こんにちは、なみです。
今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである三菱電機(株)【6503】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。
・バリュー投資の7つの基準に沿った三菱電機の評価
事業規模は?
資産と負債のバランスは?
収益の安定性と成長性は?
配当はしっかり出てるのか?
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・三菱電機は割安株なのか?
あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。
日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?
を探し当てるためのご参考にしてください。
ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。
三菱電機(株)【6503】 の基本情報
・設立年月日 1921年1月15日
・上場年月日 1949年5月
・業種 電気機器
・特色 総合電機大手。FA、自動車機器や昇降機が収益柱。パワー半導体や空調「霧ヶ峰」など家電も。
・資本金 1,758億円
・従業員数 (単独)35,136人 (連結)149,655人
・株価 1,989円(2023.12.11)
・単元 100株
・決算 3月末日
日本の大手総合電機メーカーであり、三菱電機グループの中核企業です。一般消費者向けの家電から重電、人工衛星まで幅広い製品を販売しており、FA機器、昇降機(エレベーターなど)、タービン発電機、鉄道車両用電機品、パワー半導体、人工衛星など多くの産業用電気機器で国内トップシェアを誇ります。
同社は、1921年に三菱重工業の電機部門である三菱造船電機製作所から分離独立する形で設立されました。三菱重工と同様に宇宙・防衛エレクトロニクス分野に強みを持っており、MISTY1やKASUMIなどの開発や実装の実績による暗号化技術は世界トップレベルです。
歴史ある幅広い技術を有し、多くの事業を展開していることにより、技術・事業の組み合わせができる点が強みですね。
たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します
コミットメントとして挙げている”Changes for the Better”は「常により良いものをめざし、変革していきます」という三菱電機グループの姿勢を意味するもので、ひとりひとりが変革へ挑戦し続けていく強い意志と情熱を共有し、『もっと素晴らしい明日』を切り拓いていくことを約束されています。
ではここからは、三菱電機(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。
①事業規模
事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」。
日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。
電気機器100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。
時価総額 | 4兆1016億円(7位) |
売上高 | 5兆36億円(4位) |
営業利益 | 2623億5200万円(8位) |
純利益 | 2139億800万円(9位) |
営業利益率 | 5.2%(68位) |
純利益率 | 4.3%(59位) |
総資産 | 5兆7112億円(5位) |
負債 | 2兆1709億円(5位) |
電気機器の中で売上高は4位、総資産は5位。利益率は低めで、純利益率は4.3%の59位。三菱グループであり、日本の大手総合電機メーカーの一社です。
②財務状況
次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」。
2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:3兆3881億円
流動負債:1兆8028億円
固定負債:4164億6900万円 なので、
①は、流動資産 / 流動負債 = 1.88倍で基準未達、
②は、固定負債4164億円 < 純流動資産1兆5853億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債の割合が若干高く、残念ながら基準未達です。
③収益安定性
収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」 。
過去10年の業績を確認すると、2009年に一度赤字が出ていますが、ここ10年は毎年しっかり利益を上げられています。問題ありません。基準達成です。
年度 | 純利益 |
2014年3月 | 1534億7300万円 |
2015年3月 | 2346億9400万円 |
2016年3月 | 2284億9400万円 |
2017年3月 | 2104億9300万円 |
2018年3月 | 2557億5500万円 |
2019年3月 | 2266億4800万円 |
2020年3月 | 2218億3400万円 |
2021年3月 | 1931億3200万円 |
2022年3月 | 2034億8200万円 |
2023年3月 | 2139億800万円 |
④収益成長性
収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」。
過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = -0.2%となり、基準未達です。
年度 | EPS | |
2014年3月 | 71.49円 | |
2015年3月 | 109.32円 | 3年平均:95.8円 |
2016年3月 | 106.43円 | |
2017年3月 | 98.07円 | |
2018年3月 | 119.19円 | |
2019年3月 | 105.65円 | |
2020年3月 | 103.41円 | |
2021年3月 | 90.03円 | |
2022年3月 | 95.41円 | 3年平均:95.6円 |
2023年3月 | 101.3円 |
⑤配当
配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」。
入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年きっちり配当が出ていますね。基準達成です。
年度 | 配当金 | 配当利回り |
2010年3月 | 4円/株 | 0.47% |
2011年3月 | 12円/株 | 1.22% |
2012年3月 | 12円/株 | 1.64% |
2013年3月 | 11円/株 | 1.45% |
2014年3月 | 17円/株 | 1.46% |
2015年3月 | 27円/株 | 1.89% |
2016年3月 | 27円/株 | 2.29% |
2017年3月 | 27円/株 | 1.69% |
2018年3月 | 40円/株 | 2.35% |
2019年3月 | 40円/株 | 2.81% |
2020年3月 | 40円/株 | 3% |
2021年3月 | 36円/株 | 2.13% |
2022年3月 | 40円/株 | 2.84% |
2023年3月 | 40円/株 | 2.53% |
なお、株主優待はありません。
⑥株価収益率
株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPERは16.11倍であり、基準未達です。
⑦株価純資産倍率
株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」。
Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.22倍であり、①のPBRは基準達成です。
②のPER × PBR も19.65で基準達成です。
まとめ
今回の結果をまとめると以下の通りとなります。
項目 | 評価結果 | 備考 |
①事業規模 | ◎ | 売上高5兆36億円 |
②財務状況 | △ | 流動負債多い |
③収益安定性 | 〇 | 赤字なし |
④収益成長性 | × | -0.2% |
⑤配当 | 〇 | 利回り2.53% |
⑥株価収益率 | △ | 16.11倍 |
⑦株価純資産倍率 | 〇 | 1.22倍 |
財務状況と収益成長性、株価収益率の3項目で基準未達となり、
三菱電機(株)は割安株に該当しません!
という結果となりました。
流動資産に対して流動負債の割合が高く、成長性も今一つ、株価も少し割高ということで、仕方なしですね。
社会変化に対応したビジネスモデル変革をスピーディに実行するためのビジネスエリア(BA)経営体制をさらに進化・発展させ、事業本部の壁を越えたシナジー発揮による社会課題の解決、ポートフォリオの見直し、BA内各事業の特性に応じた最適な組織・体制の整備などを加速する。
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これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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