富士電機は割安株なのか?バフェット流「バリュー投資の7つの基準」で日経225銘柄を評価!

なみ

こんにちは、なみです。

今回の記事では、日経225構成銘柄の1つである富士電機(株)【6504】について、ベンジャミン・グレアムが提唱した「バリュー投資」の7つの基準に沿って評価してみました。

この記事でわかること

・バリュー投資の7つの基準に沿った富士電機の評価
 事業規模は?
 資産と負債のバランスは?
 収益の安定性と成長性は?
 配当はしっかり出てるのか?
 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)はどの程度か?
・富士電機は割安株なのか?

あくまでIR情報などから機械的に評価したものですから、個人的な思いや先入観などは入っておらず、特定の企業を持ち上げたり卑下する意図はありませんのでご了承ください。

なみ

日経225企業の中で、あなたが投資すべき割安株はどれか?

を探し当てるためのご参考にしてください。

ちなみに、これまで評価した結果一覧は以下のページにまとめていますので、よろしければあわせてこちらもご覧ください。

目次

富士電機(株)【6504】 の基本情報

・設立年月日 1923年8月29日
・上場年月日 1949年5月
・業種    電気機器
・特色    重電大手。パワエレ機器や自販機、パワー半導体に強み。発電設備は海外中心、収益は下期偏重。
・資本金   475億円
・従業員数  (単独)10,786人 (連結)27,464人
・株価    5,950円(2023.12.11)
・単元    100株
・決算    3月末日

こんな会社

大型電気機器を主力製品とする日本の重電機メーカーの1社で、自動販売機の分野では国内1位のシェアを持ち、その技術力を駆使して最近は日本コカ・コーラと共同開発したピークシフト自動販売機、セブン-イレブン・ジャパンと共同開発した同社店舗内セブンカフェ用コーヒードリップマシン、JR東日本グループと共同開発した次世代自動販売機などを世に送り出しています。

重電8社(日立製作所・東芝・三菱電機・富士電機・明電舎・日新電機・ダイヘン・東光高岳)の一角で、業界では4位に位置しています。発電関連設備にも強く、特に地熱発電分野では世界一のシェア(4割)持っており、長年「電気を自在に操る技術」に長けて来た企業として、スマートグリッドの展開にも積極的です。

なみ

古河機械金属・古河電気工業・富士通とともに古河グループの中核企業の一社です。

基本理念

地球社会の良き企業市民として、地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします

企業スローガンに「熱く、高く、そして優しく」、ブランドステートメントには「Innovating Energy Technology」を掲げ、電気、熱エネルギー技術の革新の追求により、エネルギーを最も効率的に利用できる製品を創り出し、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献することを目指されています。

ではここからは、富士電機(株)に対してバリュー株投資の7つの基準に沿って評価していきます。

①事業規模

事業規模の評価基準は、「小型株をできるだけ除外する」

日経225企業の一社ですので。事業規模は十分なのですが、一応業種の中での規模感を見ておきます。

電気機器100社の中での各項目のランキングは以下の通りです。

時価総額8371億3900万円(27位)
売上高1兆94億円(20位)
営業利益888億8200万円(18位)
純利益613億4800万円(18位)
営業利益率8.8%(37位)
純利益率6.1%(42位)
総資産1兆1729億円(21位)
負債5771億7400万円(17位)
業績に関する各種項目

電気機器の中で売上高は20位、総資産は21位。利益率はまずまずで、純利益率は6.1%の42位。日本の大手重電機メーカーの1社です。

②財務状況

次は財務状況。評価基準は、①「流動資産が流動負債の2倍以上であること」。 また、②「固定負債が純流動資産を超えていないこと」

2023年3月期の決算短信によると、
流動資産:7135億5300万円
流動負債:4468億2600万円
固定負債:1626億5700万円 なので、

①は、流動資産 / 流動負債 = 1.60倍で基準未達
②は、固定負債1626億円 < 純流動資産2667億円 で基準達成となり、
流動資産に対して流動負債の割合が若干高く、残念ながら基準未達です。

財務状況はNG!

③収益安定性

収益安定性の基準は、「最低でも10年間赤字がないこと」

過去10年の業績を確認すると、2009年に一度赤字が出ていますが、ここ10年は毎年しっかり利益を上げられています。問題ありません。基準達成です。

年度純利益
2014年3月 195億8200万円
2015年3月279億7800万円
2016年3月306億4400万円
2017年3月409億7800万円
2018年3月377億6300万円
2019年3月402億6700万円
2020年3月287億9300万円
2021年3月419億2600万円
2022年3月586億6000万円
2023年3月613億4800万円
直近10年間の純利益

収益安定性は問題なし!

④収益成長性

収益成長性の基準は、「過去10年間のうち、直近3年間のEPSが最初の3年間より最低33%以上伸びていること」

過去10年のIR情報を確認すると、(直近の3年平均 – 最初の3年平均) / 最初の3年平均 × 100 = +107.1%となり、基準達成です。

年度EPS
2014年3月137.02円
2015年3月195.8円3年平均:182.4円
2016年3月214.47円
2017年3月286.82円
2018年3月264.34円
2019年3月281.88円
2020年3月201.57円
2021年3月293.51円
2022年3月410.68円3年平均:377.9円
2023年3月429.5円
直近10年間の1株当たり純利益(EPS)

収益成長性は文句なし!

⑤配当

配当の基準は、「 20年連続で配当を出していること 」

入手できる範囲でIR情報を確認すると、毎年きっちり配当が出ていますね。基準達成です。

年度配当金配当利回り
2010年3月7.5円/株0.59%
2011年3月20円/株1.52%
2012年3月20円/株1.83%
2013年3月25円/株1.82%
2014年3月35円/株1.52%
2015年3月45円/株1.59%
2016年3月50円/株2.57%
2017年3月55円/株1.66%
2018年3月70円/株1.93%
2019年3月80円/株2.55%
2020年3月80円/株3.27%
2021年3月85円/株1.84%
2022年3月100円/株1.62%
2023年3月115円/株2.21%
直近20年間の配当金と配当利回り

なお、株主優待は6月末の権利確定でオリジナルカレンダーがもらえます。

配当は問題なし!

⑥株価収益率

株価収益率の基準は、「PERが15倍以下であること」。

Yahooファイナンスによると、現在のPERは13.18倍であり、基準達成です。

株価収益率は問題なし!

⑦株価純資産倍率

株価純資産倍率の基準は、「①PBRが1.5倍以下で、②PER×PBRが22.5未満であること」

Yahooファイナンスによると、現在のPBRは1.57倍であり、①のPBRは基準未達です。

②のPER × PBR は20.69で基準達成です。

株価純資産倍率はNG!

まとめ

今回の結果をまとめると以下の通りとなります。

項目評価結果備考
①事業規模売上高1兆94億円
②財務状況流動負債多い
③収益安定性赤字なし
④収益成長性+107.1%
⑤配当利回り2.21%+優待あり
⑥株価収益率13.18倍
⑦株価純資産倍率1.57倍
結果まとめ

財務状況と株価純資産倍率の2項目で基準未達となり、

なみ

富士電機(株)は割安株に該当しません!

という結果となりました。

流動資産に対して流動負債の割合がちょっと高く、株価も高いですね。

これからの富士電機

クリーンエネルギーの創出、エネルギーの安定供給、省エネ・自動化、電化など、エネルギーの供給サイドから需要サイドまで幅広くカバーする当社のエネルギー・環境事業の総合力の特長を生かし、新たなニーズに向けた研究開発を加速させ、事業機会を獲得していく。

中核であるパワエレ事業については、プラットフォーム化の推進による新製品の早期投入、豊富な商材を組み合わせたソリューション提案の拡大、エンジニアリング力の強化に取り組むとともに、協業の推進によりグローバルで売上拡大を図るとのこと。

パワー半導体事業についても、世界的な電動車需要の拡大に対し、生産能力増強投資を着実に実行するとともに、SiCをはじめとする新製品の開発及び量産体制の構築を推進し、収益の拡大を図るとのこと。高い技術力を武器に、さらなる成長に期待ですね。

これまで評価した結果を下の記事にまとめてますので、よろしければあわせてご覧ください。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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