9200万円
流動負債:4393億6200万円
固定負債:2213億4100万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.67倍で基準未達、
②は、固定負債2213億円 < 純流動資産2933億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債の割合が高く、残念ながら基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、毎年しっかり利益を上げられており問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 208億7800万円 |
2015年3月 | 398億8700万円 |
2016年3月 | 363億8600万円 |
2017年3月 | 522億9300万円 |
2018年3月 | 503億2600万円 |
2019年3月 | 601億4200万円 |
2020年3月 | 459億7500万円 |
2021年3月 | 387億5900万円 |
2022年3月 | 689億3500万円 |
2023年3月 | 768億1800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +74.0%となり、基準達成です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 55.94円 | |
2015年3月 | 106.73円 | 3年平均:86.6円 |
2016年3月 | 97.26円 | |
2017年3月 | 136.4円 | |
2018年3月 | 119.61円 | |
2019年3月 | 143.9円 | |
2020年3月 | 111.11円 | |
2021年3月 | 94.95円 | |
2022年3月 | 170.08円 | 3年平均:150.7円 |
2023年3月 | 187.16円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年きっちり配当が出ていますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 7円/株 | 1.23% |
2011年3月 | 7円/株 | 1.53% |
2012年3月 | 7円/株 | 1.94% |
2013年3月 | 7円/株 | 2.21% |
2014年3月 | 8円/株 | 0.87% |
2015年3月 | 12円/株 | 0.63% |
2016年3月 | 20円/株 | 2.28% |
2017年3月 | 14円/株 | 0.94% |
2018年3月 | 26円/株 | 1.14% |
2019年3月 | 28円/株 | 1.68% |
2020年3月 | 28円/株 | 1.73% |
2021年3月 | 36円/株 | 1.27% |
2022年3月 | 36円/株 | 1.34% |
2023年3月 | 40円/株 | 1.59% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは18.98倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.62倍であり、①のPBRは基準未達です。
②のPER × PBR は30.75で基準未達です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高1兆2922億円 |
②財務状況 | △ | 流動負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | 〇 | +74.0% |
⑤配当 | 〇 | 利回り1.59% |
⑥株価収益率 | △ | 18.98倍 |
⑦株価純資産倍率 | △ | 1.62倍 |
財務状況と株価収益率、株価純資産倍率の3項目で基準未達となり、
ミネベアミツミ(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して流動負債の割合がちょっと高く、株価も高いですね。
グループが保有する機械加工製品技術、電子機器製品技術、ユーシン・ミネベア アクセスソリューションズの車載技術、ミツミ・エイブリックの半導体技術との融合により、次世代に向けた新製品開発、複合製品事業の拡大を進める。
「経営の本質はサステナビリティ」を信念とし、継続的な成長と持続可能性を追求しつつも、利益の最大化とリスクマネジメントに努めており、「選択と集中」ではなく、8本槍戦略を軸とした多角的な事業ポートフォリオの構築とリスク分散体制の強化を進めています。
さらに地域的なリスク検討を行いながら、大規模な海外量産工場の展開とグローバルな研究開発体制の整備、M&A、アライアンスを通じて、収益力の向上、企業価値の拡大を積極的に進めるとのこと。かなり攻めの姿勢が見えますね。今後このあたりの成果がどこまで得られるかに期待です。
これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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